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2006.07.31

【ドラマ】下北サンデーズ #3

2006.7.27 21:00 テレビ朝日系

黒子としての初舞台が予想外の好評に終えた公演。下北沢にも引っ越し、バイトも始めた新人の主人公。10年間くすぶっていたOFF OFFシアターから、他劇団のキャンセル枠をラッキーにも手に入れた劇団は、すぐに駅前劇場公演の準備にかかる。新人の予想外の人気に目をつけた作家と演出は、看板女優と新人の二人をダブルに主演にすえた公演を企画するが..

かっ飛ばしていた1回目2回目に比べると、派手なところが少ないのだけど、それでも小劇場にありがちだろう風景を(いや、実は知らないんだけど、演じる側のことは)点描。避けて通れない金の問題(バイト、借金、チケットノルマ)、たまたま人気の出た新人と看板のバランスの悪さと確執、「2ちゃんねる」と「えんぺ」を足して二で割ったような観客の反応などなど。

主人公のどこまでも前向きな自分探しに加えて、劇団がステップアップする機会を得てどこまでも昇っていけそうな高揚感が劇団全体を包んだり、触れられたくない過去は過去として前に進む新人女優の姿など、どこまでも前向きなのです。反面、全体としてはどこか一本調子になってる感もあって、ひと段落という感じもします。

キャッチボールのシーンとなったスズナリ裏の牛舎(だよな)を背景にした場所は、ちょっといい風景、なのだよなぁ。こういう場所を持ってるのがあの町の魅力。

初回11%を超えていた視聴率も8.1, 6.3と下がってきているのですが、飛び道具がそうそうあるわけもないのだけど、どうなるかなぁ。ねたがそこそこ面白くて、前向きさの熱いドラマはキライじゃないんだけどなぁ

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【芝居】「雨と夢のあとに」キャラメルボックス

2006.7.30 14:00

柳美里の原作(amazon) を成井豊・真柴あずきでドラマ化 ( amazon) した小説の舞台版。深夜55分枠10話にわたる物語をぎゅっと120分に凝縮の濃さはたいしたものなのです。8月20日までサンシャイン劇場、そのあと大阪シアターBRAVA!。キャラメルとしては少々高額なチケット代があってか、まだ平日を中心に残ステージがあるようですが、オススメ、なのです。

父親と二人暮らしをしている小学生の少女。珍しい蝶の収集を趣味としている父親は台湾への採集旅行の最中、転落事故で死んでしまう。娘への気持ちが断ち切れず、幽霊となって現れる ...

死んだものが、近しい人のところに現れ、想いが伝わっていくという物語の枠組みは、小説やドラマでは最近よく見かけるような気もします。今作が圧倒的な力を持っているのは、作家・柳美里の壮絶な実体験 (amazon) に裏打ちされた「想い」が物語に投影されているから、なのではないかと思うのです。原作は未読、ドラマはさっと流して見ているのであたしの思いこみかもしれませんが。 ドラマにするときにはすくなくとも毎話で盛り上げる必要があるわけで、それを舞台化することで次々とさまざまなことが起こる、という濃密さにつながっているような気もします。それが単なるダイジェストになっていないところが、脚本が原作をきちんと血肉にしているのだと思うのです。

なんてことをつらつら考えたりはしながらも、あたしのツボにはまる、いわば「泣きトラップ」(いえ、いい意味で)満載なのです。人の生き死にそのものはもちろん強いドラマを持つわけですが、幽霊という猶予期間をあたえることで「想いが伝わること、伝わらないこと」を克明に描けるフォーマットの強みに、キャラメルボックスという劇団の演出や役者という特性が実によくあっているのだと思うのです。

前半こそ、泣きにハマるものかと思っているのだけど、気がつくと「ダー泣き」の状態なあたし。もうどこがきっかけのスイッチになったかすらよくわかりませんが。

観覧車の場面は枠と暗さだけで一瞬にして場面が変わる魔術で、このシンプルな美しさは特筆に値します。天才子役、といわれる福田麻由子は他の役者と対等に張り合える確かな存在感と瑞々しさ。父親を演じた岡田達也は年齢を重ねた確かさがあって魅力的です。久松信美と楠見薫の客演陣は周囲で支える役なのだけど、この一風変わった明るさが、ともすれば沈みがちな話に笑いによる緩急をつけていて印象的です。

今作においては、出てくる地名や場所の名前が実名なのもちょっと珍しい。スイートベイジルSTB139、なんてところにシンクロするあたしです。

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2006.07.30

【芝居】「南国プールの熱い砂」こどもの城+ネルケプランニング

2006.7.29 18:00

KAKUTAの初演からわずか1年と少しでの再演。キャストをほとんどいれかえ、プロデュース公演に。気楽だけど夏休みに子どもの頃の思い出にひたれる一本。120分、6日まで青山円形劇場。当日券の決まりの厳しい劇場ですが、当日券を厚めに出しているようです。

初演は劇団としての飛躍だったのです。と同時に彼女たちの初舞台だった場所への想いが奥底で流れながら、力強く安定した物語を作り上げていました。

キャストをほとんど入れ替えたプロデュース公演としての今作は、想いという意味では少々薄まった感じもします。が、実力のある(そしてなんかもの凄くきれいどころを揃えた)キャストは男も女も美しく、しかし子どものころの馬鹿話や想い出を描く物語の力も健在なのです。演出家が変わっていないためにびっくりするほど雰囲気も同じ。初演時には問題になった「演出席がどこにあったかわかってしまうような演出」は修正され、どこの席でもちゃんと表情が見えるようになっているのは、とてもいいのです。

