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2006.03.19

【芝居】「パレード」ONEOR8

2006.3.19 14:30

ONEOR8の新作は様々にバリエーションした家族を描く話。三鷹市芸術文化センター星のホールでの公演は終了。110分。

初老の男、娘とお手伝いが一緒に暮らしている。男は身体の調子も悪く退院したばかり。通院している病院には、入院が長引いている男、喧嘩ばかりしているその妻などが居るが、通院している男が気になっているのは、若い女の入院患者とその兄で、親子ほども歳は離れているが、実は異母兄弟なのだ。かつて遺産相続でもめて以来、没交渉になっていた。初老の男の実の娘は幼くして死んでおり、同居している「娘」は契約している他人なのだ..

親子にしか見えない関係の「家族」が実は薄っぺらな契約に基づくものであり、でも、互いの想いは時間の蓄積とともに絆になっている二人。しかし、「娘」は現在の状況を断ち切り、遠く実家に戻ります。初老の男にとってもう一つの、そして真の肉親も関係を修復しかけたものの、こちらもあっさりと断ち切られます。絶望にさいなまれた男の逃避した先は頭の中で巡るパレード、というのはあまりに悲しい話なのです。

話や関係は濃密を越えて過剰なほどですが、広い舞台全体に巧く分散させながら話を紡ぎます。一つひとつのシーンは小さな空間を使い、それを舞台上のあちこちで見せるやり方は、舞台の広さと芝居の濃密さの折り合いをつけるいい着地点だと思うのです。

物語の中では完全にサイドストーリーなのですが、入院している夫と心底心配している妻が実にいい味。また、妊娠した女を内心愛するチンピラの話もいいキャラです。深刻な病気の話を観客に伝えるのは医者の役なのですが、極端につくったキャラクタのおかげで、病気の情報だけが伝わり、人間の心を描いた本編にわるい影響が出ないようになっているのはちょっと巧い。

なによりびっくりしたのは、「ニューハーフ家政婦」を演じた高山のえみ。見るからにニューハーフな声なのだけどしばらく説明なし。おかげで最初のシーンで当日パンフを見て情報を確認しようとする観客がたくさん。あたしもその一人ですが。異形なるものは小劇場においては圧倒的な力を持ちますが、彼女もその例にもれません。

ONEOR8第19回公演 「パレード」
2006.3.16 - 3.19 三鷹市芸術文化センター星のホール
作・演出 田村孝裕
出演 恩田隆一 冨塚 智 冨田直美 和田ひろこ 平野圭 今井千恵 野本光一郎 (以上ONEOR8)
江端英久 長嶺安奈(椿組) 伊藤俊輔 高山のえみ 中村方隆

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