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2006.05.30

森で遊ぶ。

ほぼ2年近くやってきたことの一区切りな今週。決してハッピーな結末じゃないけれど、次へ進める一歩であると信じたい。それでも気持ちは、さまざま千々に。

先週人間ドックで会社を休んだ昼間に手に入れた Nintendo DS (amazon) 、一緒に買ったソフトが、 「脳のトレーニング(amazon)」 「ニュー・スーパーマリオ(amazon)」 「おいでよどうぶつの森(amazon)」 の3本なのですが、この最後の「ぶつ森」にはまりこむアタシ。予想されたこととはいえ、ゲームかどうかすらよくわからないゆるさが気持ちに合うのです。しかし、この時間食い..まずいす。しかし、こんなの子どもがやったら他のこと手に付かないだろうに、つくづく子どもの頃にゲーム無くてよかったと思いますです。

土曜日夜にKAKUTA@花やしき、( 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8)。 伝説の花やしき貸し切り公演の再演にして、「星の一年」シリーズのラストを飾る公演。土曜は満席とか。週間天気によれば降水確率50%とか..うむむ。

  • ノスケ第16回@日暮里サニーホール・コンサートサロン、 (1)。 ずいぶんご無沙汰してしまってる気もする落語の二人会。久し振りに 行けるかなぁ。
  • ボーダビッチ@王子小劇場、 (1)。 ネット演劇を歌う彼らなのだけど、リアル演劇に目覚めたか早くも二回目。

メガロザ@ウエストエンドスタジオ、(あれれ、多分未見)。  ■G-up@SPACE107、 (1)  ■とくお組@シアターグリーン・エリア171。 (1, 2)。  ■燐光群@俳優座劇場、 (1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8)。  ■「やわらかい服を着て」@新国立劇場小劇場。  ■Oi-Scale@シアタートラム、 (1, 2)。  ■La compagnie A~n@新宿ミラクル、 (1)。  ■KOYA-MAP@シアターグリーンメインホール。

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2006.05.28

【芝居】「オレノカタワレ」30-DELUX

2006.5.28 18:00

新感線、Afro13、元キャラメルボックス、元MOTHERといった面々で立ち上げた「ギリギリボーイズ」というユニットの公演、30-DELUXの第五回公演。あたしは初見です。キャラメルボックスから岡田達也(東京公演)を迎えて、男同士の熱いラブストーリーを。240分120分、東京公演は終了。大阪は来月2,3,4日に、クロムモリブデンの森下亮を迎えて。

焼けおちた劇場を調査に訪れた保険会社の調査。ドサ廻りから、一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった劇団の立て役者だっ元看板役者の足取りが絶えた場所だった。劇団のプロデューサーの口から語られたのは…

ドサ周りの大衆演劇から駆け上がり、看板が抜けてしまって落ちぶれていく劇団の話を軸に。男臭くてコミカルで、昼の芝居とは方向は違いますが、これもバックステージもの。殺陣が得意な彼らの力を生かしたスピーディなエンタメに徹しており、これはこれでアリな方向でしょう。

終盤30分、看板と作家+役者のカタワレ同士の関係を織田信長と蘭丸の関係になぞっていってシリアス芝居にたたみかけます。確かに格好いいのだけど、あたし的には前半の関係の面白さの方が光ります。開演時間間違えて呑んでたビールの酔いが回ったころだったことは否めないのですが。←駄目人間

女形に変化する佐藤仁志が美しい。なんせ基本的に可愛らしい顔立ちで。岡田達也はさすがにこの規模の劇場なら圧倒的な力を見せます。前半のジャンキーさ一杯の芝居の肩の力の抜け具合、バランスの絶妙さ。吉村やよひは物語の聞き手的役回りで、実は珍しい「普通の女性」の役。なのに、なぜ組体操。や、おもしろかったけど。

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【芝居】「大部屋女優・浜子」危婦人

2006.5.28 15:00

苦節50年目にして初座長公演となる大部屋女優・浜子の周りの人々を描く。ここまで突き詰めればアタシは満足です。サンモールスタジオの公演は終了。

大部屋出身で泣かず飛ばずだったが、50年目にして、木更津のご当地ソング、「落花生チャチャ」が大ヒットした蘭浜子。初の座長公演の初日を迎える楽屋。バタバタとするなか、共演の売れっ子女優に恨みを持つ女の企てが…

物語の骨格をなすのは、中堅女優とその隠し子と育ての母にまつわる三角の話。正直な話、それ単独ではそう大した話ではありません。

話を面白くしているのはこの骨格を含む世界全体を華やかにコミカルに、どこかチープに描くことに力点を置いたことと、さまざまにステロタイプな女優たち(下積み長い、実力派、若くて可愛い、スタイル抜群、女優は挫折したけど職人肌のスタッフたち、女優の卵たち)を並べてみせることで、人々に深みを持たせることに成功したからではないかと思うのです。

タイトルロールにある浜子は、その話には本質的にはあまり絡みません。が、ザンヨウコが演じる浜子がつくるこの世界が物語を幾重にも深みのあるものにしてると思うのです。彼女の突き抜け感と、それを「演じてる」感の残ってるところが、本作では巧く回っています。また巧いんだ、これが。 女優って感じのキキコロモ、パワフル衣装さんヤビマーヤ、アイドル女優萩原もみぢなど、まわりの固めぐあいも隙なく。

バックステージものはとかく、作家に近い世界ゆえに逆に安っぽくなりがちですが、大部屋女優という、あるのかないのか分からないようなフィクションを遊び心一杯に作りこんだ結果、相対的な視点を取れたのだと思うのです。

文化女子大の卒業生ユニットとして結成され、衣装に強みがある彼女たちらしく、それぞれの衣装、早変わりの女優衣装に至るまで丁寧に作られていて、観ているだけで楽しいのです。 音だけ聞こえてくる舞台ではハイジだったり冬ソナだったり、衣装替えのために入ってくる浜子が奇っ怪な民族衣装のオンパレードどんな芝居なんだ、これ。(^^)最後の小林幸子ばりの衣装もちょっといいし、「落花生チャチャ」CD化も希望。

