【芝居】「明日からは粉がある」むっちりみえっぱり
200601281500
女性ばかり、ナンセンスというよりシュールに過ぎる微妙な作風が一部小劇場好きに絶賛されながらも、フェードアウトしたかと思われていた、「伝説の劇団」、むっちりみえっぱりの新作。シュール全開のむっちり節堪能の90分。29日まで、アトリエヘリコプター。会場は廃工場2階、満員の土曜昼でも半端なく寒いので対策を。
【ネタバレあり】
クラシックの流れる喫茶店(名曲喫茶か、もしかして)、休憩を取りに階下のパン屋の女たち。他愛ない噂話とか。やがて起こる、和田都美子の波乱にみちた人生や、コケシとの抗争や恋物語のことはまだ誰も知らない。
夢オチにするんじゃないかと思うほど、あまりに奔放でとりとめのない話。苦笑に近い気もしますが、それでも楽しめてしまうのです。ストーリーをつむぐことよりも、その瞬発力が楽しかったり。
ロハス、やらホワイトバンドやらさまざまに会話に登場しそうま単語をちりばめた会話。とにかく喋る人々の話なのです。やがてそこから浮かび上がるのは、「女性たちが会話で紡いでいるのは『関係』なのだ」(や、これもずいぶんと乱暴な言い方ですが)ということのような気がします。男性もこの劇団にしては珍しく出てきたりしますが、あこがれの対象や、職場で頼りになるというようなポジションでの描かれ方で、その輪の中にいる感じはしません。
男をめぐるあれこれのパワーバランス、理不尽とも思えるような1Fと2Fの抗争、それなのに意味があるとは思えない一言でくるりと変わってしまうようなところがあって凄いのです。そもそも、会話もそれほど意味があるとは思えないのですが。芝居でしかなし得ないように思います。
むっちりみえっぱり「明日からは粉がある」
2006.1.28 - 1.29 アトリエヘリコプター
作・演出 むっちりみえっぱり
出演 江川瑠衣 古谷充子 山本由佳 吉田麻生 加藤英一(FMG) 黒田大輔(THE SHAMPOO HAT) 望月志津子(五反田団) 中川幸子(五反田団)
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