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2006.02.05

【芝居】「ルームメイト」SmartDrugs

200602051800

女性ばかり、いくつかの劇団から集まった上演ユニット(→前回)の最新公演は、座・キューピーマジックの田窪一世の作品(2002.4初演)を原作に。最近の邦画にうまくマッチしそうな作品だと思います。公演は終了。

マンションの一部屋をシェアする女同志の親友。失恋話で盛り上がる夜、突然現れる幽霊たち。それぞれ思い恨みゆえに成仏できない幽霊たちが集まる。何か特殊な力が働いていて集まるのだという。翌日夜、帰宅したルームメイトは元気なく、一本の電話のあと、思いつめたように飛び出していく…また、止められない。

あたしはキューピー未見なのですが、女性だけにキャストを絞るなどの改訂を入れているよう。初演時の写真を見ると、演出の基本的な方向は初演を継承しているのだろうと思います。

ネタバレあり

単に幽霊の話だと思っていると実は、女友達の友情の話。ある晩に帰宅してきていきなり飛び降り自殺してしまったルームメイトは、死んだことを理解しておらず、毎日同じ24時間を繰り返し続けて1ヶ月。それでも親友だからとその繰り返しにずっと真摯につきあってきた女であることが示されます。つまり抜けきれないループにはまりこんでしまった姿。

それが切り替わるたった一つのせりふ「また助けられなかった」が秀逸なのです。飛び出し、戻ってきてのこのほんの少しの時間の芝居が実にいいのです。この転換点の前後、つまり幽霊たちがてんでに喋るところ、苦悩が続くところは少々平板な感じもします。それでも終盤にもういちど友情を強く見せ前向きに終幕に見せるシーンがあって、うまく着地しています。どこに持って行っても重くなる話を、後日談的なシーンを最後に付け加えることで爽やかな印象にするのも、女性らしいといえばそう。

Smart Drugs「ルームメイト」
2006.2.3 - 2.5 パンプルムス
原作 田窪一世(座・キューピーマジック)  脚色 高橋良子  演出 柴原麻里子(ちょっかい王)
出演 高橋良子 菅野さおり(チャリカルキ) 後藤里恵 竹内あすか(天然スパイラル) 竹内まき子 中村掌子(インパラプレパラート) 野原由理 松田愛子(ちょっかい王) やおいたまさこ

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