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2006.02.26

【芝居】「ぎょもんが4(フォー)」tsumazuki no ishi番外公演

2006.2.26 18:00

個人的にはちょっと難解な印象を持っているtsumazuki no ishi。演出の寺十吾の総合演出による「スエヒロケイスケ以外の」外部作家たちの本を使った5本。気楽な感じで楽しめる短編があつまってなかなか。サンモールスタジオでの公演は終了。

女4人があれこれ、以下の4作品の間をつなぐ役割も担う「お風呂場の女子たち」(千葉雅子作、猫田直P赤玉ピンチ)。ボートに乗る売れない作詞・作曲家コンビが見つめ直す「太陽がすっぱい」(佃典彦作、ガマ発動期P)。32歳男の筆おろし作戦を立てる"スクールウォーズ"風、「くつき村青年団」(今奈良孝行作、鈴木雄一郎P猿達)。大きな船、密航者の船倉・謎のタイタニックカップルの甲板・母娘でのなぜか飾り窓な船室の様子を描く「マルコの夜」(日暮玩具+岡野正一作)。死んだお笑い芸人に集まった四人の女、話すうちにそのむちゃくちゃな生活が「それでもTVは流れている」(佐山泰三作)。

「太陽」は、つり下げられた船、揺れる中での会話。「人を見る目がないお前が売れるってんだから、こいつは売れない」なんて類のパラドックスというかひっくり返しの言葉の応酬が楽しい。 「くつき村青年団」のあけすけな下品さもからっとしていて笑える下ネタ。「マルコの夜」はどちらかというと静かめ、マグロ漁船だっていってるのに、甲板のバカップル楽しく、なぜか売春婦が居るっていう設定も可笑しい。「TV」は無駄に作り込んだ感がいいのです。なんせその場でなんか料理温めて出したり、劇中映像も結構たくさんあるし。四人の女が故人の恋人だとそれぞれに云うのだけど、先の女ほどあとの会話の中で恋人→姉→母親→祖母とステージが上がってる(?)のが可笑しい。

この規模の劇場だてのに、ムービングライト4台投入ってのは前代未聞な感じもしますが、それを床置きすることで、ボートのシーンの水面な雰囲気がでてたりして効果的。それぞれがまったく別個な感じになっているのですが、よってたかって作った感は満載。

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【芝居】「テレパス」ニット・イット

2006.2.26 14:00

あたしは初見の劇団です。テレパシー能力をなくしたい少女の家族や周囲への葛藤を童話に乗せて。90分。27日までサニーサイドシアター。fringeでも評判の、折らせて別の意味が見えてくるチラシも印象的。

テレパスの少女。その能力を病と考え治療のために研究所で暮らしている。周囲の考えが見えてしまう彼女も対人恐怖のようになっている。ある日、その能力をなくしてしまう、という薬が作られ…

テレパス、童話、家族の話など下手をするとえらくありきたりになりそうな材料を揃えながら、芝居そのものはなかなか見せるものになっています。中盤で登場する「他人の心の声を語る」擬人化キャラはなかなか弾けていて、物語にテンポをつけます。

終盤、家族のシーンから先は物語の着地点を探しあぐねて旋回を繰り返しているような印象があります。童話の導入でおしきって着地させた先は果たしてハッピーエンドなのかどうなのか。(いや、別にハッピーエンドでなくてもいいのだけど)

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【芝居】「サンドイッチマン2005~2006」アンクルジャムP

2006.2.25 19:30

役者・保倉大朔の立ち上げたプロデュースユニット。若者とジジイたちの、タコツボ部屋の話を昭和の歌に乗せて。26日まで王子小劇場。

街角に立つサンドイッチマン、それぞれに事情を抱えている。OLらしき女に親しげに話しかけられる「課長」や、警察に嫌悪感を持つ若者、仕事中の競馬中継が止められない若者、大阪から無一文で出てきた老人、社長やヤクザなど。それぞれが生きている。

三田村組などへの脚本提供をしている今いそむの作品。2005という年号が入っているってことは再演なのかと思って探したのですが見つかりません。前から暖めていたのだという話を聞いたりもします。その作品を無機王の渡辺純一郎が演出。全体としてはかっちり脚本の指定がされているのだそうで、昭和のにおいのする一本になっています。暗転のたびに入るフュージョンな曲は芝居そのものとは合いませんが、ここをベタな昭和歌謡にしなかたのは正解。

ただ、視点がどうにも動く感じがしてしまって、観客の側は落ち着きません。最初は「課長」が主役だと思って観ていると、そのうち大阪の老人、若者達、元予備校教師などそれぞれに物語を作り、終盤に至って、ヤクザの男の叫びが出てきたりします。群像劇といういいかたも出来ますが、ここのエピソードが有機的には繋がらず、どこか体験や取材を含む事実のにおいがします。

