【芝居】「ハワイで農園」あひるなんちゃら
2006.1.15 19:00
コント、を軸足に置きつつどこか芝居的な「あひるなんちゃら」の新作、静かな、しかし奥底では「オカシミ」が味わい深いのです。強い風強い雨の中でも程よく埋まる客席は注目ゆえかとも思いつつ。 15日(3回公演)まで、中野テルプシコール。
田んぼの真ん中で向かい合う男女、久しぶりに会う人やら実家が大変なことに。
ここ数作でストーリーに寄っていた流れに比べると「瞬間のオカシさ」とでもいう掛け合い。 作家の怠慢では決してないのだけど、役者にかかる負担は相当のものだと想像します(3回あるし)。大爆笑の場面はひとつとしてないのだけれど、クスクスとする重奏低音は、作演と作家が作り出す空間なのです。あるいは久しぶりに会った同級生への醒めたものの見方、言い方などはともかく、心で思ったことを言葉に出すおかしさ。
観客の立場を基準としたニュートラルに位置するポジションから、突っ込みとしてゆるぎない黒岩美佳。醒めた感じのする表情や顔の造作がその役割をより強固にします。あるいは、風体に頼ることなく、しかし可笑しい人を演じた大塚秀記が印象的。ですが、この二人に限らず実は役者集団で、結構芸達者。
作家は男性だし笑いを主軸なのが基本なのです。それなのに、どこかありそうな、「あんまり仲良くなかったオンナノコの同窓生の会話」をきちんと再現するのは、意図したものなら、その観察の視点の鋭さと、少々の悪意が頼もしいのです。
あひるなんちゃら「ハワイで農園」
2006.1.13 - 1.15 中野テルプシコール
作 関村俊介
出演 黒岩三佳 根津茂尚 伯美乃里 大塚秀記(つよしとひでき(trf)) 生見司織(本田ライダーズ) 和田良 植松久恵
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