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2006.04.15

【芝居】「花房さんちの二人姉妹」 pre*pre

「ものづくりユニット」を標榜し、可愛らしい消しゴムハンコや、暖かい感じの小物類を作る二人の女性、pre*pre (amazon) の個展。8日間の個展のうちのたった二日、2ステージで1ステージ15分というある意味スーパープレミアムな公演。公演は終了。個展は16日まで代々木上原・Gallery上原。

リビングかダイニング。喪服を着てテーブルに居る女、駆け込んでくる女。二人は姉妹で、祖父の葬儀に向かうために待ち合わせていた。出発までの短い間の会話。姉は結婚「しない」ようで、妹は夫としっくりいっていない..

つめきりやカブの流れにある作家や役者。気心知れた3人の作り出す世界。少し芝居にかかったバイアスという気はしますが、わかりやすくて引き込まれる会話は時間の短さと相まって濃密な時間を作ります。結婚しない姉についての話、妹の夫の話、三十路過ぎという年齢についての話、煎餅を囓りながら故人への想いが少しあったりも。終幕近く、「ずっと一緒だった女たちは、(嫁いでしまうと、)それぞれ別々の墓に入り、永遠に交わらない」という台詞。「家」というシステムの中での女性のありかたを端的に表す言葉。人物は続けて、それを寂しいと云い、観客は想いを溢れさせるのです。

あたしはその立場を永遠にわからないのかもしれません。この「立場」をきちんと言葉にする作家の確かな力を感じるのです。役者二人の「あ、うん」も気持ちよくて安心して観ていられるのです。短いだけにそうそう上演されるものでもないのでしょうが、短編で女優二人だけというのは、いろんなパターンで見てみたい気にさせるのです。

個展の展示の方もかわいらしさ全開。あたしが買うにはちょっと照れくさいものだけど、「オンナノコはカワイイモノで出来ている」、なんてどっかで読んだ言葉が頭に浮かぶのです。

pre*pre 企画展 Il Fazzoletto di terra(ハンカチほどの広さ)二人芝居 「花房さんちの二人姉妹」
2006.4.8,  4.14 ギャラリー上原
作・演出 やべめぐみ (2006.5.31まで台本公開中)
出演 土谷朋子 三谷麻里子

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