初日楽屋にやってくる有名人、という設定の日替わりゲスト、千秋楽はエッヘ。石原裕次郎と渡哲也の扮装でいきなりバズーカ(中身はクラッカー)をぶっぱなしたら、照明に紙テープがひっかかるという事態に。裏方が脚立まで出して外す羽目になりましたが、確かに盛り上がって。ここから普通の芝居に戻した力もたいしたもの。

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【芝居】「ファーブル旅行記」ワワフラミンゴ

2006.5.27 19:00

さえずりのような断片が楽しいワワフラ。「ファーブル」なのに「旅行記」って。下北沢の北口側の劇場、つうかホール。28日昼まで下北ファインホール。45分。

外国からの旅行者、母国に帰れなくなって、下北沢の一室にルームシェアしながら済んでいる人々。センセイが来たり、謎の女が卵を置いていったり。

ものがたり、というのがある気はしません。ファインホールは初めて入った劇場ですが、天井は低く照明も作り込めません。舞台はありますが、彼女たちは客席が舞台を背にするように作り、窓の方に舞台を作ります。

かわいいもの(インコ、子犬、玉子)、仲間に厳しい関係(つまらないのはお前の話、どこのお嬢様よ、イチゴミルクに砂糖どばどば)、なんかのんびり(釣りダイジェスト、あやとり、お煎餅)。いろいろのものが、宝箱のように、あるいは引き出しの中のようにごちゃまぜ、混合の世界。

断片の会話だけがあれこれあります。それでも、彼女たちの芝居を見続けたいと思うのです。さえずる感じがたのしいのです。

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2006.05.27

【芝居】「スペーストラベラー2006」SUPER☆GRAPPLER

200605271500

エンタメ指向のスピードが特色のスパグラの旗揚げ作品の4年ぶり再演。110分。28日まで東京芸術劇場小ホール2。

ワープとコールドスリープを使いブラックホールを超えた向こう、「次の世界」を目指し移民を載せ、システム・マザーが司る巨大宇宙船。出発して間もなく、謎の侵入者やキャビンの破壊などの問題が次々と。客も乗組員も減っていくなか、マザーが何か重大な事実を隠しているという侵入者の言葉が…

旗揚げ作らしく、ワンアイデアの到達点に向かってまっすぐに引っ張り続ける感じ。最近作を見慣れた目にはエンタメ色が薄く感じてしまうのは惜しいところ。加えて、物語の本筋に入るまでが少々長く、機内上映として置かれた劇中劇(この回はSHARMAN BOY II)が、この劇団の過去作品のセルフパロディをしてまで入れる意味があるのかは、疑問があります。

貨物室切り離しの下りや、終盤のディスクを渡すシーンなど、ベタではあるけれどちょっといいシーン。

まっすぐな乗組員を演じた羊吾はどこか目の離せないオーラ。セレブな乗客を演じた三井俊明がテンション自在で楽しい。

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2006.05.25

【芝居】「SUNRISE」ハッスルマニア

2006.5.25 19:30

ブゲイ系のバワフル芝居が身の上のハッスルマニアの新作。28日までタイニイアリス。100分。

戦争中のどこかの国に平和維持活動として派兵された自衛隊のキャンプ。村人たちともコミュニケーションが取れていて。ユルい空気。
更に上官がキャンプに来て、村人の気持ちが揺れ動き。そんな所にもたらされた、ゲリラ発見の報…

初日らしく知り合い率の高い客席。知り合い出てればあらゆることが可笑しいのはもっともなのだけど、限度超えた客も居たり。まあソレはそれとして。

最近、軍隊や戦争の芝居が多い気がするのです。この国が何処へ向かおうとしているのかを微妙に感じとり、表現する点で芝居はアタシの感じることに合うのです。

芝居全体としては、初日らしい噛み合わなさや間の微妙さがあり、完成している感じがあります。これが日々進んでいくのかどうか。

アタシは1stガンダムの世代ですが、その前半、宇宙に出るまでの間のヌルい感じ、あるいはメリークリスマスな戦場の感じ。じつはこういう話のほうが、好きなんですが。マチルダな中隊長の衣装にやられてしまうあたしです。

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2006.05.23

ふう。

さまざまなことが起きて、冷静に考えれば会社としちゃ、まったく間違ってはいないのだけど、それだけでは割り切れないってのが人間てもので。まったくもって宮仕え、なのは仕方ないこととはいえ、気持ちの持って行き場てのはほしい。

で、その気持ちの持って行き場の一つをぬか床ってのは、三十(しかも後半だ)男としちゃどうなんだと思ったりもしますが。匂いとか酸味とかで一喜一憂してしまうのですねぇ。食べることって大きい。(怒られるでしかし)

先週 積み残してしまったけど、評判のよい■危婦人@サンモールスタジオは今週もあるのでなんとか。

  • SUPER☆GRAPPLER @東京芸術劇場小ホール2( 1, 2, 3)。 スピーディで徹底したエンタメとぼけ倒しが持ち味、2002年作品の再演作。実は難しい小ホールをどこまできっちり使いこなすかも、期待して。
  • ワワフラミンゴ @下北ファインホール( 1)。 柔らかく、可愛らしく可笑しさが楽しかった前回、ベタポ的なモノを求めて。
  • ハッスルマニア @タイニイアリス( 1, 2)。 劇団webに情報がないとおもって探し回ったら、BBSにちょこっと、それもまた微笑ましく。パワフルな芝居を期待、というかいままでになく人数が凄いのですが。

三条会@シアター1010。 ■やわらかい服を着て@新国立劇場、永井愛の書き下ろしは見たい。 ■東京デスロック@下北沢Gallery Cafe PIGA、(劇団は未見)。萩尾望都の「11人いる!」にインスパイアされた「3人いる!」とか。 ■燐光群@俳優座劇場。 ■30-DELUX@サンモール。 ■文学座青年団の「職探し」@アゴラ劇場。

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2006.05.22

【芝居】「さよなら方舟」プラナリアハウス

2006.5.21 19:00

3回目公演となるプラナリアハウスの新作。90分。公演は終了。あたしは初見です。

郷里北海道へ帰るのを機に結婚の約束をした若い男女。女の実家に二人で挨拶に訪れた。女は三人姉妹の三女。父親が生きている頃から小さな分教会をしていて、長女は父親の死後、ひとりで背負ってきたのだった。三女が戻ってきたが、実は男の実家も別の新興宗教の教会で、男はその跡を継ごうと考えていた...

