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2006.06.25

【芝居】「第32進海丸」フジテレビ

2006.6.24 18:00

モダンスイマーズの蓬莱竜太の書き下ろしに、自転車キンクリートの鈴木裕美という組み合わせ、V6の三宅健を迎えての新作。140分。7月9日まで東京グローブ座、そのあと大阪。

カツオ漁の水揚げ日本一だった進海丸の伝説的な船頭を父親に持ちながら、船には寄りつかず遊びほうけていた若者。父親の葬式のあと、漁から戻ってきた進海丸の乗員達の打ち上げで、彼は船に乗せてほしいと頼む。

ジャニーズ劇場として生まれ変わったグローブ座に行くのは初めて。入り口すら変わってて、薄暗い感じが微塵もないけれども安っぽくない感じにロビーも客席も改装されています。儲かることってのはこういうことなんだなぁと実感。椅子も良くなってる気がするし。客席も圧倒的に女性、しかも普段劇場ではお目にかかることのないような層が多くて、これはこれで落ち着かないのですが。個々にみれば小声の声がないことはないのだけど、全体でみれば超満員の客席は静かで舞台に向き合っていていい客席です。

群像劇、なのだそうです。上のあらすじにしても、パブリされるあらすじにしても、どうしても三宅健の役を中心に描かれますが、実際のところは、船乗りたちの側それぞれに葛藤やら悩みやら欠点やらがあって、それぞれの「人物」の一人。話はまったく異なるのだけど、自転車キンクリートSTOREの翻訳劇、「第17捕虜収容所」が頭に浮かぶのは、この群像劇的視点とゆえなのかもしれません。(気のせいかタイトルも似て見える。:-)

群像劇では視点があちこちに移ることになるので、結構いい話ではあるのだけど、特定の一人にこだわりのないあたしにとっては、泣きに入れないのがつらいところ。この舞台だと、父親への想いを持つ若者視点で見ればそれなりなのかもしれないのだけど、ついつい、船頭とか船主の方の視点で見ちゃうのは、あたしがおやじだからかそうか。(泣)

三宅健という役者について深くは知りませんが、声の点で舞台俳優としては少々不安な感じ。それでも群像劇ということで物語全てを背負わせず、反発する若者という役にすることで、容姿や雰囲気によく合っていたように思います。船主を演じた菅野菜保之が弾けてるシーンと凄みのあるシーンの緩急がよく印象的。まったく関係ないはずなのに巻き込まれていく二人の若者物語に置いたのはリズムを崩す意味で正解で、西條義将と小椋毅がコミカルでいい味です。

どうでもいいことですが、googleでこの公演を引いてみてもオフィシャルと思わしきページが出てこないのはどうしたものか。ジャニーズのページは出演者一人だけで資料として意味をなさないし、ちゃんと資料になってる自転車キンクリートのページが一番マトモなのだけど、主催公演じゃないし。主催はどうやらフジテレビらしいのだけど、そもそも、誰が責任者なのかわからないようで、あんまりいい印象を受けません。

フジテレビ 「第32進海丸」
2006.6.19 - 7.9 東京グローブ座
2006.7.14 - 7.16 大阪 シアターBRAVA!
作 蓬莱竜太  演出 鈴木裕美
出演 三宅健 山崎裕太 伊崎充則 大石継太 大鷹明良 西條義将 小椋毅 菅野菜保之 天宮良 阿南健治

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