役者の顔に刻まれた、年齢はたしかに様々な顔で実に味があります。年齢が行っても相変わらず駄目な男達を優しく好意的に見る視線を感じます。

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2006.02.25

【芝居】「暴走コレクション」POSTER COVER

200602251500

あたしは初見の劇団。オークションで競り落とされたモノをめぐるはなし。70分。26日まで劇場MOMO。

オークションでは数千万で競り落とされてから月日が経つ。どこか生真面目さが目立つ女子高生、友人たちは脅迫めいたことをやっていたりして遊び暮らしていて、どこか浮いている。彼女を見つづける目、隠された秘密。

(ネタバレあります)

様々に重ねられる悪意、それが臨界点に達したときの惨劇、という描きかた。これでもか、と悪意だらけに見せたわりには、そのこんほが「金」と「キモイ」と「狂った野望」ですから、どこか一本調子。タクシードライバーの話などを入れて変化をつけようとはしていますが、あまり効果はでていません。

対する暴走するヒロインの側にも感情をいれられない感じ。やむにやまれず、という突き動かす感情が見えづらく、後味の悪さだけが残ると思うのです。

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【芝居】「満天の夜」KAKUTA

2006.2.24 19:30

リーディング企画二本立てのもう一本。こちらの方が大人向きのロマンチックな短編を5本。どちらか一つならば、こちらを。90分。26日まで、スターホール。プラネタリウムだと思って油断すると、椅子に座れるのは30人弱。床に座らせた客席も多いので、ブーツや厚着を避けて。

短編の物語を、アルケミストの歌でつなぎます。全体としては恋愛モード全開で選択したように、いろんな視点の、しかし異性が好きな気持ちにあふれる4本と、全体を貫く1本。

あまりに疲れた日常に見つけた奇跡の一瞬を、分かち合いたい気持ち「一番星」(田口ランディ-「その夜、ぼくは奇跡を祈った」,amazon )。日常からすっと立ち上がりたいのだけれどそうもいかないランディ作の鬱屈にすこし涙。こういうの好きなんです。

男の子が毎日来る、女の視点で「星の光は昔の光」(川上弘美-「神様」,amazon)。 幼い男を見つめる女の実は情欲に近いねっとりとした視線に感じられてならない川上節。

原宿の裏道で一瞬すれ違った彼女は「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子と出会うことについて」(村上春樹-「カンガルー日和」,amazon)。 コミカルに演出されている、男の子視点の村上春樹は見やすくスタイリッシュで面白い。

結婚間近の女、公園で見つけた背中の過去「いつか、ずっと昔」(江國香織-「つめたいよるに」,amazon)。 少し夢想する、自分はどこから来たのだろうというような話を江國香織が書いているとは。コミカルに見えて、いやいやどうして深い。コメディと言わず、真剣な気持ちとして描く好感。

星空の下、姉妹の会話(谷川俊太郎-「二十億年の孤独」,amazon)。谷川俊太郎の全体を貫く姉妹の話は、終盤たった一つのことばで、全てを理解させなければいけないのだけれど、ちゃんと反応する客席。ガー泣きですよ、あたし。

こういう女の子節大好きなあたしとしては、すべてがアタリ。強い作家の物語をアソートしたのはさすがに強い。昼に比べると、プラネタリウムの星空を多用して、空気を作り出します。規模に比べて多い観客。前売りは完売しており、床に座布団席が大半を占めます。プラネタリウムには真ん中には大きな投影機ですから、当日パンフで触れているように、死角も多いのです。オペ卓を背にして左側の椅子席がベストだろうと思うのですが席は少ないです。物語に大きな影響はないのだけど、見えないと気になるのが観客ってものなので。でも、あの高さの舞台を作っただけでも、観客の視点があるのだなあと思います。

もうひとつ、一応三歳以下の子供を入れないようにアナウンスをしていますが、こちら「満天」に関していえば、小学生でもちょっと厳しいかなぁと思ったりします。このあたりは子供それぞれなのだろうけど、リスクは高いように思います。もっとも、通路際の座席に誘導し、フォローできるような場所に座らせているのは制作の対応としては正しいものだといえます。あたしは子供がいないから、厳しいこと云っちゃうのかなぁ。うーん。

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2006.02.24

【芝居】「ねこはしる」KAKUTA

2006.2.24 15:00

KAKUTA、星の一年の二つ目。ホンモノのプラネタリウムを使ったリーディング二本立ての一本は朗読シリーズ第一回の時の作品のアンコール上演。ミュージシャン、アルケミストとのコラボで26日まで、まちだ東急百貨店屋上・スターホール。90分。金曜昼なのに満員といってもいいでしょう。

工藤直子の童話、子猫と魚の少し哀しいはなし。

客席に三つのステージ。段差を持つメイン、サブ、楽器機材。一部は桟敷にしての座席配置は正直、どこに座っても死角は致し方ないとはいえ、選ぶなら、メインとサブが見えるあたりでしょう。90分。

童話ですから、あっという意外性なんてことはなく、予想された通りに着地する物語。「証言」する小動物たちを丁寧に描き、場面を綺麗に描きます。歌を挟みながら、洒落た感じの仕上がり。