全体に作家が描きたかったのは、いったい何かということがいまひとつぴんとこないのです。二つの新興宗教に引き裂かれそうになる男女が現実に折り合いを付けようとする話なのか、三姉妹に力点があるのか。新興宗教の内情というものをあたしは実感として知りませんが、その様子を描くことだけが目的ではないはず。前半は特に宗教と結婚の話を巡って、ぐるぐると旋回し続けている感じがします。

中盤、宗教にはまりこんだ父親だが、同居していた長女と三女が、その父親の面倒を見るうちに、その教義が心の随までしみこんでしまったというあたりの「人の想い」のあたりは物語が説得力を持ちます。そのあとは、男女は結婚を選び、長女は同胞を見つけた、という感じの終わり方なのだけど、あたしにはいまひとつぴんと来ない。

描く途中で被差別地域の問題を持ち出したりしてきていますが、ごくあっさりとした扱いで、持ち出す必要はなかったんじゃないかと思うのです。物語の規模に対して、作家が振り回されてしまってる気すらします。

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2006.05.21

【芝居】「地下室」青年団+文学座

2006.5.21 15:00

青年団と文学座コラボシリーズの一つ。青年団の松井周の作演の気持ち悪い世界炸裂。約100分。28日までアトリエ春風舎。

自然食品販売店の地下室。休憩室、打ち合わせスペース、倉庫と水の生産設備を兼ねていて、従業員たちは「畑」と呼んでいる。彼らは住み込みで暮らし、家族を模した閉じたコミュニティを形成している。若い女が客としてやってきて、突然雇って欲しいと言い出して…

まるでありそうな、閉塞したコミュニティの姿。自然食品を題材にし、一般の常識とはかけ離れた価値観と規律で動くかれらの姿はどこかコミカルではあるのだけど、役者がこんなこと本気で始めたら怖いなあと思わせるあの手この手。

絶妙にターゲットを変えながら追い込み、取り込むミーティングでの過程や、コミュニティー内のバランスが崩れたり入れ替わったりする瞬間がスリリング。見てて決して愉快な場面ではないのだけど、ついつい見てしまう瞬間というか。こういう気持ち悪さが持ち味で役者の力が重なった凄みがあります。

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【芝居】「メタルマクベス」新感線

2006.5.20 18:00

シェイクスピアのマクベスを下敷きにロックミュージカルに仕立て上げた一本。宮藤官九郎といのうえひでのりのコラボも注目。できあがったモノは紛れもなくマクベスであり、100+25(休憩)+105分を目一杯楽しめるのです。松本のあとの東京公演は来月18日まで青山劇場。そのあとは大阪です。

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2006.05.20

【芝居】「忠臣蔵」文学座

2006.5.20 13:30

平田オリザの爆笑編・忠臣蔵を文学座が昨年上演したものの再演。青年団との交流企画とは云いますが、文学座オンリーでしょう、これは。オリジナルに近く楽しめますが。47分、21日までアゴラ劇場。

松の廊下の人情沙汰と殿様の切腹を早馬で聞いた家臣たち。明日からの自分の身の振り方をどうしようと、頭寄せあって相談したり。

組織の日本人的な同意形成の現場を面白おかしく切り込みながら、その特異性をあぶりだす人気シリーズ。 最近は青年団若手のOL編や修学旅行編などのバリエーションが有名ですが、今作は浴衣姿とはいえ侍たちの姿のオリジナルに近そうな版。とはいえ、新国立劇場版がずっと作りこまれたセットと裃姿の固い作りだったのに比べるとずっとカジュアルで下町版。 台詞をそんなに変えないのがこのシリーズの持ち味であって、それは継承されています。

芝居そのものとは関係ありませんが、このシリーズにおける文学座の立ち位置がよくわかりません。本作は劇場とオリザ戯曲を使ってる以外には交流らしき形跡はなく、当日パンフでは上から目線がぷんぷんしておりますし、文学座webではこのシリーズへの言及は一言もありません。青年団からの片想いじゃなければいいのですが。

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2006.05.19

【芝居】「トントコトン」studio salt

2006.05.18 19:30

横浜の劇団・ソルト、劇団として初の外部演出を迎え、座付き作家の新作を。100分ほど、21日まで相鉄本多劇場。前売り完売日もあるようですのでご注意を。

古い一軒屋に暮らすいい年した三人の兄弟。長男は仕事をやめたばかりで毎日がぼんやりな日曜日、二男はボクシング目指してるが本気なのかどうなのか。三男は借金を抱えているしクスリで気持ちがダウンしたり高揚したり激しい。寝たきりの母親が居るようだが、兄弟だれも面倒を見ずに、長男の嫁が介護の日々。暮らしてはいるけれど全てのベクトルがバラバラの家族。ある日祖母の部屋への落雷があって...

最初のかみ合わない感や停滞する感じは、物語の行き先がよくわからなくて少しばかりの不安を感じさせますが物語の必要さゆえ。 チラシにもある大きな豚足を始め、消えものの多さとこだわりは半端ではないのも彼らの持ち味。食べるということと生きていくことに対する作家の強い想いを見せます。

(ネタバレがあります)

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2006.05.17

【芝居】「ニャ次郎の恋(散歩キャッツ)」散歩道楽

2006.5.16 19:30

散歩道楽の初期作品の再演ばかりをさまざまにバリエーションしながら7ヶ月連続で行う、「再演の祭典・サンポジウム」の一つめ。「散歩」と「雑種」という完全ダブルキャストで。80分。21日まで神楽坂die prazte

少し大きな家の玄関前、雨の日。まだ若くして亡くなった長男の葬儀の受付。妻や兄弟、親戚などが集う通夜。その横でおよそ場違いな格好でいる若者は頼まれてビラを描いている。死んだものの悪口は云わない方がいいけれども、親戚や兄弟からすら出る恨み節。あまりに奔放に生きていたよう。そこに見慣れない女がやってきて...

