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2006.03.05

【芝居】「つの隠し」空間ゼリー

2006.3.5 18:00

女性ばかりで「女性のために、演劇」を掲げて旗揚げ。体制が変わった今でも女性のどこか隠鬱な視点の芝居を続ける空間ゼリーの新作。父親が亡くなった日、母親と三姉妹になった家族や周囲。終盤の会話や光景が圧巻。7日までシアターグリーン小劇場。

家のリビングルーム。亡くなった父親、ばたばたする娘や母親や親戚。やがて生前帰って来なかった父親と母親の関係、その影響でどこか歪んだ娘の生き方が浮かび上がり。

葬儀の日のばたばた。葬儀屋の営業攻勢や、訳のわからない宗教にはまりこんだ親戚のあれこれから世界をつくりますが、あくまで主眼は母親と娘たちの生き方にあります。作家は女性なのだけど、美しくない感情の醜さをそれぞれのキャストに与え、単なるイイ話にはしない薄気味悪さがあります。特に骨子となる姉妹はそれぞれが母親のどこかのマイナスを受け継ぐ書き分けが凄いという、あたしの友人の声は的確です。今作の物語の骨太さは2時間、かなり幅の狭いパイプ椅子でも一気に見せる凄みがあります。

作家が女性という劇団は数あれど、家族に根ざした、しかしどこか醜悪さのある芝居というのはそうはないのではないかと想うのです。美術や話の運び、見せ方など劇団史上もっとも完成度は高いと思うのです。(全部見てる訳ではありませんが) 母親と客の女の対峙するシーンの静かでしかし火花散る感情。終盤の着付けながらのうららかな日差しのような会話。が。

女優のルックス売りだった出発点は、しかしいい方向に進化しています。なにより、劇場を出るときにキャストが元気良く客出しし、明るくグッズを売り、賑わう劇場前という場所に身を置くのは何より、知り合いなど居なくても、アタシが楽しいのです。

空間ゼリーvol.5「つの隠し」
2006.3.3 - 3.7 シアターグリーン 小劇場
作 坪田文   演出 深寅芥
出演 小美濃愛 石井舞 桜井ふみ 徳田奈緒 斉藤夏子 佐藤慶子 下山夏子 竹内春紗 河野真衣 粕川順央 本多加奈 大竹甲一 澤田慎司

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コメント

千葉さんにお誘いいただき、来週見に行きます。
そっかー、よくわかんないけどよさそうですね。
期待して行きます。

投稿: KANA | 2006.03.06 00:04

KANAさん、コメントありがとございます。

よくわかんないかもしれませんんねー。
でも、話はわかりやすいですよ。しっかり。
席はかなり狭いので、覚悟して行きましょう。

投稿: かわひ_ | 2006.03.06 22:53

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