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2005.11.30

かわひ 2.0。

日曜日に楽しく呑んで帰って、それでも早めに寝たのですが、月曜朝ちゃんと目覚めたのに、どうにも身体が重かったり、耳の奥でエラー音がしたり(by 西原理恵子)。

怖くなって、会社に休みの連絡入れて、そのままベッドに。次に起きたら午後6時。でも、おかげで気持ちの靄が一皮むけた感じもします。今日は仕事。

明日は送別会で呑んだくれるので、早めの週末予報。しかし、ココログ重すぎないか。完全フリー版の方が軽いって話し聞きますが、こちとら金払っとんじゃ、われ。

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2005.11.27

【芝居】「おしっこのはなし」ブラジル

2005.11.27 19:00

どこか夢のようなうつつのような話が特徴だと思うのですが、ブラジルの新作。ある病室とベッドを舞台に、虚実、夢と現実とりまぜた濃密な話し。来月4日まで、サンモールスタジオ(隣のシアターサンモールとは別のビルです念のため

余命3ヶ月と宣言された女、看病や見舞いにくる人々。生かそうと勇気づけたりするのだけど、どこか諦観したような、自分の世界に。あるいは、記憶をなくした男、その恋人の小さな話も縦横に。

小さな劇場の中央に舞台。前後に対面式の客席。早めに行くと奥の客席を案内されます。こういうの迷いますよねぇ、どっちにいくべきか。致命的な差はないのですが、たとえば舞台上の扉の開き方向で陰が出来ないのは奥。あるいはベッドにいる役者の顔をしっかりと見ようとおもうならば、その扉に近い側。まあ、そう大きな差ではないのですが。

小劇場的にはかなり豪華な役者陣。ものがたりの行き来が複雑なのに、それをきちんと見せる力は作・演出だけではなくて役者の力があるのだなぁと思います。

近藤美月という役者は、気が触れたような飛び道具的に使われることがおおいのですが、おかしくみえてしっかりと自分の行く末を見据える重要な役。女優も男優も魅力的なのです。女医や看護婦の緩急、母親の慌てぶり、友人たちの何でもはなせる感じなど配置が巧いのです。中川智明という役者を拝見するのは初めてなのですが、かっこいいのと、ゆっくりとした台詞をしっかりと伝える確かな力。

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【芝居】「ラフカット2005」

2005.11.27 14:00

オーディションで選ばれた役者(荒削り=ラフカット)たちだけで30分の短編を4本、比較的名の通った小劇場の作家の書き下ろしで見せる企画。公演は終了。

深夜の番組企画会議、深夜の小さな番組なのに張り切る困ったD「震度2」。コインランドリーに居る人々、慣れない洗濯始める人、ワケアリの酔っ払いなど、それぞれのワガママと我慢と「コインランドリーマン」。昭和、工場の二階の部屋に入り浸る少年の友達たち、学校サボって考えることは「バカ少年」。ショボいレディース向けテニススクールとコート借りてるこちらもショボい男ばかりのテニスサークル。秘かにつけねらったり、想ったり「晩秋にほえろ」。

30分という短い時間、役者も巧い人ばかりではなく、人数も少なくはありません。観客も友人関係多く小劇場を見慣れない観客多数。その中でいかに話を素早く立ち上げるか、展開するかは基本。その上で、役者やホンの魅力をどうみせるか、の勝負なのです。

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【芝居】「ニンシン選挙」クロカミショウネン18

2005.11.26 19:00

緻密に組み立てられたシチュエーションコメディが持ち味のクロカミショウネン18の新作。選挙事務所を舞台にした、嘘が嘘を呼ぶ困った人々コメディ。27日まで中野ザ・ポケット。

少子対策を掲げる候補の選挙事務所。スキャンダルで苦戦強いられる中、家族ぐるみの選挙戦なのだけど、不倫やら妊娠やら事故やらいろいろとあって。

不倫や妊娠などを隠すための嘘に嘘を重ねていきながら、ともかく盛りだくさんの筋を蜘蛛の巣のように張り巡らし、終盤に向かって次々と回収していく緻密さは見事。13人のキャストは決して多いわけではないのだけど、登場人物の名前が覚えきれなかったりしてちょっと混乱気味なのはあたしだけですか。もっとも、雰囲気だけで誰のことかは、まあわかるのですが。妊娠不倫がやたらに多く感じるのも、取り違いを軸とする以上、仕方ないのだけど、強引に作り上げている感じはします。そこまで緻密にせんでも、というのはあたしの性格か。