(微妙にネタバレかも)

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2006.05.16

暖かくなってきた

先週は雨ばかりだったような気がしますが、今日は天気が良くて。通勤経路が変わったので、晴れてるかどうかはモチベーションに相当影響します、いやほんと。

先週後半ぐらいから、ココログのサーバがまた相当に重くなっています。閲覧だけは問題ないようなのですが、コメントやトラックバックがもしかしたら受け取れないかもしれません。ごめんなさいって、あたしが云うのも変ですが。お金払ってるのになー。サーバ借りて自分でやるべきなのかなー。

土曜夜に、新感線@青山劇場を確保済み、つか同行者見つけなきゃ、例によって。なのはいいけど初日を迎えた松本公演では4時間超えだったとの声も。うあー。厳しいなぁ。

  • 散歩道楽 @神楽坂 die prazte。( 1, 2, 3, 4) 11月までの7ヶ月、彼らの初期作品を毎月再演する企画、「サンポジウム」の最初の一本。
  • studio salt @相鉄本多劇場。( 1) ネオゼネの大西一郎を演出に迎え、初の外部演出による作品。完売日まで出ている出足に、ちょっと焦ったりするアタシ。
  • 文学座+青年団 @アゴラ劇場。 小劇場通いの観客泣かせの集中シリーズ2週目。いろいろなバリエーションを生んだ平田オリザ版忠臣蔵のオリジナルを外部演出で。唸る面白さだったよなぁ、そういえば。しかし、どうでもいいけど、このシリーズ、なぜ文学座のwebには、どっこにも一言も情報がないんだろう。何考えてるんだろうなぁ。主催じゃないからどうでもいいのかなぁ。
  • 文学座+青年団 @アトリエ春風舎。 これも集中シリーズ。作家はこれが三本目の新作となる松井周。
  • 危婦人 @サンモールスタジオ。( 1, 2) 「危ない」なんて文字が入ってるけど「女性から見た人間の生き方」を軸にしながら軽快な「一見普通そうに見え、でもどこかおかしな女たち」を描くという彼女たちのオンナ視線が見たくて。大部屋女優、って題材がちょっといいじゃないですか。
  • 東京Ne+wS @OFF OFFシアター。( 1, 2) 結構好きなんですが、なかなか予定が合わなくて涙を呑んでしまうここ、今回は見られるかなぁ。
  • プラナリアハウス @プロトシアター。(未見) 例によってアタシがはまりがちな、「女性作演」のタイプの芝居で。ちょっと気になる。

電動夏子安置システム@シアターグリーン エリア171。(未見) ■ピンクアメーバ@「劇」小劇場。(見たのはずいぶん前だ) ■地上3mm@pit北/区域。(未見) 「私の副流煙を吸って」ってタイトルとピンク色チラシのドインパクトなチラシが印象的。 ■扉座@THEATER/TOPS。最近注目のモダンスイマーズ・蓬莱竜太の演出で。 ■スクエア@駅前劇場。 (1) 10周年の記念公演だとか。 ■スパイラルムーン@愛知県芸術劇場小ホール。 (1, 2, 3) ってちょっと行けそうにありませんが、劇場の演劇フェスのトリとなる公演。

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2006.05.15

【芝居】「チェンジングルーム」文学座+青年団

2006.5.14 18:00

文学座と青年団の自主企画としての交流シリーズを立ち上げる5月。小劇場通いの観客からはコマ不足の恨み節がそこら中から聞こえてくる第一週目のうちの一つ。ラグビー試合当日の更衣室での話。公演は終了。90分。

大寒波が襲ってきた日、英国の炭坑町のラグビーチームの更衣室。朝の集合から試合、試合後の様子を描きます。

スポーツ選手の異様なまでのテンション上げや、ハーフタイムでの前進泥まみれ(上演中に1Fロビーにブルーシート広げて泥まみれメイクをしたらしい)で戻ってくる選手達や怪我で運ばれる選手。人数の多さと相まって、異様なほどの熱気に包まれた舞台です。このテンションの役者達を見るだけでもかなり楽しめる舞台なのです。

このテンションに反して、舞台はあくまでも更衣室を定点カメラのように淡々と切り取っていきます。選手達の熱気も馬鹿話も解雇通知の脈もオーナーたちの会話も何もかもが彼らにとっては日常なのです。静かな演劇(この言葉もずいぶん古びてしまいましたが)などではないけれど、その淡々とした切り取り方は、実に「静かな演劇」的なのです。

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2006.05.14

【芝居】「ハルちゃん」コローレP

2006.5.14 14:00

ラサール石井の昔の脚本をONEOR8の田村孝裕演出で上演する企画公演。手に汗握る法廷劇に人情噺的要素をプラスして楽しめる110分。14日夜までシアターVアカサカ。

ファミレス店員と風俗嬢を掛け持ちしていた若い女が刺された事件の法廷。借金の申し込みを断られ激昂して刺したという自白をもとに小さな事件になるかと思われたが…

いわゆる法廷の現実や、論理的なおかしさがあまり気にならないアタシですから、かなり楽しめました。人情劇が巧いラサール石井が仕事として書いた初めての作品というだけあって、そのウェットさが鍵になるところも泣かせます。

検事を演じた松永玲子の「普通の」役観るのは随分と久しぶりな感じがします。クールビューティ的でかっこいい。裁判長を演じた八十田勇一の軽さと意外な(失礼)威厳がほどよく調和。

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【芝居】「僕の腕枕、君の蟹ばさみ」無機王

20060.5.14 19:30

今、元気なブゲイ系で固く確かな愛情の話。王子という場所についてもオマージュな感じで。終盤10分が圧巻で巧い。90分、14日夜まで王子小劇場。ご覧になるなら上手よりのセンターがどちらかというとオススメです。

のどかな田舎の町、親戚を頼って転校してきた姉弟。どこか頑なでうち解けない姉だった。寺の階段の前、高校生たちや寺の坊主や娘たちが行き交い、待ち合わせ、話をして喧嘩をしたあのころ。そんな町を訪ねてきた一組の男女、思い出をたどるようにひとつひとつの場所を訪ね歩いていってたどりついた先は..

