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2006.01.22

【芝居】「ビューティフルドリーマー」10x50kingdom

2006.1.21 19:00

じんのひろあき率いる10x50Kingdom、十年ぶりの新作群集劇は、高揚感と不安が同居する「文化祭前夜」のあの時間が、延々と続く舞台。押井守の原作(つまり、「うる星やつら」の映画版「ビューティフルドリーマー」)を引き受けながらも、「うる星」のキャラクターを一切排して、ものがたりのエッセンスで作り上げたものがたり。24日までシアターグリーン・メインホール。

大安高校の文化祭前夜。度重なる時間延長の末、最終退出時刻15分前の校内。センセイは大声で退出を命じ、実行委員は展示のチェックに余念がない。お化け屋敷をやろうとしている二つの隣り合うクラス。どうしても満足のいく出来にならなかったりして、どうしても時間が足りない。いろんな準備がばたばたする中、誰かが気づく。ずっと9時15分のままだということに。

「デビルマン」にデビルマンを出さない傑作群集劇として作り上げた手法が存分に。とはいいながら、本作については、物語の流れとしてはより原作に近くなっています。あるいみそのまま、といってもエッセンスの部分では間違いではない気がします。

シアターグリーンのメインホールは初めて入ったのですが、規模は小さいものの、構造は本多劇場によく似ています。ただし、役者すべてがこの広さに追いつけているわけではなく、イキオイ、絶叫調の芝居になりがちで聞いていて疲れる感じはします。また、文化祭前夜の混乱と高揚を表現するために教室二つというのは、芝居ゆえの制限とはいえ、少々厳しいのも事実です。が、そこを受け入れれば、SFの入ったこの物語の語らんとするピュアな気持ちは実にすっと、染みこんでくる気がします。

まっすぐな気持ちゆえのけんかも含めて、ピュアでまっすぐ、恥ずかしいほど。絶叫調、正面向きの芝居というのは、よく言われるように「古くさい」演出に見えてしまうのですが、演出家が何の自覚もなくそれをやってるはずもなく、何かの戦略か、あるいは何かによってそうせざるを得ない事情か。後者じゃないかと、あたしは邪推するのですが。

10x50 kingdom「ビューティフルドリーマー」
2006.1.19 - 1.24 シアターグリーン メインホール
原作 押井守  作・演出 じんのひろあき
出演 坪井一広 塚本拓弥
岡本広毅 保倉大朔(アンクルジャム)
尾乃塚隆(Office XYZ) 宇佐美雅司(Amrita Peace) 中村良平 吉田潔 中嶋ベン(劇団だるま座) 松下貞治 菊地智春(NASH FILM)
アライタカシ
今藤洋子(回転OZORA)
野中希 大島紘子 小松愛(少年社中) 尾形宏美 三浦ノン(三浦のりこ 改め)
岩田智美 水沢恵美 加藤和彦 町田知華子 木本悦也(カプセル兵団) 周晴奈(カプセル兵団) 市坪明子

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