個人的には、もうすこし大爆笑につながる圧倒的な爆発力があるといいなぁと思うのですが、この日でも昼夜では客席の受け方も違ったようで、なかなか難しいものだなぁと思います。

が、気楽に楽しめて笑える劇団の方向は、より鮮明になってきています。装置は洗練が進み無理がなくなってきているのもマル。パル多摩の受賞後というプレッシャーながら、彼ららしい一本です。結構客席もいっぱいで何よりだなぁと思うのです。

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2005.11.26

【芝居】「ハロルド」ゴーゴーハリケーン

2005.11.26 15:00

Piperの川下大洋の作演によるユニット。緩めの話に役者の瞬発力を行かす、実は人情話。27日まで青山円形劇場。

高度に発達したテレビのシステムと、発達のあまり禁止されてしまったロボットがいるパラレルワールド。場末の演芸場の舞台裏、ロボ芸人とかひと癖ある芸人たち。追っ手が迫って…

全体としてはわりと緩めで微妙にウエルメイド風だったりしますが、役者の魅力に重きがある気がします。踊れる役者、からだが動く役者をこれだけ揃えながら、分量としてはごく少し、しかし効果的な薬味のような使い方は贅沢だなあと思うのです。ロボ芸人という発想から、竹下宏太郎や腹筋善之介という身体が動くメンバーをあてるあたり、さすがだなぁと思ったりもするのです。

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2005.11.23

【芝居】「パーフェクトキッチン」リュカ.

2005.11.23 19:30

スタイリッシュな会話の芝居を得意とするリュカ.初の再演。二回の小さな公演でサイドストーリーを積みかさね、満をじして。27日まで、渋谷ギャラリールデコ3。

大人になった四人兄弟。兄の二周忌、法事の日。仕事が忙しくて行けないイラストレーターの姉、法事を仕切った弟は密かに心悩ませ、妹は実家を飛び出し転がりこむ。

それぞれ勝手に行きてる兄弟、法事の場ではなくその日の朝晩の部屋での会話の積みかさねるうち、そこにはないのに、目に浮かぶ幼い日の風景。あの日があるから、密接ではない現在でも気持ちが通じるのです。

役者が絶妙にぴったりとはまり、劇団の宝とでも言えるような、バランスのよい仕上がり。静かでノイズらしいノイズのない透明に透き通ったような会話のかたちは、ともすれば引っかかりのないものになりがちなのですが、しっかりと踏ん張るちからがあるのです。物語は全体に見ると繊細で力強さには欠けるところがあります、ちょっとしたことで壊れてしまいそうな、ささいな会話の積み重ねなのです。が、語られた結果できた空気は、とても愛おしいものなのです。

役者は軸となる看板・境宏子のコメディエンヌぶりだったりお姉さんキャラだったりの表情がころころと楽しい、なかなか会えない夫を思う物憂げな表情が逸品。もう一つの軸となる看板・池田ヒロユキのつぶやくような声や、あるいは、キッチンについての一人語りは、そこにあるかのような説得力を持っています。

ルデコ3の天井は上階の足音や何かを転がす音など、騒音の面では相当に不利なのは否めません。静かだったり、時間の流れを意識的に早めるいくつかのシーンでは問題が特に大きかったのは残念なのですが。

7月公演(緋色の屋根)では、水沢シオリと秋川ヨウヘイの披露宴の待合いを舞台にした何気ない会話から浮き出す、子供の頃住んでた家に馳せる想いを描き、10月公演(本の庭、暮れの丘)ではその二年後、秋川ヨウヘイは死んでしまって半年、イラストレータの姉の周りの人々という描き方で人の繋がり。本作は時間軸としてはその二年後にあたり、死んでしまった人のことを忘れて次のステップへと歩み出す弟の姿というシリーズになっているように思います。かつて子供の頃に住んでいたところの追憶と、今この瞬間に失ったものの想いとその折り合いをさまざまに変奏しながら描いてると思うのです。

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【芝居】「砂と兵隊」青年団

2005.11.23 17:00

青年団の新作は砂漠を行く人々の話。不条理感満載で変化する筆致を楽しむべし。12月4日までアゴラ劇場。

劇場に砂漠が出現。という煽り文句が出てきそうな美術。特に開場から開演しばらくの間は、舞台上の隅で砂を注ぎ落としており、砂が舞います。開場・開演前にアナウンスがあり、必要な人には飴とマスクを配っていますので、気になる方はゲットを。まあ、あたしは最前列でも大丈夫でしたが。