魚と子猫が最後に対峙するシーン、成清正紀が凛々しく、かっこいい。

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googleにひたってみる。

ちょっとだけ右サイドバーの中身を整理しました。

右上にあった検索窓は、検索結果が別窓で開くようにして、google AdSenseという広告が入るようにしてみました。

右下、ずっと下の方に広告が入るようにしてみます。

お友達関係のリンクをいったんひっこめました。

小銭稼ぎがしたくなったわけではないし(いえ、お金はキライじゃないです)、そもそもときどきamazonのアフィリエイトリンクしてみてもろくにクリック数でお金が入るようなサイトじゃありません。サイトの内容に応じた広告を自動的に選んで載せる、っていうしくみだと聞いて、あたしのサイトはどんな風に解析されるのか見たくなったのですねぇ。ちょっとこれで様子見てみます。あまりにうざったいようならば消したり小さくしたりしますし、大もうけできたら、広告増やします。んなわけないけど。

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2006.02.23

進めるか、転換するか。

月末が近づいてきて、いろいろなことが慌ただしく動いたりしています。最初のトライの先に進む方法をどうしたらいいのか。

本を読んでいます。「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる(amazon)」という本です。web2.0とか、googleとかそういう、ネットの向こう側の人々で起きていることを、こっち側の立場と繋げて解説しています。面白いよ。

さて、週末。金曜日に会社の有休申請してまで、KAKUTA@東急まちだスターホール、「星の一年」の真ん中、星空の下でリーディング。土曜夜にアンクルジャム@王子小劇場、初見ですが、オジさんたちの芝居に若者が居る芝居、ということらしい。演出が渡辺純一郎(無機王)、制作も割と強力で。日曜にZOKKY、ついに最終ステージ。

ポイント@アゴラ劇場(初見)、動物電気@駅前(ずいぶん久しぶり)、ニットイット@サニーサイドシアター(初見)、鈴置洋孝P@サンモール、tsumazuki no ishi@サンモールスタジオ、4本オムニバス。POSTER COVER@MOMO。さて、どれを。

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2006.02.20

【芝居】「ヘブン」テクポポ

2006.2.19 18:00

はぎわらみらい(萩原未来)の個人ユニット。2001年7月ジェルスホール以来の公演らしい。あたしは初見。公演は終了。

同じ名前がつけられた双子の姉妹。いつも一緒だったが、二人は要らないと、妹は出ていく。姉は家から出ないままで、牛乳配達の少年がほのかに憧れている。妹が行き着いた先は、友人が渡米してしまったために引きこもっていた少女の家、同居をはじめ、やがて、少女は自分と入れ替わってほしいといいだす。..

物語のタネとなるのは、名前が同じ双子、二人が別れ、再会することで止まっていた時間が前に進むということなのだろうと思います。この物語を姉・妹二人それぞれを別の話で始め、最後に一つにまとめるという、ずいぶんと大きな物語にしてしまったのだろうと思います。

正直な話、役者のばらつきは大きく、そもそも水準も怪しいところ。意図的な演出、という可能性がないわけではありませんが、効果を生んでいるとはいいづらいところがあります。演出そのものも厳しい評価を下すざるをえません。そこに大きな物語を入れてしまっているために、物語を語り伝えることがそもそも難しいのではないかと思うのです。

幕間に挟まるタイトルのアニメーションは少し素敵な感じです。役者のテンションがカチリとはまる瞬間があった気もします。それが持続できればと思うのです。

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2006.02.19

【芝居】「あいつは泥棒」宝船

2006.2.19 14:30

女優・新井友香の公演ユニット、2回目の公演。漁師町を舞台に伝説の蟹と男女の泥沼。20日まで、駅前劇場。

蟹のあがる港町。一人の女が行き倒れる。漁師のうちに住みはじめるが、小さい頃からの夢を追いかけるように毎日、蟹を食べ続ける。ある日、再び女は倒れ…

じつは結構豪華な役者陣、全体に微妙に下品な(誉め言葉)ところもマル。単にめんどくさい女を描くところに落とさず、町に生まれ育った女、外から来た女や男、漁師たちなど様々の関係。女が蟹を食べ続ける理由も、成就できない愛もちゃんと落とし前つける気持ちよさ。

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【芝居】「桜飛沫」阿佐ヶ谷スパイダース

2006.2.18 19:00

チケットを売れば即日完売、人気の阿佐スパの新作時代劇。過去で繋がった男二人を描く、まるで二本の作品のような二幕、190分(休憩15分)。19日まで、世田谷パブリックシアター。

第一部「蟒蛇如」(うわばみのごとく)、貧しい村と悪徳役人。多すぎる子供は重罪という悪法から民を救うために堕胎と避妊を引き受ける男と若い産婆。男が居なくなってしまうことをおそれる産婆、そんなそぶりは微塵も見せない男。しかし、ある侍の願いが、男の想いに火をつけた。

第二部「桜飛沫」寂れた旅篭町。お尋ね者が拾ってしまった頭の弱い女とその妹。卑怯な男達、隠れている町人たち。大きな桜の下、何かが狂って..

