【芝居】「さよなら方舟」プラナリアハウス
2006.5.21 19:00
3回目公演となるプラナリアハウスの新作。90分。公演は終了。あたしは初見です。
郷里北海道へ帰るのを機に結婚の約束をした若い男女。女の実家に二人で挨拶に訪れた。女は三人姉妹の三女。父親が生きている頃から小さな分教会をしていて、長女は父親の死後、ひとりで背負ってきたのだった。三女が戻ってきたが、実は男の実家も別の新興宗教の教会で、男はその跡を継ごうと考えていた...
全体に作家が描きたかったのは、いったい何かということがいまひとつぴんとこないのです。二つの新興宗教に引き裂かれそうになる男女が現実に折り合いを付けようとする話なのか、三姉妹に力点があるのか。新興宗教の内情というものをあたしは実感として知りませんが、その様子を描くことだけが目的ではないはず。前半は特に宗教と結婚の話を巡って、ぐるぐると旋回し続けている感じがします。
中盤、宗教にはまりこんだ父親だが、同居していた長女と三女が、その父親の面倒を見るうちに、その教義が心の随までしみこんでしまったというあたりの「人の想い」のあたりは物語が説得力を持ちます。そのあとは、男女は結婚を選び、長女は同胞を見つけた、という感じの終わり方なのだけど、あたしにはいまひとつぴんと来ない。
描く途中で被差別地域の問題を持ち出したりしてきていますが、ごくあっさりとした扱いで、持ち出す必要はなかったんじゃないかと思うのです。物語の規模に対して、作家が振り回されてしまってる気すらします。
プラナリアハウス 「さよなら方舟」
2006.5.20 - 5.21 プロトシアター
作 山岡徳貴子 演出 竹内典子
出演 岩瀬ゆき映 堀江ばんび 上田遥 佐藤拓実 吉田啓仔
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