砂漠を行軍する日本人たち。母を探す家族たち、新婚旅行の夫婦、軍人の妻、敵の兵士たち。オアシスに向かう彼らが、抜きつ抜かれつ、出会いつつ。

匍匐前進してる横では日傘さす婦人や家族連れと、明らかにおかしな状態。どこか漫画的ですらある光景はやがて、何のためにしているか、敵なんか居るのか、居たとしてもこんな行軍なんてことは本当は要らないのではないかという、不毛さを、不条理というかたちであぶり出します。親子の昔語り、兵士たちの会話など、何気ない日常会話も、舞台がこうなると不条理さ倍増の美味しさ。

約110分の上演時間、少々単調に聞こえるところもあるのですが、どこまでいっても変わらない砂漠の行軍、という舞台設定からすると、その雰囲気がよく出ていると云うこともできます。

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【芝居】「ヒロセエリの日記(木村君ver.)」play unit-fullfull

2005.11.23 14:00

フルフルの企画公演。レストランで飲食しながら楽しめる60分。2バージョンを交互に23日夜まで、中目黒・楽屋(らくや)。

舞台の付いたレストランバー。ライブなど結構やっていそう。派遣のOL、恋人はいるしそれなり暮らしてるけど、調子悪いしなんかうまくいかない。昔の職場の仲間の送別会に呼ばれて…

、 なんかうまくいかない、鬱屈とした気持ち、行き場のない気だるさ。なんかですね、シチュエーションも性別も違うけど感覚は最近のアタシの実生活の感覚に近いのです。

舞台があるとはいえ、フラットでテーブルがある飲食店は制約を生みます。2箇所を使い変化をつけていますが、客が多く導線にも苦労がみられます。はなしそのものは派手ではないだけに、ちょっとばたばたするだけでも厳しさが出るのも事実。もっとも、当日券で潜りこんだアタシが云える話じゃありませんが(^_^;)

それでも等身大に描かれた恋だの仕事だのって話は結構好きだったりするわけですが。「日記」と題されたのがよくわかります

二つあるバージョンは主役となる「私」と「理想の私」は軸としたまま、その友人たちを二つのグループに分け、ものがたりの中心を担うグループを切り替え、話しも変えているよう。また、ビンジョウバカネという男性二人女性一人のユニットによる生演奏を入れているのも、目先が変わって楽しいのです。

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アクセスされまくり。

微妙に風邪気味でほぼ定時に退社。近所で食事して帰ってきて、メールチェックしてたら、寝てしまったようで、こんな時間。暖かめの格好だったので、風邪の悪化は防げているようですが、シャワーは朝にもっていこうと思ったりします。明日は(も)芝居行きたいよなぁ。

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2005.11.22

【芝居】「シークレットライブ」あひるなんちゃら

2005.11.21 20:00

平日二日間だけってorz。直前まで行けるかどうかわからなったのだけれど、見られたのはシワワセ。22日まで王子小劇場。

会社早めにでるしかない平日のみ公演。行けるかどうかわからなかったのだけど5分前に何とか。すみません>会社の人々。

コントを10本、作家だったり役者が初めて書く台本だったり、かわりに劇団の役者は出演しない、という企画公演。

8本目の「全国告白道春季大会決勝」が秀逸に巧いのだけど、2場までで抑えればとも。3本目「5歳の苦悩」は大人びた5歳児と保母が来たときの落差を見せる趣向で、役者の活躍する余地を多めに残し、成功。4本目「HOLD ME TIGHT」のキャッチボールをしながらのゆるい味わい、2本目「サウスポー」の着目点の面白さ、6本目「青春ゲーム」の意味なさの青春ぽさ。

客席を観客に任せ、椅子だけ渡して好きな場所に座らせるてのは成功しています。椅子の幅がちょっと厳しいので、好きな場所でいけるので。劇場ありったけの箱馬を重ねて舞台を持ち上げる技術と。

大爆笑ではありません。若い客席がドカベンやらピンクレディーを知ってるかどうか。アタシは真ん中ですが。 さまざま見られるのが楽しいのです。

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2005.11.21

【芝居】「パーマネント・ウェイ」燐光群

2005.11.20 19:00

海外戯曲の紹介も精力的に行っている燐光群の新作は、英国の作家、デイヴィッド・ヘアーの作による、ドキュメンタリータッチの一本。英国で起こった4つの列車事故の関係者のインタビューを積み重ねて描く130分。来月4日まで、シアタートラム

イギリス国鉄は、1994年、サービスとインフラを上下分離で民営化された。そのあと97年から02年までの間に起きた大きな列車事故4つの関係者のインタビュー。

度肝を抜くのは装置(加藤ちか)。シアタートラムを左右から挟む客席に分け、中央に線路。語られる舞台は必ずしも線路の上の話じゃありませんが、象徴的で、なにより印象に残ります。