二人の男が緩やかに繋がる二つの話。二人が対峙するほんの一瞬は、第二部の最後の一瞬。この一瞬の風景が実に美しく、この一瞬を作りたくて、この長い話を作った、といわれたら信じてしまいそう。が、世界全体がゆるやかに狂っている(あるいは何か見えない力で狂わされている)という世界なのだけど、どうしてもその中に没入できないアタシなのです。書きたい世界が、どうしても見えてこない感じなのです。

厳しめの感想を抱いてしまった、もうひとつの理由。譲っていただいたチケットはF列。かなり前の方、しかも、どセンター。感謝感謝なのです。しかし、最前列から真っ平らのまま広がってくる、平らな客席の一番後ろ。舞台の上、地面に寝そべったり座ったりする芝居が実に多く、しかもそれは重要なシーンばかり。そのシーンはまったく見えないのです。ほんの少しだけ、桜の木の根もととか、上手奥の草藪のところをかさ上げしてくれるだけでも段違いだと思うのですが、そこに気が回らないということは、この人気があるだけに、演出の限界でないといいな、と思うのですが。

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2006.02.18

【芝居】「賢治島探険記」演劇集団キャラメルボックス

2006.2.16 14:00

サンシャイン劇場など中劇場での1.5ヶ月公演を中心にした劇団の、21年目にして回帰。チャレンジシアターと銘打ったシアターモリエール、10日ほどの公演は結果、プレミアムに。26日まで。

新宿の街角に集まったゼミの学生と教師。あちこちにあるという「(宮沢)賢治島を見つけるのだという…

もとはといえば女優・坂口理恵の企画した、「街角でやる大道芸ような演劇」をめざしたもの。初演のアプルは、それでもそれなりの規模になっていました。はるかに小さな規模での公演は、すくなくともぱっと見には簡素な仕上がりなのです。

宮沢賢治の作品に着想した短編をいくつか、楽器演奏やゲストを交えたライブ感。新人中心とはいえ、中劇場を制圧出来る彼らには、どうということはありません。 なんの不安もなく、安心してみていられます。

ただ、今作に限っていえば、思ったほど作品と劇場の狭さの相性が良くはない気もします。演出で見せる又三郎やセロ弾きはともかく、銀河鉄道などストレートなものは少し弱い気がしてなりません。

もうひとつ、観ているときはぴんとこなかったのですが、劇団の過去公演からのネタを引いているようです。去年は20周年のお祭りということもありますから仕方のないことかと思いましたが、この劇団では「内輪ネタ」は御法度と云ってた気がするのですが、パイが大きくなると違ってきてしまう、のでしょうか。すこし残念です。

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【芝居】「夜の行進」渡辺源四郎商店

2006.2.17 19:00

畑澤聖悟のユニット、ナベゲンの新作旗揚げ。地方、老人、などを散りばめながら肩の力の抜けた見やすく面白い90分。19日までアゴラ劇場。

占い師に相談に来た老人。若い頃に亡くした妻のもとに行きたいと打ち明ける。古い知り合い、というだけではない、想いが。

年かさの役者が二人、芝居を成立させるためのテクニカルな手法がある気がします(イヤホンとかね)。台詞を覚える能力よりも、言葉やたたずまいを優先するのは正しい選択だと思うのです。

ねたばれあります。
以下、実はいったん書いたものを、全面的に書き直しています。終幕の解釈で、まったく反対に理解していたから、です。友人からの指摘は確かにその通り。

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2006.02.16

【芝居】「何かのプレイバック」Hula-Hooper

2006.2.16 19:30

「女にモテる女でありたい。」を標榜し、女優だけで上演するHula-Hooper(フラフーパー)の新作。若草物語を題材にした前回公演の後編となる、はずの一本なのだけど、ずいぶんと思い切った仕上がりになっています。19日まで、OFF OFFシアター。

「若草物語」の次女、ジョーにローリーがプロポーズした後あたりからが今作にあたります。冒頭、役者の地の場面があって、演出が「面白ければいいじゃん」と半分投げやりに始めます。めまぐるしく役を入れ替え、同一人物を二人、三人で演じてみたり、いろいろな場面を点描していきます。ドリカムで統一、トリビュートミュージカルかと見まごうばかりに音楽にあふれた舞台となっています。歌ったり踊ったり、楽しく見られます。

曲も点描される場面も、恋愛や結婚にからむような、どきっとしたりきゅんとしたりする、「ラブシーン3秒前」という感じの場面がめいっぱいに盛り上げられていて、こういうシーンばかりを印象的につなげることで、実に刺激的なのです。女性ばかりなのに、とりたてて男装しているわけでもないのだけど、恋愛の場面の空気を一瞬で作り出し、次々と見せるのです。

反面、若草物語としての物語をちゃんと知らないあたしには、物語がいまひとつわかった気がしないのは惜しいのです。家に戻ってから調べてみると、骨子はちゃんと物語を追いかけていることがわかります。もっとも、若草物語じゃなくてもいいんじゃないか、作家のオリジナルな物語でもいいのではないかとも思います。

