【芝居】「民衆の敵」燐光群
2006.6.4 14:00
イプセンの原作を、「現代かも知れない」日本の温泉開発に沸く町に置き換えた公演。休憩10分を含む150分。東京の公演は終了。後に足柄、松本。
ひなびた捕鯨の町に近い山中に発見された源泉からパイプラインで町中引き温泉施設オープン間近な空前に沸く町。発案者の医師がその施設での水質に疑念を感じで調査を…
必ずしも科学や真実が選択されない現実を喜劇にも取れるタッチで描くのです。民衆が必ずしも正しい道を選ばず踊らされる。真実に立ち向かう科学者が迫害を受けて、という姿。冷静に見れば、鼻もちならない選民思想と、迫害に負けない閉塞の姿。頭では分かっていても、アタシは愚衆の一員なのでしょう。
それでも真実を判断できない絶対多数が力を持ってしまうことの怖さを自覚していたい、と思うのです。講演会で人々が客席に降りて、アジテーションを受ける場面は、観客の立場に引き寄せて見せる効果。
大浦みずきはオーバーアクションもあるが戦う姿はかっこよく、講演会のシーンはさすがに見栄えします。猪熊恒和の演ずる夫はあくまでも優しく、男女逆転とした坂手戯曲を支えます。江口敦子が演じた新聞社編集長は実は凛々しく。
燐光群 「民衆の敵」
2006.5.26 - 6.4 俳優座劇場
2006.6.8 足利市民プラザ
2006.6.13 - 6.15 まつもと市民芸術館 小ホール 原作 ヘンリック・イプセン 脚本・演出 坂手洋二
出演 大浦みずき 猪熊恒和 宮島千栄 樋尾麻衣子 小金井篤 中山マリ 杉山英之 川中健次郎 江口敦子 久保島隆 裴優宇 鴨川てんし 大西孝洋 安仁屋美峰 伊勢谷能宣 工藤清美 阿諏訪麻子 桐畑理佳 樋口史 内海常葉 高地寛
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