【芝居】「突端の妖女」boku-makuhari
2006.1.22 20:00
青年団の俳優、岩崎裕司のボクマクハリの新作。緩やかで妙な同居人たちの話。喫茶ヴィオロンでの公演は終了。
高い煙突以外には何もない田舎の町。7年ぶりに帰ってきた姉。実家には弟やその舎弟、かつての後輩やプチ家出の女子高生、いろいろが居候していた。
110分の上演時間、狭い空間はともかく予約が遅れたあたしは立ち見だった、というのはいいわけで実は結構込み入った話という気もします。小劇場系さんのレビューを参考に、補完しつつ。
男×男、女×女が交錯する同性愛の人々。半ば公然とはしながらも、それを周知のものとはしていない、微妙な温度感が逆にリアルを生みます。軸となるのは姉弟。姉は7年ぶりの帰郷、高校の時代の部活での後輩だが実はただならぬ関係があったり。弟は舎弟と同居しているが、こちらもただならぬ、現在進行形。彼らの外側にはぶっとんだ女子高生が居たりします。ヘテロセクシャルな男たち(高校教師、若頭)は、この世界では屈折しきったものと描かれ、愛を語ることすら満足にできません。反面、ホモセクシャルな人々は、じつにあけすけで、普通に愛を享受しているように見えます。アタシからみれば歪んだ世界なのだけど、この世界観は面白いなと思います。
登場人物の誰かが実在ではない、という感覚を観劇中に覚えたのですが、今となってはそれが誰だったのか。思い起こしてみれば女子高生の彼女だった気もするのですが、物語の上ではそんなこともなく。あれなどういう感覚だったのかと、思ったりして。
姉、先輩、女子高生の3人の女優が奔放である意味眼福。とくに女子高生(本田怜麻)の奔放な感じは、脚本で与えられた役どころと、女優そのものの見た目(舌に見えたあれはピアス?)のインパクトが相乗して印象に残ります。アタシからみれば眼福とは言いづらいですが、男優たちの奇妙なテンションも、じつは凄いと思うのです。
力のある脚本だと思います。この狭い空間ゆえの力もありますが、もっと広い空間でも世界を作り出せる気がします。(つか、座ってもいっかい見たい、というだけかもしれませんが)
boku-makuhari05「突端の妖女」
2006.1.9 - 1.22 名曲喫茶 ヴィオロン
作・演出 岩崎裕司
出演 青山麻紀子 笠木泉 本田怜奈 柳沢茂樹 西山竜一 佐藤幾優 高屋七海 稲見隆洋
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コメント
あら、すごいコメントがついたと思ってたのに。
ごめんよ座って2回も観ちゃって>boku-makuhari。ちゃんと角度変えて観たよ(^^;。戯曲も買ったしカンペキ。(何が?)
投稿: あれ | 2006.01.23 16:58
あれさん、コメントありがとございます。
コメントスパムとして判断して削除したコメントの件ですね。うーん、確かに芝居が芝居ですからそうなのかなぁと思わないことも無いのですが、芝居に言及してないので、失礼して、削除してしまいましたです。
二回もご覧になりましたか。たしかに死角のけっこうある舞台でしたよねぇ。あんなに小さい舞台なのに。
投稿: かわひ_ | 2006.01.23 22:54