歌の使い方は効果的ですが、これほどあふれてしまうと、歌の力に頼ってる面が多く感じるのも事実です。役者の歌は玉石混合なのですが結果的にはそれなりに面白く仕上がっています。OFF OFFシアターの構造で、上手側に死角となってしまう場所があるのですが、客席から見える楽屋、舞台の一部として使っています。話に問題はないのですが、見えないところの会話は多少気になります。

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右にも左にも

仕事してる気がしないのですが、周りの空気が少しだけ動いている気もします。さて、風はどちらに吹くのかなぁ。あっちかなぁ、こっちかなぁ。

人さまから譲っていただいたチケットで土曜日が埋まってしまいました。キャラメルボックス@モリエール、4121年目(←ご指摘感謝。間違ってました)の無茶なプレミアム公演、あたしは立ち会えなかったこの劇団の、この劇場での姿を目撃。阿佐ヶ谷スパイダース@世田谷パブリックシアター、すっごく長いという噂を聞いてるけど、労働者Mが予想外に面白かったので勇気を振りしぼって。

日曜日はどこかに、ZOKKYの二回目を入れたいのだけど、最終17時がなくなったので予定を変更しなくちゃ。

あと二本、何を選ぼう。渡辺源四郎商店@アゴラ劇場(前回)、物語を見せてくれそうな予感、旗揚げの一本。フラフーパー@OFF OFF、前回公演の続編となる、若草物語の後編。テクポポ@Miracle、情報ほとんどないままに、個人ユニットとして。宝船@駅前。La Compagnie A-n@ひつじ座。かしこい僕達@シアターグリーン小。3軒茶屋婦人会@本多。自分支部@リバティ。

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2006.02.14

【芝居】「労働者M」シアターコクーン

200602141900

ケラリーノ・サンドロヴィッチ作演のコクーン2作目。3時間半の上演時間で28日まで。

(A)近未来の収容所、暴力も茶飯事。入所してきた男の企みは。(B)いのちの電話、を隠れ蓑にしたネットワークビジネスの事務所、行方不明の所長、残された職員。(プロローグ)家族についての記憶

後ろの席だったのです。広い舞台。遠いなあと思って見はじめてました。二つの物語は交わることなく進みます。場面場面はわかりやすく完成度が高く作られています。が、それでもどんな話だったかを説明しづらいのです。  豪華な役者、シアターコクーン、前売りは即日完売。いわゆる芸能人も出演というプレミアムな舞台。それなのに、このわかりにくさというか、不親切さが逆に新鮮。ただ、一般的な評価はきっと散々だろうとも思います。

そこに何かの主張が含まれているのかどうか、よくわかりません。有料のパンフレットの頭に、ケラリーノサンドロヴィッチは「事件が起こることも起こらないことも、笑えることも笑えないことも、全部を平均的に散りばめたい」と書いています。延々と何も起こらないような舞台に強く惹かれる、ともあります。

それなのに、あたしの気持ちは上演しているあいだ、ずっと沸き立つのです。全体で何が言いたいかはさっぱりわからないのに、舞台はそれこそ食い入るように見ているあたしが居るのです。これはなにゆえなのか、自分でもよくわからないのですが。ただ、この空気感、あたしにとっては「消失」(2004.12/ナイロン100℃)に近いものと感じられてなりません。ものがたりに主張が感じられたかどうかという点ではずいぶん異なる気もしますが。

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2006.02.12

【芝居】「六日の菖蒲、十日の菊」壺会

2006.2.12 18:00

内海詩野・高橋朋子率いる、壺会の新作。高橋朋子の作による、遺産と姉妹とオカマたちの、実は人情喜劇ですが突き詰めればなかなか。12日までのdie_pratzeでの公演は終了。

世界一の悪女が残した遺産が託されのは幼い頃から生き別れになった姉妹。彼女たちに遺産が渡るためは故人が指定した人々に承認を得るのが条件だった。向かった姉妹を待っていたのは、オカマだけで一つ家に同居している、故人の友人だった。

賑やかでコミカル、時に泣かせる話。リアル、などではまったくない、お話オハナシした登場人物たち。多くのオカマをステロタイプに「言動が派手で人情に厚く、しかし女同志にはサッパリさ」と描いています。単純化し、とことん突き詰めてコミカルを貫いた結果、賑やかさが際立ち、楽しめる一本に仕上がっています。泣きの要素はアタシにはピンと来なかったけれど、客席からは泣きの空気も

コミカルを引っ張り、全体のリズムを作っていた一番の功労者は間違いなく園田真治に与えられるべきでしょう。他の役者が背負った物語を観客に伝える下地をきちんと。内海詩野の安定、内海絢の爛漫。

ネタバレになりますが、遺産を高価な香水として、蒸発してしまったものとしたあたりは巧い感じ。終幕の別れのシーンは蛇足な感じもしますが、「二度と来るな、世界の不幸を背負えるほど、背中は広くないのだから」つうイイ台詞がこのシーンにあって、なかなか難しいところ。

