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2006.05.08

【芝居】「夕鶴」王子小劇場リーディング

2006.5.7 19:00

王子小劇場が行っている、「新作台本を審査して優秀ならば劇場が優遇」というシステムで、過去最高の評価を得ながらも上演の目処が立たない戯曲を、リーディングという形で見せるという企画公演。役者も演出も劇場からネットワークできる強みが生きています。公演は終了。45分。

池袋の風俗店のオンナノコが待っている部屋。失踪した店長の後を継いだアルバイトの男の子、店のオンナノコ、なぜか毎日通ってくる失踪店長の母親。そして突然現れた失踪店長はすぐ消えるが、オンナノコの一人と..

公式サイトに上演台本の全文が置いてあります。事前でも後からでも、これがダウンロードできるようになってるのは実にいいと思います。著作権など難しいことはあるでしょうが、戯曲とか音声(映像はさすがに難しかろう)とか、もっとフリーで配ってしまうというのも手だと思うのです。

基本的にはリーディングなのだけど、椅子に座る役者の手前にセットのようなテーブル。唯一台本を手にしていない「母親」の芝居と、台詞のない役者による情景描写はここで行われます。ここまでやるのならば、リーディングという形を取らずに芝居にしてしまってもいいのじゃないかと思うのですが、まあそれはやる側の意図として。

リーディングの途中で役が入れ替わる演出の意図が、アタシには今ひとつわかりかねます。だれでもそうなる可能性が高いということを示してるのかと思ったりもしますが、この上演形態でやられると混乱を産むだけのような気がします。もう一つ、戯曲や演出の意図はよくわからないのですが、終幕のあたりの印象では新人のオンナノコの視点が芝居を俯瞰していたのではないかと思わせます。ならば、それが観客にわかるように作った方が面白いんじゃないのかなぁ、ましてや役を入れ替えてわからなくしてるわけで。

とはいえ、実は話そのものも、このリーディング自体も結構好きなのですね。「オンナノコのぐたぐた話」って類が好きなあたしとしては、それも当たり前って気もしますが。そして、こういう試みで戯曲に出会うことが役者や演出、観客にもっとあってほしいと思うのです。

松浦和香子はベターポーヅでの「ぽわん」とした印象とは違って、ごく普通の女の子的だったりして、ちょっとびっくり。

王子小劇場リーディング企画・筆に覚えあり 「夕鶴」(新作戯曲選考奨励作品)
2006.5.6 - 5.7 王子小劇場
作 小沢哲人  演出 山中隆次郎(スロウライダー)
出演 松浦和香子(ベターポーヅ) 内山奈々(チャリT企画) 山口奈緒子(明日図鑑) 板倉チヒロ(クロムモリブデン) 數間優一(スロウライダー) 稲川実代子

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