【芝居】「賢治島探険記」演劇集団キャラメルボックス
2006.2.16 14:00
サンシャイン劇場など中劇場での1.5ヶ月公演を中心にした劇団の、21年目にして回帰。チャレンジシアターと銘打ったシアターモリエール、10日ほどの公演は結果、プレミアムに。26日まで。
新宿の街角に集まったゼミの学生と教師。あちこちにあるという「(宮沢)賢治島を見つけるのだという…
もとはといえば女優・坂口理恵の企画した、「街角でやる大道芸ような演劇」をめざしたもの。初演のアプルは、それでもそれなりの規模になっていました。はるかに小さな規模での公演は、すくなくともぱっと見には簡素な仕上がりなのです。
宮沢賢治の作品に着想した短編をいくつか、楽器演奏やゲストを交えたライブ感。新人中心とはいえ、中劇場を制圧出来る彼らには、どうということはありません。 なんの不安もなく、安心してみていられます。
ただ、今作に限っていえば、思ったほど作品と劇場の狭さの相性が良くはない気もします。演出で見せる又三郎やセロ弾きはともかく、銀河鉄道などストレートなものは少し弱い気がしてなりません。もうひとつ、観ているときはぴんとこなかったのですが、劇団の過去公演からのネタを引いているようです。去年は20周年のお祭りということもありますから仕方のないことかと思いましたが、この劇団では「内輪ネタ」は御法度と云ってた気がするのですが、パイが大きくなると違ってきてしまう、のでしょうか。すこし残念です。
演劇集団キャラメルボックス「賢治島探検記」
2006.2.15 - 2.26 シアターモリエール
原作 宮沢賢治 作・演出 成井豊
出演 坂口理恵 石川寛美 伊藤ひろみ 岡内美喜子 畑中智行 三浦剛 筒井俊作 左東広之 渡邊安理 阿部丈二 多田直人
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コメント
25日に観に行ったときには、
過去公演から引いたネタはなかったように思います。
帰宅後、オンデマンド配信されている
17日(金)の公演を見たところ、
25日にはなかったネタが確かにありましたので
途中で変えた可能性はありますね。
ところで、キャラメルボックスの方針として
「内輪ネタはご法度」としていたかどうかはわかりませんが
(今までにも、過去公演のネタをもってきていたことは、
わりと何回もありますので)
この点に関して、キャラメルに対してだけ
かわひ_さんは特に厳しいように見受けられますが
いかがでしょうか?
投稿: NAH | 2006.02.26 19:07
NAHさん、コメントありがとございます。
最初にごめんなさいを。まるで民主党のようでかっこわるいのですが。
過去公演のネタかどうか、ちょっと自信ありません。劇中で人名を含む2,3言葉の会話があった気がして(なんと云ってたか思い出せないのだけど)、その直後客席が大受けしたのですね。この流れは過去公演のネタ、だと思いこんだのですが、証拠がないですね。
「内輪ネタ御法度」も、成井さんか加藤さんが過去どこかで書かれてた(10年ぐらいまえだと思う)と思うのだけど、ハンドブックつらつら見てもみつかりませんでした。どこだったのかなぁ。初めて見た観客が受ける疎外感を排除したいという説明に、いたく感心したように思うのですが、これも証拠見つかりません。面目ないことです。
あたしが、キャラメルに対してだけ、この手のネタの扱いが厳しいという指摘は、そうかもしれません。というか他にはあまり例がない気がしています。可能性があるとすれば新感線、発砲、大人計画、ナイロン、NODA MAPあたりでしょうが(公演数がそれなりにないとできないことなので)、あまり記憶にありません。個人的にもあまり好きでなくて、芝居の世界とは違うところで急に受けるのが違和感なのです。特にキャラメルボックスに関して云うと、20周年のお祭りだった去年は仕方ないとはいえ、目に余るように感じたので、厳しくなってるのかもしれません。
もっとも、あたしが「残念だ」といってるだけであって、観客の大多数が喜んでいるというのならば、それはそれであり、なのだとも思います。が、あたしは疎外感を感じてならないのです。たとえ、そのネタがわかってクスリと笑ったとしても。
何より、キャラメルボックスは期待してるから、というのが、逆に厳しくしちゃうのかもしれませんが。
投稿: かわひ_ | 2006.02.27 00:04