ほとんどの芝居は、作家に対して語っている関係者、という形で進みます。CBSのドキュメンタリー番組みたいな作り。作家自身は登場せず、語りだけを積み重ね、結果、会話はほとんどないという不思議な形式になっています。全体に平板に感じてしまうところもあって、このスタイルは難しいのだと思います。

ドキュメンタリータッチの燐光群の作品はけっこう数があって、クオリティは高いと思います。「CVR」がひたすら事件の現場を描いているのに対して、本作はその後の人々の証言がもとになります。どちらかというと「ときはなたれて」がスタイルとしては近く、情報も多いので少々気合いを入れないと、ついて行き損なう感じもします。

語られる中で見えてくる、「責任の所在をあきらかにしないための組織構成」が、あたし的には一つめのツボ。本作のような大きな話に限らず、たとえば会社での些細なことにも、こういう芽はあるのかと思ったり。二つめのツボは、プチ鉄ちゃんのアタシには、割と好きな内容ってことなのですが。

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2005.11.20

【芝居】「パンチ」げんこつ団

2005.11.20 14:00

女性ばかり、風刺色の強いコント的なスタイルを続けるげんこつ団の新作。20日夜まで、駅前劇場。

映像とコントを繋げる見せ方はかわらず。安心してみられます。

世間で起きていることに対して、妙だと感じたものを笑いに転化する確かな感性。ダイエット成功者が水着でプレゼンテーションするうさん臭さを、借金王を決めるコンテストに転化するネタなんか秀逸な気がします。あるいは、雑誌のおしまいの方に広告出てるような「幸せになれる石」が蔓延したオフィスの風景、スモールワールドのように走馬燈な入院後の日々、救世主を崇めるくせに何一つ聞こうとしない信者たちなど、どこかで感じるような臭いを、笑いにするのです。

こういう風刺っぽいものではないのだけど、火星に降り立とうとしたところに存在していた、「あの世界」の人々ってのも、ワンアイデアの瞬発力だけどここまでつきつめれば凄い。

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【芝居】「キヨシコノヨル」Studio Salt

2005.11.19 19:00

横浜の劇団、スタジオソルトの新作。アタシは初見。クリスマスに集まった盛り上がらない人々の話、20日まで相鉄本多劇場。

ある部屋に集まった人々、クリスマスの夜。パーティーやろうと云いながら盛り上がらない。徐々に集まるうちにみえてくる、彼らをつなぐ意図。

一点のアイデアに向けてまっすぐ、真っ直ぐ丁寧に積み上げる芝居。途中でネタ割れするのは、2週間前に行われたプレビュー公演に修正された確信犯なのだとか。サプライズで終わらせない選択をした 結果、芝居の面白さを、より役者の力量に委ねることになります。人の気持ちの細やかな動きを見せるところが主眼になるわけです。わざわざ一番困難な方向を意識的に選択してチャレンジするというのも一つの方向だろうと思います。

決して明るくはない話、丁寧に人物を描くのが持ち味。前回公演とは趣きが違うのだといいます。役者もスタッフも決して若いわけではないのですが、まだ2年目のカンパニーなので、自分たちの進む方向を模索しているという感じも受けます。

70分の時間をどうやって、どんな風に組み立てていくのか。厳しく云えば、いくつか課題は有ります。が、世間で起こっていることを、どうやって芝居にしていくかを考えていく姿勢にあたしは共感するのです。次回はGWの後に、はじめて演出を外部から迎えてなのだとか。

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2005.11.19

【速報】「子供の領分」風琴工房

2005.11.19 14:00

風琴工房の詩森ろばの作演で若手三人の役者という公演。不思議な三角の関係と、若い役者の弾けるエロキュートな仕上げが魅力。20日まで門仲天井ホール。

男二人で暮らす部屋にやってきた奔放なオンナノコ。男のひとり、家主が呼んだ、猫のような。

全体を貫く、軽くてポップなエロ可愛い感覚。同性愛で同居している男二人にさえ、それは徹底していて、あたしの頭の中はピンク色な感じでいっぱいなのです。汚くなく、ポップ。

が、見た目に反してテキストはえらく手強い感じがします。分量も多いし、言葉は多少堅いところもあります。見た目で脳を溶かしてると、その手強さに置いていかれそうになります。あるいは見た目幼いのに言葉は年齢を重ねた感じといいましょうか。若手の鍛錬の場であるとみれば、このテキストの手強さは成功していますし、魅力を見せてもいます。彼らの等身大の言葉かというと、ちょっと違う感じはしていて、そのアンバランスも面白いのです。

