【芝居】「子供の領分」風琴工房
2006.8.4 15:00
京都で開催中のTOKYOSCAPEの2週目。若い役者と愛おしい物語とエロかわいい凶悪さとが魅力な60分。6日まで人間座スタジオ。
マンションに暮らす二人の男、部屋の持ち主が持ち込んだのはネットで買ったペット…なのだけど、どうみても、若い人間の女。
初演は若手公演と位置付けられ、門前仲町という東京の下町にあるビルの最上階での公演で、窓も借景に使いました。話は東京のまま、美味いらしい実在するピザ屋の名前もそのまま。窓はないのだけど、広さといい、劇場らしからぬ白い壁といい、実にマッチしています。
男であるアタシには、破壊的なエロかわいさ炸裂の序盤にやられ、脳が溶けるよう。初演もみているおかげで、少しは冷静に見られたようで、3人の深すぎる断絶にどこか絶望的な気持ちにすら、なるのです。今頃気付くな、オレてなもんですが。
男女の(同性愛も含めて)愛情ってのはごく、自分自身のもののはずなのだけど、望まれて与えるものだったり、出し惜しみしたり、取り替えのきくものだったりと、ひとそれぞれに違うのです。違うのは当たり前なのだけど、二人きりでは見ないようにしていた関係が一人加わることで「あからさま」になる瞬間はスリリングです。が、観てるコチラ側も何かをえぐり取られるような痛みを感じます。
初演でも感じたのですが、若者全開な人物たちの考えるロジックも言葉の膨大さも、物事わかりすぎることも、人物にはそぐわない感じはあります。見た目は20代なのに中身は30代(しかも後半だ)みたいなチグハグさなのです。
テキストの膨大さは後半でどんどん抽象的に、テキストの応酬になるために見た目には平板で一回では理解が追いつかないのも初演の印象と変わりません。
が、あたしはこの話も役者たち(幸いなことに初演と同じだ)も、いとおしくてたまりません。 間を開けて何回も、役者が歳を重ねても観ていきたいし、このテキストを次々とバトンのように若い役者に手渡してほしいと思うのです。
風琴工房(TOKYOSCAPE) 「子供の領分」
2006.8.4 - 8.6 人間座スタジオ
作・演出 詩森ろば
出演 山ノ井史 宮嶋美子 浅倉洋介
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