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2006.02.04

【芝居】「あしたのニュース」ラッパ屋

2006.2.3 19:30

安定した人情喜劇が持ち味のラッパ屋、1年以上あいだが空いての新作は少し持ち味変えていながら、しかし気楽に、完成度高く。5日までTHEATER/TOPS。

地方都市、鳥手市の地方新聞社の裏手の豆腐屋。いい水を生かしてビール工場を誘致しようとしている市の意向は新聞どころか、実直な商店にまで

地方都市を舞台にしながら、どこちにでもあるシガラミ。笑い織り混ぜながら、実は何かに対する戸惑いや怒りが勝ったホンというきがします。

役者の圧倒的な力で芝居としては確かに楽しめます。脚本に問題があるわけでもないのです。

登場人物の誰もが、私腹を肥やすでもなく、よくあれと思ってのあれこれ、相談役ですら。でも、細かいことを見逃していくことが、あとになってこんなことになるとは。

閉塞したところから何か飛び出すために、あるいは一緒に暮らしていくための対等を手に入れるための努力を責めるのは簡単なのだけど、やはり生きているのはヒト。対等にコダワルのは、男が低く女が出来ることが白日のもとに晒される昨今ゆえに成立する構図なのです。

あたしにとってのラッパ屋は、情けない自分が、女の色香に迷うだらしなさ。あるいは小金を稼ぎたくなる自分の気持ちという、「個人にとっての」気持ちの動き。本作はそれにとどまらず、その地方やコミュニティにとっての利益のための人々。この構図になると、それに戦う側は絶対的な正義ってのができちゃうのです。自分の置き位置をどこにして見続けるか、のポジションが取りづらい気が、したりするのですが、あたしは。

ラッパ屋第32回公演「あしたのニュース」
2006.1.12 - 2.5 THEATER/TOPS
2006.2.8 大阪ビジネスパーク円形ホール(旧MIDシアター)
2006.2.11 - 2.12 北九州芸術劇場 小ホール 作・演出 鈴木聡
出演 おかやまはじめ 木村靖司 福本伸一 弘中麻紀 岩橋道子 大草理乙子 熊川隆一 宇納侑玖 岩本淳 武藤直樹 中野順一朗 ジュリ

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