決してすごく若い役者たちというわけではないのだけど、垢抜けない高校生の制服がはまる役者たち。前半でののどかできっと青空なんだろうなと思わせる空気感がいいのだけど、あわせてそこかしこにかいま見える粗暴さも巧く取り込んでいます。 不幸な少女の、芝居ではよくあるような話を丁寧に積み上げていくのだけど、終盤10分で、積み上げてきた人物たちを一気に物語に解き放って、一気に世界を見せる鮮やかさが凄い。しかし、この想いは芝居の見かけに反して屈折ぐあいもただ者ではありません。 この一点を観客が受け入れられるかどうかに全てはかかっていて、もし評価が分かれるなら終着点をどう見たか、だろうという気もします。あたしは好きなのですが。

セットはシンプルだけど上品な抽象舞台。具象でやってきたという彼らには珍しいのだけど、二つの話を並行して動かし、町のあちらこちらの風景を取り込む今作においては効果的。

東京からは少し離れた地方だという設定のようですが、いくつか出てくる地名(単独では東京に限った地名ではないのだけど)がまとまると中央線沿線を想起させてしまうのは少し勿体ない気もします。たとえば国分寺、と言い切らなくても物語は十分成立しているわけで。

祭りを楽しみにしている「きっこ」という不思議でしかし魅力的な役があって、これも物語に直接絡まないように見えます。王子という場所を考えると「キツネ」を想起させるところも。高校生という不安定な時期の「色気づき」を最初に見せる魅惑がいいのです。高校生の少女を演じた中島佳子は愛嬌のない役どころははまり役なのだけど、それだけに感情を見せるシーンの瞬発力が素敵。

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2006.05.13

【演劇】「上野動物園再々々襲撃」青年団

2006.5.13 14:00

金杉忠男の「上野動物園再襲撃」を原作にした物語世界を引きながらも、平田オリザによる全面的な書き直しに生まれ変わった「〜再々々襲撃」の再演。味のある役者の確なる静かさの芝居を120分。14日まで紀伊國屋サザンシアター。

初老の男の葬式帰り、近所の同級生や後輩が待ち合わせる喫茶店。思い出話に花が咲く中、突然数十年振りに現れる女。かつて遊んだ彼女は仲間うちの「姫」だった。

子供が夜中に上野動物園を忍び込むというファンタジーを遠い思い出のなかに封じ込め、あれから年齢を重ねていろいろある年月の残酷。

安定しきった役者も演出も、ドキドキとは遠いところにあります。作家はノスタルジーからは遠く作っているようですが、その味わいはあります。後半、和装の女の去るシーン、二つの別れを一つに紡ぐいいシーン。淡い恋心で笑わせるシーンも結構好きですはい。

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【芝居】「怪人21面相」パラドックス定数

2006.5.12 19:00

日本の事件や出来事、男の現場を緻密に描くパラドックス定数の十項め。今年は3本の公演で精力的な公演が続きます。その一本目。劇場型犯罪、という言葉が知られたグリコ森永事件と三億円事件、いくつかの出来事を作家の想像(あるいは妄想)力で自由に編んでいく120分。オススメです。14日まで渋谷space EDGE。

倉庫か工場のようなコンクリ床にパイプ椅子と机とタイプライタ。男4人。誘拐した社長を解放したあとから、犯人の4人たちの犯罪の現場。会社役員・新聞記者・暴力団員・公安刑事。仕事の現場で面白くない人々が何かのきっかけで薄く繋がり、あの手この手が面白いように進んでいき。が、距離のバランスが微妙に揺れ続けた一年後には。

よく知られた戦後の事件を核に。ほかのいくつかの事件を編み込んで緻密に進む芝居。約一年にわたる五場が実にきりきりと進みます。台本だけでも多分凄く面白くて、作家のレパートリーは年嵩の行った役者や若者など、いろんな役者で見たいという気にします。

どこまでが事実なのか、どこからが想像なのかはわかりません。中盤で明かされる「ひとの背景」は扱うのは難しい題材ですが、その事実だけを犯罪の原因にしないことは、終盤明らかにされます。難しい題材だけに、どこに迷走してしまうかとどきどきしてしまいましたが、作家はそれをずっと上回る物語に仕上げています。

今までの芝居に比べると、どこか余裕のあるような男たちを描いているのがいいのです。クスリと笑うところを数カ所入れていて、語りだけで平板にならないようにしているのです。照明の効果が絶妙です。窓の外の明るさを作ること、階段の向こうにできた影も多分きちんと作り込まれたものなのだろうと思います。

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2006.05.12

【芝居】「まとまったお金の唄」大人計画

2006.5.11 19:00

気がつけばかなりのプラチナチケット状態。やっとの思いで入手した大人計画の新作。前回の薄味さを払拭するような、濃くて媚びない130分。28日まで本多劇場、31日から来月7日まで大阪厚生年金会館芸術ホール。

1970年人類の進歩と調和を歌った「オオチャカ万博」に浮かれるオオチャカ。父親が居なくなり、高校生の姉妹と母親で暮らし、離れには学生運動に染まりきった女と排泄物を哲学してしまう男が住み、乞食と大書された乞食が乱入し。それを見つめる若い女の語りと。

人数も少なめ、笑いも仕掛けも愛情もメッセージも、てんこ盛りというよりは圧縮して詰め込んだような濃さ。万博の浮ついた人々の感じ、学生運動などを背景に置き、女であることの面倒くささと強さ、トランスジェンダーと気づけないことの辛さ、個人の信仰とそれを十把一絡げにまつってしまう国家、博士の愛した数式的忘却することの辛さ。わずかな時間、しかも基本的には一本のストーリーの中でこれだけを溢れんばかりに詰め込む脚本と、それをおもしろ可笑しく見せる演出、それに応える役者など、実にレベルの高い結実で楽しめます。

