【芝居】「スペインの母A」散歩道楽
2006.9.20 20:00
再演ばかりを連続公演する企画の5ヶ月目。25人(キャンセル待ちで+5人ぐらいか)の小さな空間、3+1ステージのみ、40分。23日までDie Katze。
午前1時のカフェレストラン。四角いテーブルを囲む四人の独身女。三十代三人、ハタチ過ぎ一人。合コン帰り、カシマしく会話を…
会場はサンモールスタジオの隣のビルにあるカフェレストラン。看板猫と猫あれこれのある店。ドリンクとフード付きで見ることが出来て、終演後も追加オーダーが可能なのです。そんな場所で、レストラン店内を舞台にした芝居。
作家は男性なのですが女性の世界で何が起きているかを注意深く観察し、シーンをきちんと作るのです。アタシも男なので、ホントは何が起きているかは知る由も有りません。が、まあ、ありそうな想像(妄想かも)に近い気はします。三十(後半)女と若者を配することで鮮やかにコントラスト。特に若者が席を外してからの三人のだらけた会話が絶妙に笑わせて、暖めます。
が、そのなかから見え始めるのは単なる仲良しではない微妙な距離感。それぞれの対角線が近づいたり、離れたり。この関係を何気ない日常の会話からきちんと紡げる作家の確かなちから。終盤にある、「アタシ酷いこと〜」という台詞がずしんと気持ちに響きますし、実は彼女が主役なのだなぁと思います。
狭い空間で真ん中にしつらえたテーブル。結果として顔をほとんど見ることが出来ない役者が出るのは仕方ないのです。たとえ、その背中になってしまった女優が目当てだったとしても(泣)。もっとも、青山円形なら腹もたちましょうが、この小さな空間ならば、まるで食事に行ったレストランの隣の席の会話のようで楽しめます。また他の3人の繊細な表情を間近で見られるのもメリットなのです。
これまでの連続公演に比べるとかなり絞られる人数しか見られないのは勿体ない。コンパクトな芝居ですから、何処でも上演出来るので、ぜひ、あちこちで上演してほしいなぁと思うのです。
短くするためかどうか、作家自ら芝居の頭で設定を説明するのは、手法としては一歩間違えればひどくださいやりかたなのです。が、実は喋りが絶妙だったり、きちんとバランスよく客を配置していくのもなかなかなのです。
散歩道楽「スペインの母A」
2006.9.20 - 9.23 Die kazte
作・演出 太田善也
出演 いしいせつこ 藤本樹子 川原安紀子 (散歩道楽)
松本久未(劇団*夢彩色)
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