【芝居】「雄向葵」乞局
2005.12.29 14:00
人間の気持ち悪さを巧みに描く乞局(こつぼね)の新作。前回の「耽餌」の戯曲が「かながわ戯曲賞」の佳作入賞という絶妙のタイミングで31日まで王子小劇場。今年は小劇場の年末公演少ない気がするのは気のせいですかそうですか。
架空の古都、建築や住人の移動が厳しく規制された保存都市。古い料亭、体調の優れない女将に代わり切り盛りする若い従業員たち、観光客、追ってくる女。従業員には秘密があって、隠し通したまま日々は過ぎてきたが。
喪服で行くと割引など、気持ち悪さ、座りの悪さを売りにしている劇団だけあって、すっきりしなさ炸裂。差別観や周囲の見えなさ加減、奇妙に形づくられた世界がの気持ち悪く。
語り口巧く、こんな無茶な世界や関係を納得させるだけの力。反面、世界の中で動く話は今回少し薄めで、物語を期待すると、少し肩透かしな感じも。
半面、店の中のごく限られた人々を通し、この世界を描いていく過程は実に刺激的で、(話の中身に反して)わくわくする体験なのです。
乞局 「雄向葵」(オマワリ)
2005.12.28 - 12.31 王子小劇場
作・演出 下西啓正
出演 青木宏幸(スロウライダー) 秋吉孝倫 小島フェニックス 佐野陽一 下西啓正 三橋良平
五十嵐操 石井汐 鈴木亨 二宮アカリ(アンチ☆ヒール隊) 古川祐子
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「朝日のような夕日をつれて 2024」サードステージ(2024.09.08)
- 【芝居】「雑種 小夜の月」あやめ十八番(2024.09.01)
- 【芝居】「ミセスフィクションズのファッションウイーク」Mrs.fictions(2024.08.30)
- 【芝居】「氷は溶けるのか、解けるのか」螺旋階段(2024.08.27)
- 【芝居】「BIRTHDAY」本多劇場グループ(2024.08.20)
コメント