物語そのものも大きくは変わっていませんが、それでも普遍に感じ取れる想いの話、「物語単独で」さまざまに展開できるほど力強いということを見せつけます。

KAKUTA勢の原扶貴子は変わらぬ安定、横山真二はコメディアン的な役割なのだけどしっかりと客席をつかむ力。笹峯あいという人をよく知らないのだけど、派手めに見える役を好演。小橋めぐみのか細さ、子どもの頃さえも想像させてしまう空気はたいしたもの。伊達暁はあたしが今まで見た中では最も爽やかな役どころなのだけど、それもしっかりとものにする力。

夏休みの子ども向きの芝居では決してありません。むしろ「こどもを通過した大人たち」の視点の芝居は、その一人であるあたしにとっては好きな方向の芝居なのです。

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2006.07.29

【芝居】「無防備なスキン」tsumazuki no ishi

2006.7.29 14:00

濃くてずっしり重い150分。しかし目は離せません。30日までザ・スズナリ。

古い日本家屋に共同生活を営む三組の家族。弁護士に集められ、別々の事件の犯罪被害者の遺族や犯人の家族が世間から隠れるように暮らしているが…

冤罪や犯人家族、被害者家族の抱えているであろう「痛悲しい」感覚を執拗にえがきながらも、ただ悲しさだけではなく、捻れ、間違えた方向へ行ってしまうことも含めて描く作家の目は冷静でシニカルでもあります。

舞台といい、役者といい、暑い夏の日差しがよく似合います。夏に限定された話ではないのだけど、それ以外には思いつかないほどなのです。 昼間と夜中や明け方の澄み方や気温も感じさせるような「空気」すら作りだしているように思われるのは見事なのです。

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【芝居】「煙の行方」ポかリン記憶舎

2006.7.28 19:30

2週間あるTOKYOSCAPEのうち、今週しかない唯一の劇場で公演のポかリン記憶舎、西陣の真ん中で60分。30日まで、須佐命舎(織成館)。

和風の女たち。暑い夏の日差しのなか、やってきて一息ついて、(踊りの)稽古を、かわるがわる

彼女たちが「地上3cmの楽園」をうたっていたのはいつのことかしらん。京都の町の圧倒的な力のある建物を得たことと、着物の町ということが、彼女たちの芝居に力を与えたと思うのです。

久しぶりにみたポかリン(前回、煙〜初演)は、びっくりするほど見やすくなっているのです。所作の美しさはそのままに、笑いもあるし気楽な感じなのです。

向かいの建物(織成館)はもともと広大な織物工場の建物。京都在住の人でも知らない空間、らしいのです。夜限定で京野菜の餃子と生ビール。気持ちよく寝てしまわない自信があれば開演前(1830から)に。トークショー次第ですが、時間少ないかも。日曜日は更に限定的かもしれません。

今回に限りませんが、弱点は当日制作の体制が薄い(人数ではなく)ことではないかと思います。誰に責任をどこまで与えるか。難しいとは思うのですが。だから餃子をいつ食べるか、トークショーの時間を監督するひとがいない、のです。

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2006.07.28

【芝居】「紅き深爪」風琴工房

2006.7.28 15:00

東京の6劇団、7演目を2週間に渡って京都で上演するシリーズTOKYOSCAPE、再演ばかりの安心ラインナップ。風琴工房の「紅き〜」は1日まで人間座スタジオ。

病室で看病に詰める女。姉は妊娠しているのに、毎晩酒を呑んで病室にやってくる。女の娘と夫が珍しく訪れるが…

人間座スタジオは白壁(パンチボード風)、フローリング床。芝居小屋としては使いにくい空間を、病室、という「特性の合う場所の芝居」を持ってくることで、うまくいっています。

虐待を扱っているとは云っても、そのものズバリのシーンは少な目。むしろ姉妹が泣き笑いに語るシーンの緻密さが、場面にリアルを与えています。話される内容は痛くても、女優二人の応酬の濃密さが凄いのです。

姉の夫には少々捻れたトランスジェンダーという難しい特性なのですが、アタシのモヤモヤとした女性に対する気持ち(性癖、かもしれませんが)の一部にキャラクタというカタチを与えていて、俯に落ちるのです。

初演のキャストの多くをシャフルし、特に初演では奔放な姉を演じた松岡洋子が、妹役にスイッチ。違和感感じることなく、うまくはまります。姉役を新たに演じた藤田るみは奔放さに信憑を加えます。姉の夫を演じた好宮温太郎も難しい人物のアウトラインをきちんと作りだしていて魅力的です。

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【芝居】「お願い」ラックシステム

2006.7.27 19:00

わかぎゑふ率いるラックシステムの 10周年記念作 のキャストをシャッフルしての再演。今作から常小屋となった、大阪・弁天町の世界館での公演は終了。120分。

大正時代、東京・吉原の置屋、いてて屋(新・河内楼)。東京にありながら大阪の言葉と「遊び」が出来る店として人気。軍人、記者なども出入りしつつ。

ともかく初演が凄かったのです。劇場に濃密に作られたセット、役者も豪華で話も凄い。ラックシステムの記念公演にふさわしい一作だったのです。

それと比べてしまうと、今作はすこし薄い感じは否めません。劇場が広いというか、空間としてスカスカになりがちな感じで、環境はまえより厳しくなっています。同じ世界のなかに包み込まれる感じの初演と、額縁の中のきれいな錦絵の再演というか。そこはわかっているようで、上手側前方客席のエリアを一部芝居に使う演出がもりこまれています。 役者もいわば「お祭り」だった前回に比べてしまうのは無理がありますが、初演の役者が透けみえてしまうのはあたしだけでしょうか。

前回の印象は女将・お孝の生い立ちの話と、遊女・志保の悲しい物語が強烈で、周囲が固めている、という印象だったのですが、今作ではすこし全体にバランスしたように、感じられます。

