【芝居】「キミの好きな幽霊」タカハ劇団 番外公演
2006.6.11 15:00
まだ旗揚げ直後にして、外部作家を交え4人の作家による短編オムニバスの企画公演。幽霊をキーワードにし、演出を一人にしたことで綺麗に仕上がっており見応えがあります。約110分弱、12日まで早稲田どらま館。
ワケアリ格安物件に越してきたが女の幽霊が「さよならロケット」。肩こりが酷いと相談をする女の肩には「肩にのしかかるアレ」。次々と「金縛りLv」。街にいる男には「見えちゃう人。あと見えない人」。倒れてる男の扱いに激昂した男も倒れ、駆け付けた女の子は「天国は天国じゃないみたい」。ひょっこりひょうたん島に流れついた男、今日も島の人々は平和?「ひょっこりひょうたんにんげん」。持ち帰り仕事をする羽目になった二組の女たちの夜語り「Love's Phantom Pain」。
最初の一本は全体を繋ぐように断片的に。次の三本はコント的なごく短いもの。
「ひょっこり〜」はまことしやかな都市伝説を下敷きに悲しく痛い感情と出来事。こんな着地点というびっくりと、人形の可愛さのアンバランス。
「Love's〜」は第三舞台でも扱われたことのある「幻痛」の話なのだけど、こちらは痛みじゃなくて、身体的にないはずなのに、感じる感覚の話。女子更衣室から始まる話といい、アテナ映像張りの(わかる人だけわかってくださいませ;-)のシーンと言い実に眼福なところが多くてオヤジ的にはこの特典部分のうまみも多い(:-)のです。見た目に刺激的な部分だけが目立ちますが、ルームシェアしている二人の「女性」会話の駆け引きというか不機嫌と機嫌の危ういバランスが行き来する会話が実にスリリングで巧い。花の演出も、見た目の綺麗さとその「意味」をかけていて面白いのです。最後のシーンの刺激が強く、しかもそれがけっこう巧いものだから、この会話の良さが埋もれてもったいない。
「さよなら〜」はエピローグを巧くまとめているのと、荷物の演出がスマートで美しいと思うのです。
宮下舞は顔の造作が大きくて女優、という感じ。宮原かおるの多少のコミカルと色気にどきりとします。
タカハ劇団番外公演 「キミの好きな幽霊」
2006.6.9 - 6.12 早稲田どらま館
作 高羽彩 脚本提供 古川貴義(箱庭円舞曲) 尾倉ケント(アイサツ) 名執健太郎(smartball) 作者本介(自作自演団ハッキネン)
演出 高羽彩
出演 明石修平(NATURALick☆kciRT) 荒木拓 古木知彦 福田翔人(劇団競泳水着) 大橋謙一(てあとろ50’) 津嶋麻衣子 宮下舞 宮原かほる(劇団森) 高羽彩 津嶋麻衣子
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