【芝居】「ラブハンドル」パルコ+サードステージ
2006.2.4 19:00
中谷まゆみ+板垣恭一の組み合わせ、心の奥深くにしみいるような物語が特性です。芝居は見応えのある2時間40分(休憩15分)。中年にさしかかった微妙な年頃(=ラブハンドルが気になる)の人々の恋愛ものがたり。もう少し絞ってほしい気もします。20日までパルコ劇場。そのあと、仙台、愛知、大阪、福岡。
離婚を専門とする弁護士、その秘書で長年一緒に住む女。女は結婚を望んでいるのだけど、男にはその気はなく、微妙な距離。近所に済む姉夫婦が離婚の危機を迎え、転がり込んできたいい歳の男は告白できずに悩んでいる...
正直な話、物語に必要な長さよりはだいぶ長い上演時間ではないかと思います。たいした問題ではないともいえますが、あたしにとっては、期待するハードルが高い作家・演出家ゆえに気になるのです。もっとぎゅっと濃縮した感じで見たい。ばっさり一幕目を切っても、あるいな娘の話をまるごとなくしても成立しそうだと思ってしまうのですが、乱暴でしょうか。それでも、二幕目になってかなり追い上げるし、役者の力はあるので力わざで押さえ込むように気持ちを押してくれる感じはします。
さらに解せないのが上手に用意されたコタツ。その向こう側に壁があり事務所とは別の空間であるということはわかりますし、生活の空気を出したかったというのはわかりますが、冒頭以外ほとんど使われることもなく、メインのセットとの違和感ばかりが気になります。
ケッコン、ケッコンと口にする富田靖子の姿は、あたし自身に重なるのですが、あそこまで純粋で居られない気もします。だから、実際のところは原田泰造演じた弁護士がむしろ共感できる気もします。そのままの気持ちではいられなかったり、現実をすこし斜に構えたように見たりと、いくつかのセリフが気持ちに残ります。
初日故か、原田+富田の組み合わせは途中まで少々不安もあります。それでも終幕はしっかりと物語をみせ、見た目にもその身長差が洋画のような感じを作り出します。小須田+長野のいくつかのシーンは圧倒的な安心感。主役の二人の行く末を投影して見せる効果もあり、そういう意味では芝居を屋台骨のように支えてる気がします。
...うあ、なんかネガティブな感想。でも結構笑いも多くて楽しめる一本なのです。単に期待するハードルが高すぎるあたしの問題かもしれません。
パルコ劇場+サードステージ「ラブハンドル」
2006.2.4 - 2.20 パルコ劇場
2006.2.22 仙台市民会館 大ホール
2006.2.24 愛知厚生年金会館
2006.2.27 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2006.3.2 - 3.3 ももちパレス
作 中谷まゆみ 演出 板垣恭一
出演 原田泰造 富田靖子 瀬川亮 長野里美 小須田康人 石黒賢
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