が、結局は泣くあたし。さまざま通りすぎる女たちのそれぞれの生きざまや想いが丁寧に描かれる物語なのです。関西の言葉で紡がれる世界にいったん引き込まれてしまえば、少々のことでは崩れない強さがあります。

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2006.07.25

夏休み、西へ

ちょっと毛色の違う仕事が、でもうまく回りはじめて、ストレスも少ない。あたし、エンジニアじゃないのか、やっぱ(^^;;)。

木曜日から夏休みをいただきます。TOKYOSCAPE がいよいよ。来週も取るのですが....すみません。

  • ラックシステム@大阪・世界館( 1) 劇団の常打ち小屋での初公演。その場所を見たいと想う、あの名作を。◆木曜夜
  • 風琴工房@人間座スタジオ( 1, 2, 3) 劇団の代表作と新人公演の二本を持って京都への。◆金曜昼
  • ポかリン記憶舎@須佐命舎( 1) かなり久し振りに見るのだけど、そしたら、同じ演目なのですね。◆金曜夜
  • ひょっとこ乱舞@ザ・ポケット( 1, 2, 3) 注目の劇団の新作。
  • 南国プールの熱い砂@青山円形劇場( 1) KAKUTAのある意味集大成の「想い」の芝居を、劇団を離れてプロデュース公演として早くも再演。◆土曜夜
  • キャラメルボックス@サンシャイン劇場。テレビドラマを元にした舞台化。あたしの信奉する久松信美に加え、楠見薫までキャラメルボックスで見られる時代がくるとは。◆日曜昼

■tsumazuki no ishi@スズナリ。■ク・ナウカ@国立博物館庭園、一度は見るべしこの風景。■A-CLIS@銀座小劇場、あたしにとっての小劇場ほぼデビューの公演。■ミジンコターボ@ロクソドンタブラック、大阪。金曜昼があればなぁ←違う

プロバイダーのビッグローブが十周年を記念しての各種イベント。その中に、先日のハイバイにも出演していた、チャン・リーメイが参加する「80時間で十のつく地名を10カ所移動」の企画。ルーレットで回した場所に、トラックバックやコメントの移動手段を用いて移動する様子をモブログしよう、ってやつで、どこか「水曜どうでしょう」的ではあるけど、単なるパクリでないのはえらい。

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2006.07.24

【芝居】「困惑」ジェットラグ

2006.7.23 19:00

プロデューサー・阿部敏信が演劇公演のために作ったユニット。(「動物電気の政岡泰志が、劇団とは違うシリアスな芝居を目指して作ったユニット」だと思ってたんですが、公式サイトには違う記載が。修正しました。-06.08.13) の旗揚げ新作。が、結果は笑い指向になったようです。120分。25日まで、新宿スペース107。

子どもの誕生日に飼ってきた可愛くない犬。子どもに拒絶された父親は、ペットショップに返しに行く。ペットショップの店長は子どもと動物が好きだったが、この犬は可愛くないために殴っていたりしたのだった。ある日起こった事件は、犬の霊感能力によるものだということになって..

ふたを開けてみれば、動物電気的なテンションの笑い指向、時折のハプニングを狙う芝居。半裸や客いじりも多く。あたしの見た日曜夜は客席薄めで、観客もとまどってる感じで笑いのイキオイがつきづらい感じ。最近は見てないのだけど、多分そうなのだと思います。結果、動物電気の役者はそれぞれがすんなりはまりますが、他の客演陣の役者の特性とはずいぶんかけ離れてしまった気がしてもったいないのです。

終幕10分に一瞬だけかいま見せる、名前というものに対するリリカルな想いの発想点は悪くない気もします。が、それは120分の芝居全体ではほんの一部に過ぎず、芝居のベースにはなっていません。

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2006.07.23

【芝居】「山荘の女たち」競泳水着

2006.7.231400

しばらく休止していた競泳水着の主宰・上野友之が「本気で売り出す」と宣言した特別公演。あたしは初見です。90分強。24日まで早稲田どらま館。

スキャンダルに見舞われた会社会長の秘密の別荘。会長の娘、会長の愛人が匿われるために集められた。不安で同行してきた娘の友人と世話をするための秘書の4人の女たち。行く末もわからないまますごす女たちが耳にした大きな音は…

ミステリーに仕立てられた物語。淡々と進み、舞台をつくり事件があり。正直なはなし、あたし自身はミステリーとしての話の出来のよさ云々は、じつのところよくわかりません。説明はされていても彼女を「つき動かす」力が今ひとつ俯に落ちない違和感が残るのです。

が、90分間、誠実で緻密な物語を語ろうとしていることはよくわかるし、笑いに走ることなく飽きずにみつづけさせる力強さがあり、芝居を見た、という満腹感があるのは強みだと思います。

女優4人はびっくりするほど美形揃いで、愛人や秘書といった役の信憑を勝ち取れる感じ。半面、似た感じに見えてメリハリという点では不利なのは贅沢な悩みですが、「会長の好み」って感じはよくでています。結果、弁護士を演じた市岡拓が、登場こそ唐突ながら芝居を締まったものにしています。

当日パンフに因れば今後、ミステリーとラブストーリーの二本立てでやっていくというとのことで、この誠実な語り口でラブストーリーも見てみたいと思うのです。

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2006.07.21

【芝居】「Ani-Mates」SPARKO

2006.7.21 19:00

物や動物など、不思議な視点の世界観の多いSPARKOの新作は3人の娘と父親の残したモノたちの語る話。100分、23日までギャラリールデコ5。日曜日は予約多く当日券は問い合わせを。

しばらく別れて暮らしていたが、父親の死をキッカケに 小さな部屋に引っ越してきた三姉妹。 父親がやっていた古道具屋の残りの品々をネットショップで売り、全てを売り切ったとき…

