【芝居】「陥人(どぽんど)」カムカムミニキーナ+ネルケプランニング
2006.9.10 18:00
シェイクスピアのいくつもの物語を折り込みながら、悪意の物語を描くカムカムミニキーナの初演をリニューアル、多彩な役者を揃えたプロデュース公演。東京グローブ座での公演は終了。150分。
嵐で沈んだ船の借金のカタに心臓近くの肉を奪い損なった商人は海に沈み、奇妙な生物と魔女に出会う。復讐心に燃える男はベニスに戻り、街の人々を次々罠にかける。イカサマで味を覚えさせ博打にハメ、出世心をで人を煽り蹴落とさせ、妻への愛情を猜疑心で満たし…
「ヴェニスの商人」を中心に、「マクベス」「オセロー」「テンペスト」「夏の夜の夢」などいくつものシェイクスピアの物語、しかも疑い悪意に溢れる人間を描いたエッセンスを濃く、たっぷり。
膨大な話を盛り沢山に仕込み、笑いのシーンもいっぱい。確かに見やすくて、予習しなくてもちゃんと追える話運び。役者それぞれに見せ場を作れるのもプロデュース公演らしいのです。
反面、アタシには時間が長く感じたのも事実。見てて楽しい序盤や勧善懲悪の終盤近くはともかく、シェイクスピアの盛り込んだ話を説明し、アリバイを作るための中盤は笑いを作るわけにもいかず少しダレ気味に感じます。
圧倒的なのはやはり小手伸也(初演も彼だった)という役者なのです。序盤で飛び道具のように客席を沸かせ、要所を押さえ、終盤で哀しく美しいシーンを作ります。客席に降りるシーンを狙って、千秋楽夜の回で客席から紙袋を手渡されるほど、リピートした観客から愛された役(者)なのだろうと思います。
TEAM NACS未見でジャニーズにも疎いアタシは客席が沸く役者が世間ではどんなポジションなのかは、よくわかりません。でもちゃんと見せる力。山田まりあは突っ走り、町田カナ(渡仏前最後?)の魔女は美しく妖しく。
ネルケプランニング+カムカムミニキーナ「陥人(どぽんど)」
2006.9.6 - 9.10 東京グローブ座
作・演出 松村武
出演 山田まりや 森崎博之(TEAM NACS) 津田健次郎
林剛史 宝積有香
小林健一(動物電気) 藤田記子(カムカムミニキーナ) 小手伸也(innerchild) 今奈良孝行(EHH∃) 町田カナ(reset−N) 松村武(カムカムミニキーナ)
佐戸井けん太
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