【芝居】「労働者M」シアターコクーン
200602141900
ケラリーノ・サンドロヴィッチ作演のコクーン2作目。3時間半の上演時間で28日まで。
(A)近未来の収容所、暴力も茶飯事。入所してきた男の企みは。(B)いのちの電話、を隠れ蓑にしたネットワークビジネスの事務所、行方不明の所長、残された職員。(プロローグ)家族についての記憶
後ろの席だったのです。広い舞台。遠いなあと思って見はじめてました。二つの物語は交わることなく進みます。場面場面はわかりやすく完成度が高く作られています。が、それでもどんな話だったかを説明しづらいのです。 豪華な役者、シアターコクーン、前売りは即日完売。いわゆる芸能人も出演というプレミアムな舞台。それなのに、このわかりにくさというか、不親切さが逆に新鮮。ただ、一般的な評価はきっと散々だろうとも思います。
そこに何かの主張が含まれているのかどうか、よくわかりません。有料のパンフレットの頭に、ケラリーノサンドロヴィッチは「事件が起こることも起こらないことも、笑えることも笑えないことも、全部を平均的に散りばめたい」と書いています。延々と何も起こらないような舞台に強く惹かれる、ともあります。
それなのに、あたしの気持ちは上演しているあいだ、ずっと沸き立つのです。全体で何が言いたいかはさっぱりわからないのに、舞台はそれこそ食い入るように見ているあたしが居るのです。これはなにゆえなのか、自分でもよくわからないのですが。ただ、この空気感、あたしにとっては「消失」(2004.12/ナイロン100℃)に近いものと感じられてなりません。ものがたりに主張が感じられたかどうかという点ではずいぶん異なる気もしますが。
シアターコクーン「労働者M」
2006.2.5 - 2.28 シアターコクーン
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 堤 真一 小泉今日子 松尾スズキ 秋山菜津子 犬山イヌコ 田中哲司 明星真由美 貫地谷しほり 池田鉄洋 今奈良孝行 篠塚祥司 山崎 一
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コメント
TBはらさせて頂きました。「消失」に近い。私の友人もそんなことを言ってました。あと2回ぐらい観たいです。理解できなくてもあの空間を感じたいです。
投稿: ドラ | 2006.02.15 08:39
ドラさん、コメントとトラックバックありがとうございます。
「消失に近い」という感想、あたし一人だけじゃないんですね。なんか嬉しいです。何回か観たい気はしますね、確かに。
投稿: かわひ_ | 2006.02.16 08:20