物語の結実は終幕間際のワン・アイデアなのだと思います。マトリョーシカをモチーフとした結末は美しく。

が、全体を通して見ると、ありえない物語世界に取り込む強引さに欠ける気がします。役者の特性やテキストの細やかさ、あるいは(役者に対しての)演出の緻密さがあれば、世界が作れる骨格だと思うのです。

問題点は、「モノが語る」ように見えないことなのです。役者が居ないあいだのモノ同士の会話には照明でガイドはつきますが、そういう問題ではなく。かといって、どうすればいいかの解決策も思いつかないのですが。 中盤に何回か描かれる父親の姿はコミカルで緩急の変節点となり少し面白いのです。客席も沸く感じで楽しい。

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【ドラマ】下北サンデーズ#2

さて、二回目。そか。木曜日に見て週末か。(テレビ朝日系、木曜9時)

小劇場の芝居を見ているあたしです。演じてる側の人を少しは知っています。でも、劇団の中で何が起こっているかは、知るよしもありません。でも、そういう雰囲気は存分にあります。あたしは好きです、このドラマ。

髪の毛切った主役。青春ドラマに仕上げる意図が見える全体の構成。この流れ、このキャストなら多分正しいのです。

例によって、たくさん小劇場(小劇場演劇)のあれこれの小ネタ。劇団内恋愛のあれこれを戯画的に描いてみたり、小劇場スゴロク、元女優の制作(そういえば、あそこの劇団も、あそこも)、当日券で見に来る謎の見立て人(+差し入れ)←しかも藤井フミヤだ。

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2006.07.20

降りましたねぇ。

大雨が降ったところもあって、出張から戻ってこれない、なんて人も居たりする。先週乗った特急だよ、とか思ったりもして。

週末、友人の結婚式二次会のお手伝い。おもえば彼ともniftyのフォーラムの出会いでしたが。暑すぎない程度に晴れてくれるといいのだけど。礼服じゃないぐらいでいいかな..と弱気。

  • 競泳水着@早稲田どらま館。(未見)「今年から本気で売り出す」気合いを出した、という本気を見に。ええ、もちろん「美女四人のミステリー」って言葉に惹かれたことは否定しませんが。(^^;;)
  • SPARKO@ルデコ5。 (1) 旗揚げがモノスゴかっただけになかなか難しいのだけど、何かを期待してしまうのです。
  • ジェットラグ@SPACE107。(未見)。動物電気の政岡泰志による「初めての試み」ってのは何?blogも開設中。

トリのマーク、ワークショップの最終発表会となるオリエンテーリングと記憶リーディング。■印象(いんぞう)@タイニイアリス。■弘前劇場@スズナリ。■零式@アゴラ。■ラックシステム@大阪世界館(これもみたい...)。■キャラメルボックス@サンシャイン、これは来週へ。

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2006.07.19

おわり、のこと。

この一週間、いくつかの発表。

■「月刊アスキー休刊」。リニューアルとのことですが。

中学校で先輩に読ませて貰ったのが、今から思えば創刊号だと思ってたけど、計算あわないや。間違いですね。

ハードウェアの発売リリース、ロードテストという徹底テスト、少し先の技術を丁寧に解説する特集記事、軽い読み物など、隅々まで面白かったなぁ。惰性で買ってたけど、カタログ誌的が強くなってからは買わなくなってしまいました。PC誌の中では最後まで買ってたのですが。(I/Oとかマイコンとか、マイコンBASICマガジンとかは早々にやめちゃったけど)

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2006.07.17

【芝居】「荻窪ベビイ」散歩道楽

2006.7.17 19:00

散歩道楽が続けている7ヶ月連続の再演企画、「サンポジウム」の三本目。105分。19日まで神楽坂アユミギャラリー。

人気占い師のファンサイトのオフ会に集った人々。参加者の一人の誕生日だと気がついたみんなは、サプライズパーティを盛り上げようとするあまり、不自然な行動をしてしまう..

アユミギャラリーは、外に向いた窓が印象的な小さな場所。冷房も不十分でしょうが、あたしの見た月曜夜は気温も落ち着いていて楽に見られました。外の道路も借景に使うことが出来る面白さの反面、場面が飛ぶときに動線的に無理が感じられるところも見られます。

サプライズパーティのためのさまざまが一点に収束させていこうという意図はわかるものの、少々強引さも感じますが、全体としては善意に裏打ちされてる物語の運びを作家に感じます。

ほとんどコスプレに近い勝村美紀のゴスロリ(あってる?)姿を至近で見るのはいい意味で強烈。窓側のソファで行われる芝居が全体に多く、選ぶならこちら側を。

劇場でない場所を使うことにはメリットもデメリットもあるのですが、この回は雨がさまざまに影響を。受付を傘でやるざるを得なかったというのは大変だなと思う反面、どうにかならないかとも思います。

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【芝居】「会議」青年団若手公演

2006.7.17 15:00

別役実の名作戯曲を翻案上演。アトリエ春風舎での上演は終了。

商店街の外れ、広場に椅子を並べて。周囲に貼り出された大量のステッカーには「会議場、時間厳守」と書かれ、人間の会議本能を刺激し、自然発生的におこる会議を観察する実験なのだが、準備するスタッフがなくしたライターを巡って意図とは違う会議が…

設定も不条理っぽいなら、出てくる人々がは悪意はないのに会議がこれっぽっちも進まない不条理さ。芝居も役者もとってもいいのだけど、会議の進まなさや阻害ばかりに、そのうち腹が立ってくるぐらい。芝居を外側から眺めてはいるのだけど、なんか話にからめ取られた感じで。

