【芝居】「WHITE PHASE」リュカ.
2006.3.2 19:30
劇団旗揚げから10年目。その間に9本目というのは寡作ですが、劇団では10年ぶりの再演。6日(月)まで王子小劇場。120分。
人里離れた研究所。温室や実験室のある中で植物や薬を研究するコミュニティ。先生の教え子、今は作家の男が久しぶりに訪ねてくる。
ある意味閉塞しているコミュニティ。息がつまりそうになっている人や、家族や、同僚や。いろんな関係が示され、展開。あたしの体感としては、90分ぐらいにまとまる方がいい気もしますが、提示する関係のそれぞれを考えれば納得かとも思います。
丁寧に描く人物たち、しかしどこか、切り離されている気持ち(ディスコミュニケーション)を感じさせます。10年前でこれは凄いとも思うのです。去年の後半のリュカ.が今の作家や役者の等身大だとするならば、彼らが学生の頃に見えていた世界なのだと思うのです。
薬学と製薬会社の男女はクールなドラマのよう。沈みがちな芝居のテンションを作るのは植物学の男女の同僚。終盤の二人のシーンがとても好きだし、助けに行くために走り出す男の顔のかっこいいこと。劇中の作家は芝居の中心となり、本作の作家の視点らしきモノがかいま見えます。所長らしい彼は少し癖のある芝居ですが、終盤効いてきます。
劇場に入った途端、息をのむように美しい舞台。お金はかかってないというのですが、それだけで世界を作ってる気もします。あわせて、客席の段差も多分王子小劇場史上もっとも急傾斜のおかげで見やすいのです。帰りにも頭上に気をつけて。
リュカ.第9回公演「WHITE PHASE」
2006.3.2 - 3.6 王子小劇場
作・演出 渡邊一功
出演 境宏子 増戸香織 池田ヒロユキ こいけけいこ 宇和川士朗
山田佑美(無機王) 大塚秀記(つよしとひでき(trf)) 中川智明 中田顕史
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「三ノ輪の三姉妹」かるがも団地(2024.10.10)
- 【芝居】「ハッピーターン」劇団チリ(2024.09.29)
- 【芝居】「昼だけど前夜祭」劇団チリ(2024.09.16)
- 【芝居】「朝日のような夕日をつれて 2024」サードステージ(2024.09.08)
- 【芝居】「雑種 小夜の月」あやめ十八番(2024.09.01)
コメント