【芝居】「さよならマリー」空間ゼリー
2006.8.19 19:00
女優ばかり、作家が女性のために演劇、と語る空間ゼリーの新作。キャバレー(キャバクラに非ず)に働くホステスたちの間に働く下働きのマリーは夢見がち、小説を応募しているが。そんな日にやってきた男装の麗人に
女の園たる夜の蝶の舞う空間。足の引っ張りあい、喧嘩、泡に沈められる(あれ、風呂に沈める、っていうんだと思ってた)寸前に踏み止まる空間の緊張が生み出す悲劇なのです。
いつまでも夢見る娘ではいられないという現実、がマリーを押し潰していくのです。精一杯に押し戻そうという力が、恋心になり、そして金を目にしてしまったがために。
マリーの終盤の凄み、アロエのニュートラル、椿も蘭子も負けず劣らず凄み。女優達には頭が下がります。ダンスもみていて楽しい。中劇場の規模ではかなり贅沢な使い方。物語の運びをやっていけるのは、オーナーの役者なのだろうと思います。
「鍬形つぼみ」なる女の子が出てきますが、多分こっちからの連想かと。これはこれで楽しいが、物語に必要だったかはよくわかりません。
昭和な時代の空間だし話もそうなのだけど時代考証が薄いのは弱味。ゴミ袋とか言葉とか。
もう一つの弱点は観客をきちんとコントロールできないこと。最前列に座って、喋り続けるひとたち。
それでも次回も見ようと思わせる感じ。凄み、病的さをもっと。(あ、これが刺激か←劇中の言葉)
空間ゼリー 「さよならマリー」
2006.8.16 - 8.20 シアターグリーン エリア171
作 坪田文 演出 深寅芥
出演 石井舞 桜井ふみ 徳田奈緒 斉藤ナツ子 佐藤けいこ 下山夏子 竹内春紗 河野真衣 大竹甲一 澤田慎司 川渕かおり 井出恵 釜野真希 宍戸由佳 榎本万里子 西田未希 山岸未知 佐藤卓 J 大野ユウジ(青春事情) 高橋征也(劇団芋屋) 岡野康弘(劇団バームクーヘン) 土門黄太(風鈴母さん) 村木藤志郎(うわの空・とうしろう一座)
DANCER 岡本有里加 太田あかね 杉村梨紗 三上結以 片ひとみ 倉本佳織 佐藤さやか
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