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【芝居】「地獄にて」あひるなんちゃら

2006.7.16 19:00

脱力したコントのような、しかし緻密な台詞の芝居。かなり凄い。70分。17日昼まで、王子小劇場。

刺してしまった女、刺された女、見ていた女、部屋に入ってきた男。いろいろ話しているうち、轟音。審判を受け、気がつくとそこは地獄で。

劇場に入ると、折りたたみ椅子を渡され、好きな場所に座るように指示されます。きちきちに狭く並べられた座席よりはずっといい感じ。場所によっては見づらくなるけど、それは開演前なら修正がきくのも嬉しい。開演前のビフォアトークはだらだらとした話。芝居の中身の話は出来ないから、役者の日常などをだらだらと。普通ならこれは良くないのだけど、アタシ的にはファンの役者だったりすると嬉しい。

多分友達どうしな女3人。空気が読めなかったり無口気味だったり、厳しいことを云ったりするそれぞれのキャラクタ。唯一出現する男友達は、3人の関係を外側の視点から見たり、物語を進めたり、冷静につっんだりと実はかなりの重責。そのあとのシーンは(薄い印象というのも含めて)強烈なキャラクターたち。あっち側も悩んでたり人間臭かったりするのです。終盤で、「上にあがること」の話をいくつか。装置の効果が結構凄かったり、上に上がる手段の馬鹿馬鹿しさも面白かったり。上がったら上がったで場所について思い悩むこともあったり。

全体としては突っ込み満載、笑いもそこそこにあるコントの風味なのです。が、書き込まれた台詞は実に緻密でものすごい分量。役者には台詞以外にタイミングを細かく演出していなければ出来ないように凝縮された時間。

最初に見ると違和感があると思います。が、この空気の中に居て面白いと感じる瞬間が、あると思うのです。

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2006.07.16

【芝居】「クローバー・夏」ククルカン

2006.7.16 15:00

ククルカンが一年をかけて、四人の役者をフィーチャーして続ける「クローバー」の二本目・夏編。16日夜まで、月島TEMPORARY CONTEMPORARY(旭倉庫)。

渡された合いカギを手にして訪ねた月島の高層マンションの一室は「あの人」に関係した女たちが同居し、ガラクタのような巨大なオブジェが張り巡らされて居た。

ここに居ない人を想う女性ばかりの同居を描くといえば愛だの喧嘩だのがつきもの、だと思うとさにあらず。過去にはギクシャクしていたことは示されるものの、愛情の関係というばかりではない人々は穏やかで、ほどよく距離を保ち、むしろ楽しんでいる感じすら。女優ばかりで時にカシマシく描かれる、こんなユルい世界があたしは大好きなのです。

「そこに」留まり続けることは、よどんで、腐ってしまう。いつかは離れなければならない場所とわかっていても留まらせてしまうのも居ない彼のせいなのか。

至近で見る原田砂穂のくるくると変わる表情のキュートさ。女優それぞれに見せる表情もあたしは好きなのです。

月島という場所を借景にするような台詞はあるものの、どうしてもこの場所でなければならないという訳でもありません。

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【芝居】プレビュー「無外流 津川吾郎」ハイバイ

2006.7.15 19:00

10月に10日間の公演を予定しているハイバイのプレビュー公演。約90分。

定年退職後に出会った老人・津川の凄みに魅せられて連れだってあちこちに行く男。二人で出かけた似つかわしくないカフェで出くわした修羅場のカップルに、男はなすすべが無かった。ふたたびその女に出会いうことを妄想する二人だったが、本当に出会ってしまう。家族ともろくに会話もない男の息子は演劇を志し、短編を書いたりしているが、その作品をテキストにした稽古場に...

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2006.07.15

【芝居】「楽屋」マヤ印

2006.7.15 15:00

大倉マヤと西田まやの二人の女優のユニット、初公演。清水邦夫の名作をort-d.dの倉迫康史の演出で。85分ほど。17日まで、新装なったアトリエ・ヘリコプター。

ある女優の楽屋、そこにいついてる、女優の幽霊たちが…

あまり作品に手を加えてはいないといいます。チェーホフの「かもめ」が上演されてるという設定の楽屋もシンプルに美しく。

若い若いと思っていても、たとえばあたしが大倉マヤという女優を舞台で拝見してから10年ぐらいは経ってるわけで、年齢を重ねて、という人物の描写に無理がないというのは良くも悪くも時の流れで、それが見られるというのもまたよく。

幽霊の二人のコミカルがあたしはこの芝居で好きなところ。

開幕直後に暗転したままの時間が長いなど、初日のバタツキは多少ありましたが、まあ劇場としても改装後初なので許容範囲かと。夕立があっても、冷房が強化されてもさすがに昼公演ではそれなりに暑く。ロビーのビール販売は正解かと。

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【芝居】「物語まみれ」chon-muop

2006.7.14 19:00

トリのマーク、などに出演している櫻井拓見の作演によるユニット、chon-muopの二回目公演。90分。17日まで明石スタジオ。

引っ越して間もない部屋、暮らしているカップル。まだ間もないはずなのに、破壊的に散らかり放題の部屋。一緒に暮らしてた筈の「さとこ」が居ない..

