【ドラマ】下北サンデーズ#1

ケーブルテレビのSTBにハードディスクが付いたのと、スゴ録が新番組ドラマを録ってくれるので、一通りドラマに目を通すということをやっております。

小劇場好きとしては避けて通れない「下北サンデーズ」(テレビ朝日系、木曜９時)。

漫画でも小劇場芝居を題材にするのがまま増えてきてて、IWGPの石田衣良の原作(え、原作付きなのか)を河原雅彦ほかの脚本、堤幸彦ほかの演出での構成。わりと忠実に小劇場界隈のあれこれや下北沢界隈のあれこれが違和感なく出てくるのは、まあ面白いものです。田舎から上京したばかりの大学生がふとしたきっかけで目にした小劇場芝居の役者にはまり込んでくって話。

ありがちといえばありがちな話だし、最初に見た芝居に無茶くちゃ感動して人生間違ってくという話もたぶんどっかにあるのかもしれません。序盤で上戸彩演じる主人公が芝居に感動するってくだりの嘘くささというかケツの痒さもスタートダッシュとしちゃ仕方ないかとも。みんなは屑だと云ってるような芝居でも、ある一本、もしかしたら最初の一本で感動しまくってしまう、ということがあってもおかしくない。

ずいぶん何年も続けているような劇団なのにヘボ芝居というのも、 そのあとのこのこ呑み会についてってしまうってところも妙にリアルだったり、冒頭の劇団を評しての「痛々しい」という台詞とか、世間の芝居に対する見方とか、微妙なさめた視点はいいし、人生を棒に振った分のお金って換算もいいし。「私笑ってる？」って前向きもいいかしらと。

開演前の注意事項ってのもいいし、用語解説もまあ、うるさいといえばうるさいけど言葉の選び方が不自然な感じもないのが何より嬉しい。

コメディっぽくていいすね。軽い感じで。あたしはキライじゃない。

意味のないつっこみメモ。下北沢界隈歩くシーンの順番がむちゃくちゃだとか、日曜の夕方って感じの町じゃないぞとか、

単語がいちいち微妙に「眠眠亭」(眠亭)、「ロリコン男爵」(ロリータ男爵)、「犬☆魂」(猫☆魂)とか、「ちくわ水産」(さくら水産)とかも楽しませて貰いました。OFF OFFシアターと云ってるけど、微妙に雰囲気だけを抽出してて、実は全く別物なのに実によく似た雰囲気だったり、稽古場がやけに下北ファインホールに似てる(が、まったくの別物)とかいうのも、町の雰囲気をよく出しててOK(階段の下だけホンモノだ)

演出　堤幸彦　　脚本　河原雅彦