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【芝居】「よいことわるいこと」うさぎ庵

2006.2.12 15:00

青年団リンクのひとつ、工藤千夏率いる「うさぎ庵」の新作。生と死のまわりに漂う「よいことわるいこと」の点描が印象的な70分。15日までアトリエ春風舎。

ペット一緒に埋葬できることが売りの墓地を見学に来た中年の女性と販売担当者の会話、ホスピスの患者と医者などの会話の二つを行き来。生死を巡る生々しいことや想いがないまぜに描かれていく見応え。正直、終幕の着地点があたしにはいまひとつピンとこない感じもするのですが、結構満足なのです。

ゴム紐で囲われた矩形の舞台、囲むように客席。どこが正面ということもないように作られているようです。あたしは劇場奥、二段席前から。

日曜昼の回は突発的な道路工事とかで、さすがに地下の劇場には影響大ですが、終演後に別の回への招待を案内する対応は臨機応変で特筆すべきものだとおもいます。

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【芝居】「イロいろ」B-Factory

2006.2.11 19:00

慶応SFC(湘南藤沢キャンパス)の4年生、卒業を間近に控えた二人・三木佳世子、金川慧子の学内ユニット、おそらく最初で最後の公演。二人がそれぞれの道を歩んでいく分岐点となる一瞬。12日までSTスポット。

小さい頃からずっと一緒に住んできた四人姉妹。もちろん仲はいいけど、お姉さんらしくに縛られたり、友達が居なかったり、姉が幼く見えたりと、それぞれに抱えているものや諦めているもの。あるひ、そこにもたらされた一つの「事実」が関係に与える影響は...

約90分。かなりファンシーな印象で始まりながら、四人それぞれのキャラクタを描いていくうちに浮かび上がる想いや関係。考えようによってはえらくハードな話なのですが、登場人物たちが嘆くほどには深刻な印象を与えない感じもします。現実味が薄いと感じてしまうからかも知れません。

中央にバスタブ、四つの白い箱、STスポット固有の白い壁。ダンスやコミカルな場面を交えながら、素敵な場面を作り出したり、可愛らしい空間を作り出したりしています。四人に与えられた色(緑・青・黄・桃)を衣装や照明にちりばめながらみせていくのも洒落た演出と云えます。

関係を確認しながら結束した4人、しかしそれでも分かれていくというのは、ずっとそこに居続けることが出来ないと感じている、卒業間近ゆえに今しか書けない視点。あるいは一生一つところだけに居続けられないと感じる女性故の視点という感じがしてなりません。だから、物語としてはハッピーエンドのようでいてそうでもないし、主張が一貫してないといえばそうなのだけど、その視点自体は自然なものなのではないか、と想ったりもします。(ホントのところはわかりませんが。)

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2006.02.11

【芝居】「龍を撫でた男」横浜リーディングコレクション(Cプロ)

2006.2.11 16:00

リーディング3本シリーズ、90分。

静かに暮らす医者の家、正月。微妙な騒がしさと静けさ、見知った客たちの会話からみえてくるそれぞれの過去。

他の2本に比べると少々長めの90分。もとの本を意識的に誤読、組み替えをしているようです。特に序盤は「ト書きちゃん」のフォローがあるとはいえ、最初から入れ替えが起こっており、少々戸惑います。同情すべき点もあって、これまともにやると3時間半ぐらいかかる代物なのだそうで、それを削りに削って再構成してるのだといいます。

中盤あたりで透け見えてくる関係から断然面白くなってきます。男二人、女二人それぞれの確執のパワーバランスは面白く、コメディですらあるのです。

役者の圧倒的な力。山の手事情社、ク・ナウカといえば身体能力の重視という印象がありますが、そこからの客演の二人、身体の力を使いながらも、その見せ方はあくまでもさりげなく、かっこいいなあ、と思うのです。

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【芝居】「堅塁奪取」横浜リーディングコレクション(Bプロ)

2006.2.11 13:00

福田恒存を題材に3本のリーディング企画のBプロ。ヒンドゥー五千回の扇田拓也の演出で、3人しか登場しないほぼ二人芝居を10人以上の出演で。12日まで、相鉄本多劇場。

作家の家を訪ねてきた一人の見知らぬ男。何かの望みがあるのかないのか、要領を得ない会話を重ねるうちに…。 舞台奥に貼られた紙、ハの字に置かれた舞台上の椅子に集まってくる人々。やがて始まる、リーディングっぽい舞台。

リーディングをしている舞台を多重構造にして見せる趣向。たくさんの人物それぞれの背景らしいものが見え隠れしたりしますが、そこに深入りせずに軸で見せる後半は、見応えがあります。 しかも、おそらくは原文をほぼいじることなく、成立させてるのはたいしたものだ、と思うのです。