実際のところ、アウトラインはこういう感じだとは思いながらも、中心となる人物が居るかどうか、怪しいのです。作家の頭の中にフラッシュバックしているさまざまが浮かんでは消えしている感じがして、タイトルに反して、物語を追いかけ続けるテンションを維持するのはなかなか厳しいところではあります。

散らかり放題の荷物たちが自分たちのモノじゃないという下りがちょっと面白い視点だなと思います。役者の動線上にもモノが散乱しているため、初日時点では観ているこっちがはらはらしてしまうような感じもしますが、大きな問題にならないというのはたいしたものなのです。

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2006.07.14

【ドラマ】下北サンデーズ#1

ケーブルテレビのSTBにハードディスクが付いたのと、スゴ録が新番組ドラマを録ってくれるので、一通りドラマに目を通すということをやっております。

小劇場好きとしては避けて通れない「下北サンデーズ」(テレビ朝日系、木曜9時)。

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メンテナンスは無事に終了したようです。

コメント、トラックバックも出来るようになってるかな。管理画面の方はさくさく動くので、まあ今のところは大丈夫でしょうかね。このまま軽くあってくれ。

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2006.07.11

48時間メンテナンス

このところ投稿画面、コメント、トラックバックの不調が数ヶ月間続いているココログが、抜本的な解決を狙って11日14時〜13日14時の48時間の長時間メンテナンスを予定しています。詳しくは→こちらまで。メンテナンス中に問題が起きたような場合もここに書かれるでしょう。メンテナンス中は、コメント・トラックバックも受け付けられないようです。

ここ数ヶ月の様子では、メンテナンス後もしばらく不調が続いたり、メンテナンス時間が延びたりしますので、上記の特設ブログも参照下さい。

連休が待ち遠しい週末、今週は期待作揃いで困ってしまうのですが、取り急ぎ、リストアップだけ。そういえば2週間後の京都・TOKYO SCAPEも宿がやばいかっ。もしかして。

  • あひるなんちゃら@王子小劇場。コントのようなナンセンスのような笑い。月曜夜の追加公演も。
  • ククルカン@月島TEMRORARY ONTEMPORARY。春夏秋冬で四人の役者の企画公演。夏編。
  • chon-muop@明石スタジオ。トリのマークに出演されている櫻井拓見のユニット。
  • マヤ印@アトリエヘリコプター。元双数姉妹の大倉マヤと五反田団の西田まや二人の女優のユニット、ロビーが新装された劇場で。
  • 青年団若手自主企画vol29@アトリエ春風舎。別役実の「会議」を演出部新人の翻案・演出で。
  • 散歩道楽@アユミギャラリー。7ヶ月連続再演企画の3本目。続けてみてる方はカードお忘れ無く。

■STAGE STORE@MODISHI MOON。二次会を題材にしたらしい「林屋二次会」 ■ぼっくすおふぃす@セッションハウス ■ドナインシタイン博士のひみつ学会@モリエール ■流山児事務所@ベニサン・ピット ■reset-N@スズナリ ■*pnish*@スペースゼロ ■子どものためのシェイクスピア@グローブ座 ■維新派@大阪・梅田芸術劇場メインホール ■俳優座劇場P、「東京原子核クラブ」 ■PARCO+リコモーション@パルコ劇場、「開放弦」。

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2006.07.10

【芝居】「ラジコン少年」マグネシウムリボン

2006.7.9 17:00

あたしは初見の劇団です。おすすめしたいところなのだけど、アルシェでの公演は終了。約120分。

なくなったラジコンを探し続ける男の子・ラジ男。アパートの3階から操作していたのを見付かり怒られて戻ってみるとなくなっていて、プロポを両手で抱えて探し続ける。同級生達が大人になり、日常を送っているのに彼は成長を止めたまま。ある日現れた女の子。「さっき」と名乗る彼女はラジ男の同級生だと名乗るが、ラジ男には覚えがない。「さっき」は自分が幽霊みたいなものだといい、思い出してくれないと困るというのだが...

ねたばれあります

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2006.07.09

【芝居】「ミドリノカエルコロ」OrangePUnpKIng

2006.7.9 14:00

言葉遊びから発想したようなファンタジー色強めな一本。90分、11日までウエストエンドスタジオ。

作家の男、友人の結婚報告を聞いたパーティーで謎めいた女に誘われるまま家の前までついて行くが、ふとカエルを見つける。…気がつくと彼は病院らしき場所に…

ファンタジーという話がわりと好きなのに苦手なところもあるアタシです。ひとつのアイデアで貫かれた「世界」を作るわけですからあたりまえなのですが、頭のなかでぐるぐると回ってしまってぼんやりしてしまうのです。

カエルから派生したさまざまで作られた世界はどこか不思議な感覚で途中までは結構楽しく見てるのです。ファンタジーの骨格が見えてからがすこし物語が旋回してしまう感じなのがもったいない。

女優陣が妙に色っぽくて、アタシの意識を引っ張ります。あしかがあやは影が薄いという役なのだけど見せる感じ。MiSAKiは鮮やかに変わる役ゆえになまめかしさと事務的に冷たい感じの落差が魅力。

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2006.07.08

【芝居】「喧騒浜茶屋凪日記」回転OZORA

2006.7.8 14:00

暖かい話、充実した役者が魅力のOZORAの新作は、海の家の男亡き後のある夏の一日。120分。9日まで「劇」小劇場。

地方の小さな砂浜にある海の家。去年まで責任者だった男が亡くなり、店員だった男がまわりに助けられながらも、なんとか切り盛りしていた。海の祭の日、役所が許可証を持ってない店に許可を出せないと言ってきた。許可証は、亡くなった男の娘が持っていて、店を続ける気はないという。海が一番忙しいこの日、その娘がやってきて…

居なくなった人、残された人々を描き、家に居たときとはまったく違う、慕われていた父親の姿、始めて知る娘や、そこにゆかりの夫婦、夏の甘酸っぱい恋の話をからめながら静かな波の音のなかの一日を焦らず丁寧に描きます。

派手な演出があるでもなく、話が突出してサプライズというわけでもないし、大泣きというところまでは行かないのだけど、滋養になって身体に染み渡っていくような充足感があります。

今藤洋子はこのような巻き込まれ役が実にいい味で、加えて芯になる話を背負うと、今作の役の中では突出して安心感。

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【芝居】「残酷な神が支配する」シベリア少女鉄道

2006.7.7 19:30

前半で語る物語世界を、ワンアイディアで破壊的にひっくり返す構成で人気のシベ少の新作。100分。15日まで吉祥寺シアター。そのあとに大阪。

誘拐の捜査で、犯人の目を逃れるため大学の構内に集まった刑事や関係者たち。誘拐された女は戻ってくるが、ネットワークに放たれたウィルスは、警察のネットワークに入り込む。理詰めで追いつめて行く捜査陣は、いくつかの辻褄をピースのように組み合わせて核心に迫るが、どうしても合わない辻褄が残り...

