【芝居】「河豚」御曹子ニャンコフ
2006.3.26 14:00
上智大学系の劇団、ニャンコフの1年以上ぶり新作。久しぶりに再開した同級生たちの「詰まっていたこと」をめぐる話、女性であることをからめて。90分。26日夜まで、アートスペース・プロット。
ある出来事でふさぎこみがちになっていた妻を心配して夫が呼び寄せて、昔の同級生の女三人で別荘にやってきた。昔話と酒で盛り上がるが…
ごく短い話の中に三人の今の姿と対比を巧みに見せながら、あの時から言い出せなかった気持ちを吐露する過程のドキドキ。実はシンプルな気持ちと時間の話なのだと思うのです。
冒頭いきなりのサービスカット、飛び道具のように合いの手を入れる特異なキャラクタ、ナプキンをめぐるあれこれなど刺激を与えるシーンもふんだんに肉付けしていますが、過剰だったり下品に過ぎたりしないギリギリのバランスが絶妙で、少人数の役者とあいまって見応えがあります。
吐き出す気持ちを生理に例える話運びも、ありがちとはいえますが、登場人物の仕事に繋いで扱っており、とってつけた感じがしないのです。
終幕の意味が今ひとつわからなかったり、八つ又しているお笑い芸人志望の彼氏が固執するネタの理由がふに落ちないなど粗削り感は確かにありますが、あたしはこの物語の根っこが好きだなあと思うのです。
御曹子ニャンコフ 第五回公演 「河豚」
2006.3.24 - 3.26 阿佐ヶ谷アートスペース・プロット
作 神前るい子 演出 伊藤しのぶ
出演 加藤芙実子 見城芽吹 神前るい子 伊藤しのぶ
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