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2006.09.16

【芝居】「山犬」鹿殺し

2006.9.15 19:30

関西から上京し、共同生活と路上ライブを続けながら公演を打つ鹿殺し。アタシは初見です。オルタナティブと銘打ち、デザイン・音響の李の原作を丸尾丸一郎が作演しての企画公演。120分。18日(昼に追加公演あり)までザムザ阿佐谷。

10年ぶりの同窓会で再開した三人。卒業の時に埋めたタイムカプセルを掘り出そうと手紙を揃って受け取るが、差出人の記憶が薄い…

ほぼ素舞台。普段のザムザよりは舞台を持ち上げています。劇場にはないはずの奈落を作っているのです。巻き込まれ型なホラーな味付けで始まる序盤から多くの笑いを挟みながら、少し切ない味付けに。途中で目的地が変わってしまったような変節点を感じはしますし、物語に溢れる独創性とも思いませんが、終わってみればなかなかの見応えなのです。

並行して描かれる二つの話。無邪気な悪意とでもいうような幼い感覚は時に暴力的ですらあります。気持ち悪いシーンもあります。が、その奥には想う気持ちを留めているのです。

ホラー映画はあまり見ないアタシですらわかる、あからさまに大音響に頼るやり方は、映画的ではありますが、芝居に対しては効果を減じている気がするのはアタシだけですかそうですか。

ちゃんと組み立てる芝居、「上京、共同生活」のような劇団を語るストーリーを使ったプロモのやり方など相当に戦略的だと思うのです。が、奥底の気持ちは素直なものと感じるのが意外でもあり。

観客に対するホスピタリティは確かにしっかりしていると思います。制作にも(全体を統括するチーフ名がないのは気になりますが)ちゃんと浸透していてしっかりしています。前売りのチケットに抽選でプレゼントしたりグッズ売ったり、トークショーをしたり。ちゃんと「劇団のお客様」を掴む努力が見えるのは、観客としては嬉しいのです。

劇団鹿殺し「猿の惑星は地球」
2006.9.14 - 9.18 ザムザ阿佐谷
脚本・演出 丸尾丸一郎  原作 李
出演 カオティックコスモス(はえぎわ) 鬼頭真也(動物電気) 菜月チョビ 山本聡司 オレノグラフィティ

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