【芝居】「何かのプレイバック」Hula-Hooper
2006.2.16 19:30
「女にモテる女でありたい。」を標榜し、女優だけで上演するHula-Hooper(フラフーパー)の新作。若草物語を題材にした前回公演の後編となる、はずの一本なのだけど、ずいぶんと思い切った仕上がりになっています。19日まで、OFF OFFシアター。
「若草物語」の次女、ジョーにローリーがプロポーズした後あたりからが今作にあたります。冒頭、役者の地の場面があって、演出が「面白ければいいじゃん」と半分投げやりに始めます。めまぐるしく役を入れ替え、同一人物を二人、三人で演じてみたり、いろいろな場面を点描していきます。ドリカムで統一、トリビュートミュージカルかと見まごうばかりに音楽にあふれた舞台となっています。歌ったり踊ったり、楽しく見られます。
曲も点描される場面も、恋愛や結婚にからむような、どきっとしたりきゅんとしたりする、「ラブシーン3秒前」という感じの場面がめいっぱいに盛り上げられていて、こういうシーンばかりを印象的につなげることで、実に刺激的なのです。女性ばかりなのに、とりたてて男装しているわけでもないのだけど、恋愛の場面の空気を一瞬で作り出し、次々と見せるのです。
反面、若草物語としての物語をちゃんと知らないあたしには、物語がいまひとつわかった気がしないのは惜しいのです。家に戻ってから調べてみると、骨子はちゃんと物語を追いかけていることがわかります。もっとも、若草物語じゃなくてもいいんじゃないか、作家のオリジナルな物語でもいいのではないかとも思います。
歌の使い方は効果的ですが、これほどあふれてしまうと、歌の力に頼ってる面が多く感じるのも事実です。役者の歌は玉石混合なのですが結果的にはそれなりに面白く仕上がっています。OFF OFFシアターの構造で、上手側に死角となってしまう場所があるのですが、客席から見える楽屋、舞台の一部として使っています。話に問題はないのですが、見えないところの会話は多少気になります。
Hula-Hooper「何かのプレイバック」
2006.2.15 - 2.19 OFF OFFシアター
作・演出 菊川朝子
出演 梅澤和美 上枝鞠生(浅木政枝) 菊川朝子(以上、Hula-Hooper) 平川道子 田口愛 宮本奈津美 山口奈緒子(明日図鑑)/吉田麻起子(双数姉妹)
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