吊りやテグスなどの仕掛けに関して云うと少々ぎこちない感じが抜けません。映像は圧倒的と言うほどではないけれど丁寧に作られていて舞台を盛りあげます。

終幕の力強いブルースの「前進する力」。すとんと終わらせてしまうのは、どこか食い足りない感じもしますが、潔いとも思います。

語り部となる若い女もしくは子どもを演じた平岩紙の声と表情の豊かさ、関西弁との相性の良さにやられるアタシ。実に悲しい役どころをコミカルにしかし深く演じる荒川良々や阿部サダヲの凄さ。伊勢志摩の突っ走り、市川三和子の吹っ切ったコミカルも楽しい。

有料のパンフは今回なし。戯曲を販売しているのだけど、読み進んでいくと舞台が鮮やかによみがえるのです。

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2006.05.09

Podcastとインターネットラジオが好きだっ。

iPodもネットワークウォークマンも持ってるし、play logもやってるし、CDも買わないわけじゃないのだけど、実は音楽よりもいわゆるトーク番組の類が好きです。

音楽著作権のややこしさ、というよりは古くささ加減(まあ、異論もございましょうが、あたしなりに勉強した個人的な見解です)、一握りの才能で寄ってたかって沢山の人が食い扶持稼ぐ構造というか。結果としてがちがちの制約なのだけど、その中で目一杯の工夫やトークが面白いのです。

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GWあけて、段ボールもあけて。

GWあけて、オフィスが引っ越し。半年前まで通ってた道が懐かしい。雨が降るとつらい道のりなのだけど、これで痩せるのも手だな。

大人計画(1)をやっとの思いで入手。木曜日なんとしても。先週とうってかわって、今週は何かの罰ゲームかと思うほどに公演が多いのです。その元凶は青年団(後述)なのですが、バブルの頃の内定拘束と、劇場をたくさん持ってる四季を思い出したり。

  • パラドックス定数@渋谷SpaceEDGE(1,2)。メガネ男子的で緊迫感のある定評。三億円、731と続く戦後の未解決事件シリーズ、グリコ森永事件を。
  • 無機王@王子小劇場(1)。心優しい作・演出の新作。小劇場としてはかなり豪華で出来る役者が揃うのも楽しみ。
  • ちょっかい王@MOMO(未見)。未見なれど、SmartDrugsなどでいい役者が面白かったので。
  • 青年団(上野動物園〜)@サザンシアター。故・金杉忠男の名作。決して若い役者ばかりではないのに、こういう芝居をするというパワフルさが楽しみ。

  • 文学座青年団(チェンジングルーム)@アゴラ。今月の青年団系の演目数を増やしすぎる元凶の一つ(↑も↓も)。桃唄・山の手・タテヨコなどあちこちからの客演も。
  • 文学座青年団(卵)@サイスタジオコモネA。まったく情報がありませんが、これも交流企画。

桃唄309@欽こん館。ほぼ二日間に短いモノを沢山の企画。 ■ヒンドゥー五千回@アルスノーヴァ。 ■大人の麦茶(未見)@シアターグリーン・メインホール。■柿食う客@早稲田学生会館B203。 ■wat mayhem(Piper)@ラフォーレミュージアム原宿。 ■Myth@円形劇場。

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2006.05.08

【芝居】「夕鶴」王子小劇場リーディング

2006.5.7 19:00

王子小劇場が行っている、「新作台本を審査して優秀ならば劇場が優遇」というシステムで、過去最高の評価を得ながらも上演の目処が立たない戯曲を、リーディングという形で見せるという企画公演。役者も演出も劇場からネットワークできる強みが生きています。公演は終了。45分。

池袋の風俗店のオンナノコが待っている部屋。失踪した店長の後を継いだアルバイトの男の子、店のオンナノコ、なぜか毎日通ってくる失踪店長の母親。そして突然現れた失踪店長はすぐ消えるが、オンナノコの一人と..

公式サイトに上演台本の全文が置いてあります。事前でも後からでも、これがダウンロードできるようになってるのは実にいいと思います。著作権など難しいことはあるでしょうが、戯曲とか音声(映像はさすがに難しかろう)とか、もっとフリーで配ってしまうというのも手だと思うのです。

基本的にはリーディングなのだけど、椅子に座る役者の手前にセットのようなテーブル。唯一台本を手にしていない「母親」の芝居と、台詞のない役者による情景描写はここで行われます。ここまでやるのならば、リーディングという形を取らずに芝居にしてしまってもいいのじゃないかと思うのですが、まあそれはやる側の意図として。

リーディングの途中で役が入れ替わる演出の意図が、アタシには今ひとつわかりかねます。だれでもそうなる可能性が高いということを示してるのかと思ったりもしますが、この上演形態でやられると混乱を産むだけのような気がします。もう一つ、戯曲や演出の意図はよくわからないのですが、終幕のあたりの印象では新人のオンナノコの視点が芝居を俯瞰していたのではないかと思わせます。ならば、それが観客にわかるように作った方が面白いんじゃないのかなぁ、ましてや役を入れ替えてわからなくしてるわけで。

とはいえ、実は話そのものも、このリーディング自体も結構好きなのですね。「オンナノコのぐたぐた話」って類が好きなあたしとしては、それも当たり前って気もしますが。そして、こういう試みで戯曲に出会うことが役者や演出、観客にもっとあってほしいと思うのです。

松浦和香子はベターポーヅでの「ぽわん」とした印象とは違って、ごく普通の女の子的だったりして、ちょっとびっくり。

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2006.05.07

【芝居】「おとこたちの そこそこのことと ここのこと」寿団

2006.5.7 1400

男の役者たちを客演で取り揃え、力技の肉体勝負な、男臭い話を。 萬スタジオでの公演は終了。

解散の決まった企業ノンプロ野球部。取り壊し前の部室で集まって見えて来るそれぞれの背景。

才能がないのに努力し続ける人、才能はそこそこなのに悲観的未来しか思い描けない人、女好き過ぎとか、それぞれの想い。野球部解散でひとくくりの一瞬だけど次が決まってたり、年齢が足枷だったり。

