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2006.09.03

【芝居】「トリアージ」双数姉妹

2006.9.3 14:30

双数姉妹の新作は、気がつけば笑いも沢山のメタミュージカル。扱ってる題材の深刻さに真摯だとは思いますが、評価は別れるかもしれません。10日までTHEATER/TOPS。カーテンコール込み120分。

暗く埃っぽい場所、倒壊の可能性もある危険な場所。救護の手が行き届かず、倒れている人々を全ては助けられない。
この場所はモズク島というアジアっぽい国の日本人の資本の入ったレストラン。ホテルなどと込みの開発を目論んでいる。支配人は日本人で現地の言葉が判らないし、殆どの従業員は日本語がわからない。従業員の一人が通訳している。ある日、会社の融資がかかった重要な接待客が訪れる。堅物で通っていたが、従業員の一人に心奪われる。…

途上国、資本投下、買春、現地人(外国人)との恋心、現地人との断絶、テロなど、扱われている問題は根深く、今も現在進行である問題。軽々しく扱えるような問題ではないのだけど、作家は、人の想いとそれを圧倒する経済、という軸で物語を編み上げるのです。 あの手この手でエンタメとして仕上げようとしていて、あたしはこれを評価したいと思うのですが、この微妙な問題ゆえに細かなこと一つでも評価がひっくり返ってしまいそうに思うのです。

シンプルに心情を吐露しようとしてか、まさかのミュージカル風の仕立て。あたし自身はさこの照れ臭さに耐えられないことが多いのです。作家も同様に感じたかどうかは知りませんが、今作では救助員の二人をメタの視点に置く場面をつくることで、アタシにはいい感じ。そんな視点を作りながらも、そこに拘泥せずに見やすくする装置にしてるのはスマートでカッコイイ。

吉田麻起子は現地の可愛いらしく素朴な少女、にちゃんとハマり、中年男が道を誤る物語に説得力。今林久弥の通訳できる現地人の重奏する想いは深く重い役をしっかりと。

双数姉妹「トリアージ」
2006.9.1 - 9.10 THEATER/TOPS
作・演出 小池竹見
出演 今林久弥 佐藤拓之 小林至 中村靖 五味祐司  野口かおる 井上貴子 吉田麻起子 小池竹見 柏原直人
いけだしん(猫のホテル)

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