初日近くのシベリア少女鉄道を観るのはそれなりにリスクも伴いますが、二日目の芝居は大きな問題もなく、きちんとしていました。

前半の芝居はクライムサスペンス風味。静かに理詰めしていくところはそれなりの厚みを持っているし芝居も芝居として観られるようになってきてる最近。笑いは少なく、積み上げて辻褄を合わせていくさまはシベリア少女鉄道の真骨頂なのでしょう。

後半になっての「おち」の部分が今ひとつわからないのです。いえ、単語も映像もそれなりには知っていますし、神という単語に繋がるものなのでしょう。が、芝居の構造にもっともっと食い込んであっと驚かせるものを彼らには期待してしまうのです。

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2006.07.07

【芝居】「女のみち」ポツドール

2006.7.6 19:30

セミドキュメント手法から最近は「ありのままの情景の描写」に主眼が移っているポツドール。初の外部作演と看板女優の企画による「女が描く」芝居。追加公演もあるようですが、ほぼ全席完売のようです。あたしの観た木曜日はキャンセル待ち15名入れたようですが。10日までTHEATER/TOPS。90分?

女優ばかりの企画モノのAV撮影現場。奥と2Fのスタジオ。待機場所にソファ、机、飲み物食べ物。出番を待つ女優たち。古参の女優から売り出し中の若手、あきらかにおかしな感じまで5人。マネージャーの男と誰がヤってるとか、あいつは駄目だとかなうわさ話が..

この劇団、「性の現場」を描くことが多くて、物語の上での女性の扱いがかなり手荒いという印象。今作は通常の作・演ではなく女性を迎えての企画。パブリにおいては「女が描く」ということを強調しています。AV現場らしい場面はありますが、それ以外の会話が主眼。居なくなった人の悪口を云ったり、あけすけだったり。確かに女性目線、というくくりでは、こういう芝居は多いような気もします。

女目線の芝居が好きなあたしですし、ポツドール系の芝居に期待するモノはたしかにこういう会話のあるリアルっぽさなのです。でも、これを女目線で括るのはちょっと違う気もするのです。ありそうな場面ではあるのです。男が居ない場面で女性達が何を喋っているのかは、あたしは想像するしかないのだけど、これはリアルじゃなくて、どこかありがちな場面という気がするのです。(いえ、あたしが云っても説得力はありませんが:-)

でも、当の女性の感想は好意的ですから、あたしの思いこみだけかもしれませんが。

前半の平日に設定されたトークショー(二日目もゲストが進行する、の図でした:-)を聞いて感じるのは、こんなに女性ばかりの現場なのだけど、描かれている根底はプロフェッショナルな人々という、どちらかというと「男っぽい」感じがするのです。現場を進めるためにあらゆる手を尽くすこと、現場を抜ける時には別の日常にすっぱり切り替わることなどがそう思うのです。

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2006.07.06

【芝居】「亡者からの手紙」ジャブジャブサーキット

2006.7.5 19:30

東京でも公演を続けているジャブジャブサーキット(JJC)の最新公演。日影丈吉の原作を舞台化する4本の短編。5月の名古屋、6月の大阪を経て7月の東京公演、9日までスズナリ。125分。

酒場で会った男、かつて金を貸してくれるアテを教えてくれて、翌日に行ってみると「吉備津の釜」 (amazon)。 酒と肉を食べながら客に語る男、親友が二人いて「王とのつきあい」 (amazon)。 百貨店のイベントの会場で見つかった赤ん坊の死体、その犯人が見つかり開かれた裁判では 「飾燈」(amazon)。 妹を殺した姉の供述、緻密に組み立てた証拠は完全な犯罪になるはずだったが 「夜の演技」 (amazon)。

緻密に組み立てられた会話劇が得意な彼らなのですが、原作をリーディングのようにト書きを読む芝居として具現。彼ら自身も自覚はしているのでしょう、はじめの一本で、役者がト書きを語ることの可笑しさを台詞にしたりしています。

昭和の事件というのは(それも昭和40年代まででしょう、きっと)、どこかおどろおどろしくて、人間以外のなにかが「やらせている」ような怖さがあります。その時代の空気をしっかりと舞台に乗せています。

あたしは、物語全体に艶があって、(いや、女優の脚とか、それだけじゃなくて)個人的に馴染みな地名が連呼される「夜の〜」が好きです。「王との〜」は早い段階でネタがわかってしまうのですが、それが欠点な感じも受けません。

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2006.07.05

時間が足りないのは遊びすぎ。

来週は、ココログのメンテナンス、なんと二日間。不具合が続いているココログを、OSやDBなどまとめてアップデートするというのだけど、大丈夫かこれ。閲覧は出来るそうですが、コメントも含め書き込めないそうなので、さまざまは「掲示板」の方へ。