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見つかりました。[譲ります] 労働者M、13日19時

ありがとうございました。なんとか見ていただける方、見つかりました。

「労働者M」の月曜日(2/13(月))分を、急に余らせてしまいました。
ご覧になっていただける方は居ませんでしょうか。

■ 2/13(月) 19:00 開演 労働者M T列20番台 ¥9000

わたしも見る予定(隣)ですので、当日開演前に劇場前で手渡し、ということになるかと思います。焦って他でも探しておりますので、先に他の方決まってしまったら、ごめんなさい。 ページ右下の[メール送信]からお知らせください。

公演詳細→ http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/event/kera/index.html

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2006.02.08

【芝居】「わが母とはたれぞ」横浜リーディングコレクション(Aプロ)

2006.2.8 19:30

福田恒存の作品三本を三人の演出家がリーディング上演する企画。Aプロは、横浜の劇団、スタジオソルトの椎名泉水の演出で、手を焼かせられる母親に対する息子の想いの50分。12日まで相鉄本多劇場。

三本の中では一番短く、もとのホンをいじってないのだといいます。嫁姑やら同居やら、今に繋がる話題を淡々と、しかし深刻になりすぎない程度に軽く仕上げています。

軸となる夫婦と母(姑)のバランスがよく、夫の優しく微妙に優柔不断な感じ、妻の健気で明るい感じ、母のワガママでしかしどこかコミカルな感じがいい結果になっています。

舞台に立っている板を使った演出は、理解を助けるのと、見た目の面白さもあって効果的です。初日らしく少々のミスあっても大した問題ではありません。

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2006.02.07

風邪ふたたび

先月のインフルエンザに続き、中途半端な発熱とどうにも気持ち悪い感じで会社休み。ほぼ一日寝て過ごして、夕方になって起き出してかかりつけに。案の定、「おなかの風邪」ってやつで、毎年必ずかかるなぁ。おなか空かない感じになるのが症状なんですよねぇ。帰りに買ってきた持ち帰り弁当がまた外れ(焼肉弁当の肉、電子レンジで温めるなよなぁ。)熱は一段落してるみたいだけど、明日は大丈夫かなぁ、どうかなぁ。

今週末は横浜が注目。横浜リーディングコレクション@相鉄本多劇場、 福田恆存の3作品を椎名泉水(studio salt)、扇田拓也(ヒンドゥー五千回)、矢野靖人(shelf)が交互上演する試み、リーディングとはいいながら、単に読むだけじゃないみたいですが。B-Factory@STスポット、慶応SFC出身のユニット、去年の「なぎさにゆこう」出演の三木佳世子さんの作演で。壺会@神楽坂die pratze、うさぎ庵@春風舎、久しぶりの気がする山村崇子さんに注目で。

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2006.02.05

【芝居】「ルームメイト」SmartDrugs

200602051800

女性ばかり、いくつかの劇団から集まった上演ユニット(→前回)の最新公演は、座・キューピーマジックの田窪一世の作品(2002.4初演)を原作に。最近の邦画にうまくマッチしそうな作品だと思います。公演は終了。

マンションの一部屋をシェアする女同志の親友。失恋話で盛り上がる夜、突然現れる幽霊たち。それぞれ思い恨みゆえに成仏できない幽霊たちが集まる。何か特殊な力が働いていて集まるのだという。翌日夜、帰宅したルームメイトは元気なく、一本の電話のあと、思いつめたように飛び出していく…また、止められない。

あたしはキューピー未見なのですが、女性だけにキャストを絞るなどの改訂を入れているよう。初演時の写真を見ると、演出の基本的な方向は初演を継承しているのだろうと思います。

ネタバレあり

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【芝居】「ZOKKYシークレットライブ」ZOKKY

2006.2.5 17:00

覗き穴から小部屋を覗くと広がる短編芝居の専門ユニット、ZOKKYのメンバーたちのCDデビューを記念した演劇+ライブ。CDの購入特典で開催。2月の毎週日曜日午後、ゴールデン街のメイドバー、雪月華

市民権得たとはいえ、あたしは未体験な萌えビジネスの一端。女優たちを至近距離(なんせ公称3cmだ)で観るのはドキドキだけど、よく考えたら、向こうからもコッチの目は見えるわけで。

芝居(メイド・淫・USA)金持ち男に群がる女たちの姿。あさましく、しかし明確な基準。最近のネタも微妙に取り入れ、脳内とろかすような、眼福。

ライブ(「セックスと嘘とビデオテープ」)。デビューシングルのカップリング曲。歌は普通にいい感じで。でもバーカウンターの向こう側、あまりに近い(プリズム@レインボーよりこじんまりだ)のでかえって緊張しますが。覗き見を徹底するために名刺大の紙に穴が開いたものを配って、そこから見ろ、と。でも、近すぎて一度に全員視界に入らないのが惜しい。

芝居としての物語をどうこうするのは野暮というもの、見た目で楽しむのか、吉。

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【芝居】「ヒッキー・カンクーン・エンゲキリョウホウ」ハイバイ

