【芝居】「ミス・ダンデライオン」キャラメルボックス
2006.4.28 19:00
去年末の「クロノス」と同じ小説「クロノス・ジョウンターの伝説」の別エピソード2本を60分の演劇に仕立てた「ハーフタイムシアター」のうちの一本。あたしはダー泣きでした。客席も満員。3日までシアターアプル。
(以下ねたばれあり)
小さい頃入院していた優しいお兄さん。難病で死んでしまった彼への想いから医者になった女。ある日知った新薬はその病気への特効薬だった。ふとしたきっかけでタイムマシーン・クロノス・ジョウンターを知った彼女は、衝動を抑えきれず、あのお兄さんの時代へ飛ぶ。
3本の話のうち、時間軸的には一番最後に位置する一本。前二本との繋がりは薄めで、登場人物が密接にからまないように作られています。こちらを先に見ても違和感を起こさせないという効果があって、それは成功しています。
大切な人を想い救うというシンプルな衝動。その衝動をひたすら真っ直ぐにまっすぐに突っ走るのが、女性というのが、キャラメルボックスでは意外な感じもします。幼い頃の寂しいと想う情景、彼に頭を抱いてもらって溢れほとばしる気持ちは、この行動的な女性の姿に重なって、その想いの強さに、ダー泣きとなる、アタシなのです。
クロノスのある種悲しい結末に比べると、時間を飛ぶ回数が少ないために、再会のチャンスがあるわけで、その見せ方の変化球も巧い。泣かせるがためのご都合主義って云えないこともないのだけど、その嘘を、すっと受け入れさせてしまうような、力強さが、物語にも演出にもあると想うのです。
ベテランの役者・中堅の役者のバランスが良くて緩急が多彩で楽しいのです。前田綾の突出したキャラ芝居も楽しい。
演劇集団キャラメルボックスタイムトラベルシアター Vol.3・ハーフタイムシアター2本立て 「ミス・ダンデライオン」
2006.3.23 - 3.27 シアターBRAVA!
2006.4.1 - 4.2 メルパルクホールFUKUOKA
2006.4.7 - 5.3 シアターアプル
原作 梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」(朝日ソノラマ刊)
脚本・演出 成井豊+隈部雅則
出演 岡田達也 岡田さつき 西川浩幸 細見大輔 前田綾 青山千洋 阿部丈二 小林千恵 小多田直樹
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