何故か上半身裸になるシーンやテンションで引っ張るシーン多くて。役者の活躍や魅力は一杯な半面、高いテンションで自分内面の告白の二人芝居という基本フォーマットが共通なこともあって、同じように見えてしまうのが残念。それでも千秋楽らしく、ヒートアップもそれなり高く、無茶する役者を笑う楽しみも。

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【コンサート】KOBUKURO LIVE TOUR '06「NAMELESS WORLD」コブクロ

2006.5.6 17:30

コブクロのコンサートツアー、ファイナルは初の武道館。あたしは初見です。チケ譲って頂いて感謝。ライブの開場としては決して広くはないのだけれど、ストリートから始めた彼らが、ストリートの流儀でここまでやってきたことに感慨するのです。(amazon- NAMELESS WORLD(通常盤) )

たまたま譲って貰ったチケットですので、sakusaku (amazon- DVD1, DVD2 ) で面白いビデオをたまに送ってくるミュージシャン&たまたま見てたドラマでの「桜」が耳なじみぐらいだったので、直前にiPodでパワープレイして参戦。

西高東低と云われた人気の偏在から、東京でも認知度が上昇中というだけあって、老若男女様々な特性の人々が楽しみに集まってきた、という感じの会場。ガツガツともせず、慣れまくってる観客達というのでもなく、微妙な緊張感と暖かさが同居したいい空気なのだと思います。この空気こそが、この規模でもストーリー的な感じをうけさせる力。

全体の半分、ゆっくりとしたいい曲。中間にアップテンポで踊れる曲で構成し、アンコールでしっとりという流れ。しっかりと聞かせる曲が多い彼らにとって、ストリートではなく木戸銭が必要な会場で流れを作るのは相当に大変なはず。しかし、ストリート的であることは彼らの計算のうちなのでしょう。これで規模が増えていったときに成立させることは更に難関。スタイルを変えるのか、変えないのかは気になります。

彼らにとってもっとも大切な曲である「桜」を中盤。さすがに盛り上がりますが、思い入れの深さから声が出なくなる万感。客席も暖かく迎えます。この後にアップテンポな曲、アンコールでしっとりという流れにしてしまったがために、もっとも盛り上がる部分が真ん中に来てしまったというのが勿体ない気もしますが、特定のヒット曲を特別扱いしないとも云えます。

もうすこし小さな会場でのアコースティック主体なライブを見てみたいと思わせるのです。

まったく関係ない話ですが、開演前のアナウンス「〜録音などを禁止します、トウカク行為が行われた場合は〜」というのを3回繰り返して。「当該(トウガイ)」だよなぁ。あたしもかつて読み間違えてたのですが。アナウンス本人よりも、誰か注意したれや、とちょっと思いました。

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2006.05.06

【芝居】「まどろむ魚」P.E.C.T.

2006.5.5 19:00

30回を迎えるP.E.C.T.の新作は、外部作家を迎えての静かで甘酸っぱさもある芝居を。100分ほど。7日まで劇場MOMO。

地方都市、公園のベンチと売店のあるグランド脇。久しぶりに訪れた男、そこに居続けた男。かつて小説家を目指したふたりだったが、不本意な形でデビューした二人と町の人々と帰ってきた人と妨害工作と。

16年間主軸となっていた作演・役者を離れ、外部作家と集団の演出によっての新作。まるで解散公演かと思わせるようなパブリと、当日パンフ。次の予定の告知がないのもちょっと不安にさせます。でも、次に行く気は満々のようではあります。確実に遺伝子は残っていると思うので、ゆっくりとでも作っていってほしいと切に思うのです。16年目としてではなく、次の世代として。

芝居の雰囲気はにぎやかさよりは、静かさと余韻の多い流れ。PECTらしい賑やかさの味付けもありますが、あくまでも思い出かたりの話に軸があります。今までとは違う方法論、初日時点ではばたつきもあったようですが、公演期間後半になってきて、ぶれは少なくなっているようです。

P.E.C.T.という劇団は、ファンタジーっぽい不思議な空間(離婚した夫婦の子どものシーン)、あるいはくるくると回るようにドタバタ(おしまいダー、ですね)、コミカルで一見アドリブ風(散歩する犬と飼い主)などいろいろ間に挟んでも、主軸の話をちゃんと繋げていく役者の力だと思うのです。衣装だってテンションだって、裏では大変なことになってるんじゃないかと想像します。

主役となる二人、瀧川英次・佐々木覚は無駄とも思えるあの愛おしい時間を過ごす空気をしっかりと。数年後の二人は微妙な間になってるのだけど、その距離の離れ具合も良く。松本美香の全てを知ってるような役をしたときの安定感。以前酷評してしまった井上つぐみは天真爛漫さが前面に出ると強い。鯖味噌のシーンに惚れる(←オヤジ)。

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2006.05.04

【芝居】「密室彼女」本谷有希子

2006.5.3 19:00

本谷有希子のアウェイと銘打つ番外新作。ミステリー作家・乙一の二本のプロットから。120分ぐらいでしょうか。9日までザ・スズナリ。

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2006.05.03

【芝居】「終わらない僕たちの夜」Pures

2006.5.3 14:00

あちこちで活躍する4人の男性たちによるバラエティショー的盛りだくさん企画公演。140分。6日までシアターモリエール。

サッカー部の2年生のエース赤井、暴力沙汰で休学していた青木、引っ込み思案な黄川田、アキバ系緑山。田舎の高校で青春まっさかりな4人。ある日、東京から赤井の幼なじみでグラビアアイドルの少女が転校してきて… オフィス怪人舎のIKKAN、R:MIXの町田誠也、X-QUESTのトクナガヒデカツに加え、ゲームプロデューサーの時田貴司を加えた4人のユニット。まっすぐでピュアな、というよりはコテコテのありがち青春物語をする、という趣旨か。

