【芝居】「ガレージの夜」クロム舎
2005.11.4 19:00
鬱屈した男の子の視線が持ち味のクロム舎の新作。地方のしょっぱいスナックを舞台に、困ったら帰る場所なのだけど、そこはそんなにいい場所でもなくて。6日まで明石スタジオ。
スナックに居る男たち、同級生らしいが、だいぶ成長してしまってからの突然の同窓会、の裏にあるものは。
基本的には情けない、あるいは成長しない男たち。拙い思い付きを実行してしまう男たち。たった一人の女優に与えられる位置は重く、さすがの人選。レイプされがちな女など笑いごとではないキャラクタをモノにするのは普通成り立たないはずなのだけど、ぎりぎりのところで踏みとどまっている、とあたしは思います。ただ、このネタでなくてもいい気はしていて、印象は強いものの、男女あるいはヒトによって受けるネガティブさが非常に難しいと思うのです。
中盤になってあまりに沢山の、みんなの感情を描こうとして、かなりごちゃつく感じがしますが、実は大勢に影響はありません。なぜ彼らがそう考えたのか、実はついて行けないところもあります。でも、ピュアに懐かしむ気持ちがあることはよくわかるのです。
心の弱い男たちの嫌な面をこれでもかとばかりに描くのが彼らの視点で、それは見ていて辛いところもあるのだけど、緩急を巧くつけながら、ものがたりを運びます。このやりかたはいわゆる感動ってのは少ないけれども、こういう地を這うような視点で描かれた彼らのあり方は、実はけっこう好きだったりします。
激しいシーンも多く、千秋楽まで怪我のないように、と願います。
クロム舎第6回公演「ガレージの夜」
2005.11.2 - 11.6 明石スタジオ
作・演出 西山聡
出演 武藤心平 清水徹也 松下千暁 服部弘敏(IDENTITIEZ) 江戸川卍丸(劇団上田) 山田(同居人) 足利彩(OrangePunPkin) 西山聡
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コメント
ご来場ありがとうございました。
いつもより長い文章ありがとうございます。
ちょっとずつですが、鬱屈した男の子の視線は、確立してきたのかなと思います.
なるほど、勉強になりました。
そういうえば、KAKUTAも同窓会の話でしたね.
題材としても同窓会って多いのですね.
ぼくらは、ちょっと違う視点で描きました、6日までです。
投稿: クロム舎清水 | 2005.11.05 01:44
清水さま:
コメントありがとございます。大変面白く拝見しました。
旨く言えないんですけどね、なんか凄い鬱屈したパワーってのが凄いなぁと、拝見した3作ぐらいではそういう感じです。
変は変、なんですけどね、どこかわかる感じがするというか。
また拝見できるのを楽しみにしています。
投稿: かわひ_ | 2005.11.09 01:15