【芝居】「オセロー」ク・ナウカ
2005.11.6 19:00
古今東西の物語を、様式に載せて舞台にするク・ナウカの新作。シェイクスピアの「オセロ」を能形式(夢幻能)で。上野の東京国立博物館東洋館の裏、日本庭園にしつらえた特設能舞台で。13日まで。
不勉強なので、「複式夢幻能」ってのが形式を表してるってことがわからなかったのですが、前場と後場に別れ、亡霊の姿、あるいは夢の中に現れるという形式なのだそうです。確かにその形式に従った様式になっています。一時期は固執していた、スピーカーとムーバーに分かれる言動分離は残ってはいるものの、言動一致が主になっていてる感じすらします。字幕の効果と合わさって、見やすくなっています。
何より、場所がとてもいいのです。静かで緑深い場所。参入障壁は高く、誰でも芝居が打てる場所ではないと思いますが、積み重ねのチカラだと思うのです。
6日夜はかなりの大雨。大きなテントがしつらえてあるので観客は(最前列=ユース席以外)ほとんどぬれることはありません。舞台は野ざらしですので、正直な話、激しい雨音で満点のできとは行かない気もします。なにより滑りそうな能舞台、勝手に見てて怖がるあたしです。が、野外劇のノウハウ十分、この大雨での公演のノウハウとしてはかなりあるのではないかと思います。(おもえば湯島とかどこかの庭園とか、クナウカの野外劇にとことん雨になってしまうな、あたし)
天候によらず、防寒対策を十分に。毛布と懐炉は配られますが、特に足下を暖かくすることが必要です。水辺ということ、イントレでくまれた客席は風が通りますので、かなりの冷え込みです。
ク・ナウカ「オセロー」
2005.11.1 - 11.13 東京国立博物館 日本庭園 特設能舞台(野外公演)
原作 シェイクスピア 謡曲台本 平川祐弘 演出 宮城聰 間狂言 小田島雄志訳ニヨル
出演 美加理 阿部一徳 吉植荘一郎 中野真希 大高浩一 寺内亜矢子 本多麻紀 片岡佐知子 鈴木陽代 加藤幸夫 たきいみき 大道無門優也 布施安寿香 池田真紀子 杉山夏美 高澤理恵
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「静流、白むまで行け」かるがも団地(2023.11.25)
- 【芝居】「〜マジカル♡びっくり♧どっきり♢ミステリー♤ツアー〜」麦の会(2023.11.25)
- 【芝居】「未開の議場 2023」萩島商店街青年部(2023.11.19)
- 【芝居】「夜明け前」オフィスリコ(2023.11.19)
- 【芝居】「好男子の行方」オフィスリコ(2023.11.12)
コメント
うわ、昨日行ってらしたんですか。
かなり激しく降ってたので気になってたのですよ。囃子方の上は屋根あったけど、舞台まるごとズブ濡れだったってことですよね。ひぇ~~
(地謡の衣装はもしや雨対策兼用だったのだろうか?)
本舞台も人数のわりに小ぶりだからあぶなそうですけど、なんと言ってもあの橋掛かりでのあの動き。ただでさえ狭くてドキドキしながら観てたのに、雨でつるつるかと想像するのも恐ろしいですわ。衣装もぐっしょり重くなっちゃって更にバランス取り難そうだもんねぇ。
悪天候なんてのは当然予測してて、それでもあのような舞台を組んじゃって、しかもちゃんと上演できちゃうってとこが経験値なんでしょうか。
投稿: Joy | 2005.11.08 00:23
Joyさま:
コメントありがとございます。
そうなんですよー。前日雨だと聞いてやだなぁと思ってたら、一番降りがひどい時間にあたってしまったってぐらい、凄い降りでしたねぇ。話の流れに沿って雷でもありゃ、それはそれでドラマチックだったとは思いますが、そういうこともなく。終演後、大きなカエルが池に飛び込んだのをちらと見ましたけどね。
舞台は確かに観てる側が怖くなるぐらいでしたよ。いえ、役者の動きにはほとんど不安ないのはたいしたもの。勝手に怖がってるわけですが。
投稿: かわひ_ | 2005.11.09 01:27
先日「『イントレ』って何?」と直に訊いてしまったわたしですが(英語の intolerance 自体は、「不寛容」という意味なので、「?」でした)、ひょっとしてと思ったらやっぱり映画の『イントレランス』からなのですね。
ただ、手元の英国製のステージ用語事典には載ってないので、和製かもしれないなー、と。(じゃあ英語でなんて言うんだとは、訊かないで。)
投稿: あれ | 2005.11.14 00:20
あれさま:
イントレ、って意識すると普通に聞かれる言葉ですが、たしかに英語のもともとの意味じゃないですねぇ。そか、あの映画か。なるほどー。
投稿: かわひ_ | 2005.11.17 08:31