2006.2.5 14:00

会話劇の評判上昇中、らしいハイバイ。数年前の、引きこもり題材の再演。5日17時半に追加公演で終了。

ネタバレあり

引きこもりの兄を治療するための「出張お兄さん」がやって来て、打ち解けはするが、うまくいかない。次に現れた「出張お姉さん」は、見事解決したかに見えたが…

第二幕、それから1年後。出張お姉さんだった女がやっているのは演劇することによって克服する療法のセミナーというかワークショップ。芝居の演出をしている、というのも実は台本があって…

二幕目の繰り返しリカーシブはやがてどちらが正常なのか、というメタ芝居らしい展開に。もし予備知識を持たずにみたら、鳥肌モノだったろうとも思いますが、評判聞かなかったら、無理をしていかなかっただろうとも思うので難しいところではあります。

それでもこの構造を破綻させずにみせる確かな力なのだと思います。題材に時代を感じないこともないのですが、会話の体温の低さなど巧いなあと思うのです。

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【芝居】「ラブハンドル」パルコ+サードステージ

2006.2.4 19:00

中谷まゆみ+板垣恭一の組み合わせ、心の奥深くにしみいるような物語が特性です。芝居は見応えのある2時間40分(休憩15分)。中年にさしかかった微妙な年頃(=ラブハンドルが気になる)の人々の恋愛ものがたり。もう少し絞ってほしい気もします。20日までパルコ劇場。そのあと、仙台、愛知、大阪、福岡。

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2006.02.04

【芝居】「待つ」RoMT

2006.2.4 16:00

青年団リンクの一つ、RoMTの第二回公演は約十年前の鈴江俊郎の作品を二本交互上演する企画。9日までアトリエ春風舎。

二十歳なかばの女の一人暮らしの部屋。コタツしか暖房のない質素な部屋。誰かを待つような期待してないようなところに会社の先輩やら係長やらが来訪して。

鈴木智香子演じる、派手なところなど何もないような女から明かされれるあれやこれ。健康的なようなインモラルなような色気に奪われる視線の先に、なぜか見えてくる、どうしようもない孤独な感じがあたしに刺さるのです。実際のところ、たくさんのヒトが出入りするから単に寂しく待ってるわけではなくて、でも何かを待ってる気持ち。たむらみずほ演じる色気たっぷりなのだけど、どこか空虚な女も魅力的。

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【芝居】「あしたのニュース」ラッパ屋

2006.2.3 19:30

安定した人情喜劇が持ち味のラッパ屋、1年以上あいだが空いての新作は少し持ち味変えていながら、しかし気楽に、完成度高く。5日までTHEATER/TOPS。

地方都市、鳥手市の地方新聞社の裏手の豆腐屋。いい水を生かしてビール工場を誘致しようとしている市の意向は新聞どころか、実直な商店にまで

地方都市を舞台にしながら、どこちにでもあるシガラミ。笑い織り混ぜながら、実は何かに対する戸惑いや怒りが勝ったホンというきがします。

役者の圧倒的な力で芝居としては確かに楽しめます。脚本に問題があるわけでもないのです。

登場人物の誰もが、私腹を肥やすでもなく、よくあれと思ってのあれこれ、相談役ですら。でも、細かいことを見逃していくことが、あとになってこんなことになるとは。

閉塞したところから何か飛び出すために、あるいは一緒に暮らしていくための対等を手に入れるための努力を責めるのは簡単なのだけど、やはり生きているのはヒト。対等にコダワルのは、男が低く女が出来ることが白日のもとに晒される昨今ゆえに成立する構図なのです。

あたしにとってのラッパ屋は、情けない自分が、女の色香に迷うだらしなさ。あるいは小金を稼ぎたくなる自分の気持ちという、「個人にとっての」気持ちの動き。本作はそれにとどまらず、その地方やコミュニティにとっての利益のための人々。この構図になると、それに戦う側は絶対的な正義ってのができちゃうのです。自分の置き位置をどこにして見続けるか、のポジションが取りづらい気が、したりするのですが、あたしは。

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2006.02.02

あれれれ。

そのまま歩けばいいかと思っていたら、なかなかそうもいかないわけですが。落とし穴というか、向こうからやってくるあれとこれをどうやって。

土曜夜にラブハンドル@PARCOを予約。日曜昼夜の間にZOKKY@雪月華、これ芝居じゃなくてイベントですが。つか、いいのか、これに行って>あたし。(会社の人とかみてるのに。もー。)

もしかして、このまま見逃しちゃうのか、ラッパ屋@TOPS。カナリア派@ザムザ、アングラ演劇の範疇だけど、綺麗なところそうでないところが入り交じる。青年団リンク@春風舎、鈴江俊郎の作を2本上演する企画、あたしノーチェックのままでしたが、評判もよく。アンチ☆ヒール隊@リバティ、未見だけど劇団名のインパクト。

観てるモノ、観てないものあれこれ。ひげ太夫@麻布die pratze。野鳩@タイニイアリス。花歌マジックトラベラー@OFF OFF、青い鳥@スパイラル。トムプロジェクト@本多。ホチキス@ポケット。SmartDrugs@パンプルムス。Rock'nRoll Classic@アルシェ。

んー。やり過ごしますか。これ。

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