4人の人脈なのかどうなのか、小劇場に縛られない多彩な役者陣。話はあるものの、この出演者それぞれに見せ場を細かく作り、コマギレに場面を積みかさねた結果、テレビのバラエティーショーの 各コーナーのような、場面のおかしさを追うものになっています。芝居はフォーマットの都合上であって、そこにこだわらずに観るのが吉なのです。

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【芝居】「R.U.R. - a second presentation」shelf

2006.5.2 19:30

チェコの作家、カレル・チャペックの古典戯曲、「ロボット」(amazon)、shelfとしての再演。3日までシアタートラム。80分。

労働から人間を解放する発明、ロボットが普及して年月が経つうちに再生産の力が与えられなかったロボットたちは…

戯曲を読んでみないと何とも言えませんが、友人によれば(多少の入れ替えはあっても)戯曲のテキストがほとんどなのだといいます。岩波文庫の薄い一冊買ってみようかとも思うのです。芝居そのものの感想は、すこし平板な印象を受けます。まじめに身体の表現として追いつめていった結果だろうと思いますし、劇団の規模より少し背伸びした劇場の規模ということもあると思うのです。

原作を読んではいないアタシですが、「労働」という言葉から派生した「ロボット」の語源となった戯曲だとか、反ユートピアの話だという耳年増な知識は持っていました。当日パンフでは更に機械工学というよりはバイオテクノロジーの産物として生み出されたものが、この世界でのロボットなのだという説明。この知識だけは頭に入れておかないと、ちょっとわかりにくいところもあるのですが、その対策としての当日パンフは有効なのです。

(元)理系男子としては、自然界のお手本をすべて模倣するのではなく最小限の機能を実現するように知恵を絞るという序盤での(技術者に対する)での作家の視点は、書かれた時代を考えると、とても鋭い感じ。 更にその最適化が生む悲劇を予見するのは、ペシミスティックに過ぎると思いつつも、俯に落ち、ほんとにそんな昔の作品なのだろうかとすら思うのです。

技術の進歩に関してゼロスクラッチでなく、手直しで過ごしていくことは、短期的には(いろんな意味で)コストが低減されるわけで、それはまったく正しいのだけど、長い目でみれば、それは雑巾をいかに固く絞るかという話で、その方法だけではいつか行き詰まるという話に繋がる気がしてならないのは、バイアスのかかりすぎた見方かもしれません。

終盤近く、次の世代への希望が閉じかけたところでの、焼け野原から芽吹いて次の世代への希望を垣間見せるシーンが好きです。希望が繋がった安心、自分とは違う誰かへの距離感、その中から生まれた相手を大切に思う気持ちがみずみずしくて素敵なのです。その二人がかばい合うのも、あまりにベタなシーンではあるのですが、その言葉がロボットから発せられたものだということが、その恥ずかしさを感じさせないのです。(思えば漫画のアトムもそうだ)

ゆっくりとした動きが多用された舞台で役者の身体が持つ力。前半を支えるのは川村・田口で身体の力を実感します。

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2006.05.02

GWですね。

世間的にはGW。働いている会社は稼働日ですが、休暇を取ってる人も多くて、おまけにオフィス引っ越しを控えて、まるで倉庫のような状態のオフィス。でも人が居ないから仕事は進むような、進まないような。

実は意外に公演数が少なくて、穴場といえば穴場の今週。つか、東京に居ないのか、みんな。(泣)実家に帰る日を決めて、土曜夜はコブクロ@武道館(amazon)を譲って頂いて初体験。

  • shelf@シアタートラム(1)。若手をサポートした「くりっくステージ」の公演。ロボットと言う言葉の語源となった戯曲を。あたしは初体験。たった二日、3ステージのみですが、火曜夜を予定。
  • 本谷有希子@スズナリ( 1, 2, 3)。 あたしはよくわからないのですが、ミステリー作家の乙一( amazon)原作に迎えての「アウェー」戦。本谷有希子自身は作家としても活躍(amazon)しつつあり、新刊出たばかりで。水曜夜を予定。
  • P.E.C.T.@MOMO( 1, 2, 3)。 新たに外部の作家の作品を総力戦で挑む劇団にとっての正念場。blogも進行中。金曜夜を予定。
  • 王子リーディング@王子小劇場。 新作戯曲を審査し、優秀ならば劇場費を割り引くというシステムで評価されたにもかかわらず、発表の機会を逸した作品を上演する試み。役者も魅力的なのは、劇場に根付いた人の輪なのだと思います。
  • Pures@モリエール(旗揚げ)。 それぞれに活躍する男四人のユニットの初公演。青春群像劇なのだとか。ゲストにサンプラザ中野とか、納谷悟朗とか凄いことになってます。
  • 寿団@萬スタジオ(未見)、■カムカムミニキーナ@1010、■大人計画@本多は来週以降に、■唐組@花園神社、■BQ MAP@サンモール、■白夜の女騎士@シアターコクーンなど当然持ってるはずもなく。■新☆感線@まつもと市民芸術会館も始動。

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2006.05.01

【芝居】「エクスカリバー零式」神様プロデュース

2006.5.1 19:00

溢れるほど盛りだくさんの物語、スピーディーな演出が魅力の神様プロデュースの2年ぶり再演。思えばエンタメ系の若手は結構珍しいのです。公演は終了。千秋楽は満員でした。

ままごとのように物語を紡ぎ始める姉妹。町をつくり、住人をつくり。町に学者がやって来た、神話の隙間を埋めるために。住人それぞれ話も始まる。人里離れた神社で、姉は学者に連れ去られる。物語の世界に。

当日パンフで作家は「物語を消費するばかりの業界に腹を立てている」といいます。細切れの断片をこれだけ入れて普通よりも物語を消費してる彼ら自身、はまあ横に置くとして、これだけの断片を基本的に物語の最小単位である二人の対話によってひたすら石を敷きつめるように(消費ではなく)紡いでいくのです。

あとから思えば「そこまで云わなくても」とも思いますが、物語を消費し続ける観客に向けられた刃は、その瞬間、たしかにどきりとします。

役者それぞれに個性があって、印象に残ります。語り手二人が、他の役者を人形に見たてて動かしながら作った話、自律した役者がもう一度演じるシーンが結構好き。

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