« 38歳 | トップページ | 【芝居】「大正八年永田町」パラドックス定数 »

2005.11.12

【芝居】「俺の屍を越えていけ」渡辺源四郎商店

2005.11.12 14:00

元弘前劇場の畑澤聖悟のユニット・渡辺源四郎商店(ナベゲン)、開店準備公演。弘前劇場の初演、地方ラジオ局での管理職リストラ候補を一人選ぶ若手社員6人のほぼ密室劇だが笑いも多く。13日まで春風舎。土曜のみ、熊本劇作家大会向けに手直しした短編リーディングも。

リストラのために、辞めさせる管理職一人を選ぶ特命の秘密会議に集められた6人の若手・中堅たち。顔も見知ったなかから選ぶ会議は進まない。

仕事に対する若い想いをベースに、厳しい現実を重ね合わせることで奥行のある話に。地方局というシチュエーションも、顔見知りゆえの狭さ感を意識させます。初演も見ているはずなのですが、あたしの関心は組織のあり方、みたいな方に向かっていて、自分が歳を重ねたことを実感するのです。若いラジオディレクター(D)の仕事への想いと閉塞感のようなものもずっしりと堪えます。

リーディングの方は青年団の中堅役者ゆえ、若手に見えない弱点(が、根本江理子のキュートさはどうだ。女優は怖い)あれど違い楽しむのも吉。リーディングというよりは立ち稽古的にすこしの動きや表情つけたり。短編ゆえに、いくつかの枝葉を切り捨てています。そのため、人物の順位というかバランスオブパワーが入れ替わっていく醍醐味や、若いディレクターの想いを中心とした、仕事への情熱のようなところが薄まっている感じはしますが、濃縮感はあります。「左門」を登場させたのは、「熊本 」のご当地ネタ、というのは、リーディング後のアフタートークでの話題でした。

渡辺源四郎商店開店準備公演「俺の屍(かばね)を越えていけ」
2005.11.4 - 11.6 青森 空間実験室
2005.11.11 - 11.13 アトリエ春風舎
作・演出 畑澤聖悟
出演 佐藤誠 萱森由介 森内美由紀 工藤由佳子 高坂明生 工藤静香(劇団夢遊病社)
青年団若手自主企画26「俺の屍(かばね)を越えていけ」短編バージョン+アフタートーク
2005.11.12 アトリエ春風舎
作 畑澤聖悟   演出 工藤千夏(青年団演出部)
出演 根本江理子 永井秀樹 天明留理子 川隅奈保子 古舘寛治 増田理(バズノーツ)
 (※古舘寛治の「舘」は「舎」へんに「官」)

|

« 38歳 | トップページ | 【芝居】「大正八年永田町」パラドックス定数 »

演劇・芝居」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【芝居】「俺の屍を越えていけ」渡辺源四郎商店:

« 38歳 | トップページ | 【芝居】「大正八年永田町」パラドックス定数 »