今月はいろいろ休暇を取ったりする予定なのです。久し振りに出張じゃない旅行(出張も1年近く行ってないぞ)に行くのもいいかと思いつつ。まあ、2泊程度で京都あたり、しかも芝居がらみだったりしますが。それでもまだ予約すらしてないのは、まあいつもの通り。

mixiやったり、ぶつ森やったり、ネットしたり、「我が輩〜」と「WBS」見たり、というだけで消費するばかりほとんど生産的なことをしていないのが、気持ちは気になるのです。mySQL勉強始めた筈なのに全く進んでないし、でもなぁ、ネットの「向こう側」にデータを集める仕組み、実験してみたいのだけどなぁ。まだまだ駄目らしい。

週末の予定を検討。今週末はかなり激戦区で落ちてしまうものも多数。土曜夜には友達関係、打ち合わせ。

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2006.07.03

【芝居】「少女灯」黒色奇譚カナリア派番外

2006.7.2 14:00

黒色奇譚カナリア派初の番外公演にして、初の再演だとか。3日までザムザ阿佐谷。120分。

ケーキ工場の二階でロウソクを袋に詰める女工たち。突然工場の閉鎖と解雇を言い渡されるが、3人の女工だけはそのままの場所に居座っていた。一人は夫が居るが、彼もそそのかされて工場の金庫に手を出して追われ、失明してしまう。目の見えない夫に触ることの出来ない女は、もう一人の女の手を握らせ、声だけかける日々を...

目の見えない男と触ることの出来ない妻、もう一人の女というトライアングルの歪みぐあいが実にいい案配。これをアングラ芝居と呼ぶのはちょっと違う気もするのだけど。どこかにありそうなモチーフなのだけど、そこから女達の情欲(シーンとして色っぽいわけではないのだけど)がにじむのです。

牛水里美、どちらかというと可愛らしい顔立ちだと思うのだけど、体当たりというタイプの芝居とは違う、歪み具合も情欲も背負っていて見応えがあり目が離せません。

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2006.07.01

【芝居】「清水宏のサタデーナイトライブ18」清水宏

2006.7.1 19:00

元・山の手事情社で退団後も「ぴん」などの客演で狂ったテンションを見せつける清水宏が継続的にやっているワンマンライブ。3日までスズナリ。約120分。

あの人気者が、しかし記者の興味は「移籍会見」。ズブの素人なのに3週の打ち放しでオープン「ゴルフに挑戦」。いつもの「シンバル漫談」。下北沢に一軒を残すだけになってしまった「朗読喫茶シミズ」。80年代アイドルがタイムスリップ+長寿ハリウッド映画の舞台がついに+国民的人気アニメがN.Y.に蘇る「映画予告編」。とにかくテンションで「やる気マンマン男」。

40歳過ぎたというのにプランなく暴れるいつものテンション。血管切れそうな凄さが、あたしが始めて見たときから変わらない感じ。演劇畑と自分を卑下しつつも、どちらかというとお笑いのフィールドに近いのです。

体当たりレポートになってる「ゴルフ〜」の爆笑度は実話の強さもあって強い。事務所の後輩をつけてツッコミ観客をつけたの「朗読〜」は山の手事情社の「ぴん」に近いフォーマットなのだけどアドリブのバリエーションが少なくは残念ながら山の手に及ばない気も。

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【芝居】「何なんだこの千円」夢彩色

2006.7.1 14:00

共立女子大の劇団、新作は棚裏にあった千円札の記憶をめぐる一週間。2日まで吉祥寺櫂スタジオ。100分。

女の子の部屋。ふと見つけた棚の裏の千円札。だがどうしても思い出せない。一週間の記憶をたぐってみる。先輩や母親、保険屋やらあれこれの来客が…

ひとつひとつの話は実際のところ、そうたいしたことはありません。役者にもばらつきはあります。ちょっとした笑いが客席の笑いに繋がらない厳しさはあります。不自然さがあるのは多少は計算ずくなのかもしれませんが。

学内劇団の宿命として作家も役者も入れ替わっていきます。それでも彼女たちのさえずるような些細な可笑しさゆえに、ついつい観てしまうのは、若い女優を嬉しがって見てるだけ、ってわけではないはず、なのです。

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【芝居】「宇宙も終わる」散歩道楽+タテヨコ企画

2006.6.30 19:30

散歩道楽の毎月再演企画「サンポジウム」の二本目、タテヨコ企画との合同公演。4日までサンモールスタジオ。105分。

折りたたみ机と椅子が並べられた少し広い場所。いとこたちが久しぶりに集まって。傷心の人や東京から今日のために戻ってきた人、東京に出て行こうという妹、そこで暮らしている人。

開幕すぐ、奇妙な二人のシーンは怪しい宗教のようですこし可笑しく。続く従兄弟(従姉妹)のシーンで舞台を組み立てて。人が沢山入ってきて。東京に出て行って意地になっている人、東京に憧れて(というよりは追いかけて)出ていこうとする人。中盤のおわりで二人の対話というよりは喧嘩に近いシーン。張りつめる空気、そのテンションの凄さ。

次のシーンでは、宇宙についての解説。わけのわからないことを喋ってるセンセイ、ホワイトボード、寝てる人。「自分が中に居る間は見えない、その世界の外にでて初めてわかることがあるということ」の解説。前のシーンの姉の視点、つまり東京にでてはじめてわかること。

更に次のシーンでは、妹が戻ってきて、少し冷静になって、姉の立場がわかっているのです。細かく組み立てられた話。

芝居として観た場合には前半ののんびりさが必要なのはわかりつつ、だれてしまう感じが勿体ないのです。ちゃんと解説はされているのですが、理系の解説が客席に届いているかは微妙ではあります。

竹原千恵が可愛らしく、しかし巧く、姉に向き合う顔が印象的。その姉、舘智子が実に女性らしい(失礼。女性役じゃない舞台も沢山拝見してるので)のが新鮮な印象。

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