【芝居】「獏のゆりかご」シス・カンパニー
2006.9.16 14:00
NODA_MAP系の制作を行うシス・カンパニーはここ数年プロデュース形式の演劇公演を行なっていますが、初めてのオリジナル脚本での上演。グリングの青木豪の作演は手堅く、楽しめます。100分、29日まで紀伊國屋ホール。
観客数の減少から廃園すら検討されている小さな動物園の一角、事務所前の広場。
バツイチ子持ちの女に心寄せる40を随分過ぎた副園長やら、バイトの女と付き合う男やら。クレーマの女、餌を勝手にまく男やら、常連客もくせ者揃い。
人気者のバクの誕生日イベントの準備をしている飼育員たちの所に、バツイチ女の知り合いのカメラマンが尋ねてくる。
四十過ぎの恋心を軸にしたコメディな仕上がり。結婚できない、離婚などそれぜれの事情。加えて三十ぐらいの若い世代や、結婚している女を配して対比で見やすい芝居に仕上げているのです。
動物の特徴的な生態をとりあげて、そう生きることができたら、という憧れを語るというのはそう珍しい感じではありませんが、「独りで立って生きていく」ことを結果として選んできた女性の生きざまを端的にみせていい感じ、なのです。
実は、あたしは杉田かおる、という女優が好きなのです。小さい頃とか金八センセイあたりはそうでもないのですが、中年になってからのあれこれを含めて、なぜか愛おしい。まあ、普通の感覚じゃないことは意識しつつ(^^;;)。その彼女をナマで見られることのうれしさってのは確かにあって。
芸能人というタイプの役者を使っていることもありますが、正直な話チケット代は少々高い印象。それでも、客席が荒れるほどのスターではない、多少地味な役者の良質は芝居を一ヶ月近くロングランさせるというのはいい試みだし、もっと増えていいことなのだと思うのです。
シス・カンパニー「獏のゆりかご」
2006.9.1 - 9.29 紀伊國屋ホール
作・演出 青木豪
出演 杉田かおる 高橋克実 マギー 段田安則 小松和重 池谷のぶえ 明星真由美 安田顕(TEAM NACS)
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