【芝居】「まどろむ魚」P.E.C.T.
2006.5.5 19:00
30回を迎えるP.E.C.T.の新作は、外部作家を迎えての静かで甘酸っぱさもある芝居を。100分ほど。7日まで劇場MOMO。
地方都市、公園のベンチと売店のあるグランド脇。久しぶりに訪れた男、そこに居続けた男。かつて小説家を目指したふたりだったが、不本意な形でデビューした二人と町の人々と帰ってきた人と妨害工作と。
16年間主軸となっていた作演・役者を離れ、外部作家と集団の演出によっての新作。まるで解散公演かと思わせるようなパブリと、当日パンフ。次の予定の告知がないのもちょっと不安にさせます。でも、次に行く気は満々のようではあります。確実に遺伝子は残っていると思うので、ゆっくりとでも作っていってほしいと切に思うのです。16年目としてではなく、次の世代として。
芝居の雰囲気はにぎやかさよりは、静かさと余韻の多い流れ。PECTらしい賑やかさの味付けもありますが、あくまでも思い出かたりの話に軸があります。今までとは違う方法論、初日時点ではばたつきもあったようですが、公演期間後半になってきて、ぶれは少なくなっているようです。
P.E.C.T.という劇団は、ファンタジーっぽい不思議な空間(離婚した夫婦の子どものシーン)、あるいはくるくると回るようにドタバタ(おしまいダー、ですね)、コミカルで一見アドリブ風(散歩する犬と飼い主)などいろいろ間に挟んでも、主軸の話をちゃんと繋げていく役者の力だと思うのです。衣装だってテンションだって、裏では大変なことになってるんじゃないかと想像します。
主役となる二人、瀧川英次・佐々木覚は無駄とも思えるあの愛おしい時間を過ごす空気をしっかりと。数年後の二人は微妙な間になってるのだけど、その距離の離れ具合も良く。松本美香の全てを知ってるような役をしたときの安定感。以前酷評してしまった井上つぐみは天真爛漫さが前面に出ると強い。鯖味噌のシーンに惚れる(←オヤジ)。
P.E.C.T. 「まどろむ魚」
2006.5.3 - 5.7 劇場 MOMO
作 白土硯哉(Project ONE&ONLY)
構成・演出 P.E.C.T.
出演 瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ) 佐々木覚 井上つぐみ 波田野淳紘(820製作所) 佐藤拓道 山崎ルキノ 山崎いさお(Project ONE&ONLY) 東宮南北 松本美香
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