感情とも呼べないような、想起した「感覚」を丁寧に顕在させ、描こうとした結果、観念的な言葉が増えたという側面はあるのかもしれません。

にしても、あたしはこの舞台が好きだなあと思います。弾ける役者を観ているのはそれだけで楽しい。自分の課題としては、もっとテキストを咀嚼したくはありますが。

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早朝公演て。

たぶん、見に行くことはできないのですが、名古屋の「ホントに?」では、6:45am開演の早朝公演ってのがあります。これ、すごいなぁ。こういうのをやると一日5本回しという某氏の記録を塗り替える観劇はしごってのもあるかなぁと。

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【芝居】「貨物船、碇泊ス」菅間馬鈴薯堂

2005.11.18 19:30

近年は年輪を重ねた味が魅力の芝居が続く菅間馬鈴薯堂の公演は、85年作品のリメイク。どアングラを若い役者でやる手探りも緊張感を生み出します。20日まで王子小劇場(時間注意)。

上野公園。女が男に誘われるままに行った先、バラックで暮らす人々が望むのは、南方に行くこと。

正直、枠組みや話自体には時代を感じます。一本の筋はありますが、むしろ個々のシーンを気持ちよく見せる方に力点があるという感じがします。おそらく、若い役者のほとんどもこのタイプの芝居は手探りでやっているという印象もあります。 いままでの菅間馬鈴薯堂を見てるモノにとっては、その落差で少々戸惑うのも事実なのですが、こういうものだと思えば、役者のそれぞれの魅力を観ることが出来て楽しめます。

劇団としては、ここを経ていくのか、これは昔のリバイバルを単発でやることに意味があり、前回までのような味の芝居に戻っていくのかということに、あたしはちょっと興味がありますが。

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2005.11.17

本末転倒。

コレステロール値オーバーで、産業医から注意を受けたので、晩ご飯を会社おにぎりとかをやめて、9時10時には上がるようにして帰り道で食べるようにして2週間。ちゃんとご飯食べてる、という良さはあるのだけど、出費がかさみ気味なのと、必ずつけてしまうビールが(以下自粛)。まあ、こういう帰り方がいつまで続けられるかわからないのだけど。もちょっと早く帰れるなら自宅ゴハンなんだけど、更に早いと芝居行っちゃうしなぁ。

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2005.11.14

【芝居】「The Loving」なぎさにゆこう

2005.11.13 17:00/19:00

P.E.C.T.の中嶋比呂嗣が劇団とは別の作家と組む企画公演、Project ONE&ONLYの白土硯哉を作家に迎え、坪内逍遥がシェイクスピア翻訳を始める頃、幻の女との濃密な数日間の話。10月11月は藤沢の拠点、レストランシアター、クラジャで。12月は七里ヶ浜と鎌倉で1日づつ公演の予定。

あたしが見た日曜日、早めに到着したので、17時と19時、組み合わせの違う二人芝居を二本見ることができました。17時は三木佳世子×中嶋比呂嗣、19時はつつみその子×佐藤拓道。基本的な構成は同じです。むしろ役者そのものの差が強く、中嶋×三木ではか細く凜とした色気、佐藤×つつみでは、よりふくよかで情欲に近い色気を感じます。シェイクスピア翻訳を始めたばかりの坪内逍遥と出会った、謎の女性。行きずりの愛欲の中に、シェイクスピア文学での、「愛」の位置づけが理解できなかった逍遥を導くかのように見え隠れするのです。史実というよりは、おそらくはフィクション。こういうことを夢想する楽しさ。

和服姿の女、赤い糸のあやとり。あやとりを情交の象徴として効果的に使うことで、色気の側面が強く意識される演出になっています。どちらのバージョンでもほとんど変わりません。物語に過不足はないのですが、二人芝居で、照明や音響に凝ることができない環境もあって、90分の尺は少々長く感じたのも事実。(調子に乗ってあけたビールのせい、かもしれませんが)。

クラジャという場所は、P.E.C.T.にとっては孵卵器のような場所で、地元の継続してみている観客たち、良くも悪くもアットホームな雰囲気。外へはここで育てた芝居をもっていけるわけで、実験的なことも試せるという強みはあります。週末の終演後に設定されている15分の"Theater After9"は、そんな実験的な試みなのですが、あたしの行った日の講談もどきは、芝居としては成立しておらず、内輪受けな感じを強く受けてしまうのです。同様のことが、当日行って「だれからの紹介か」ということを何度か聞かれるというありかたでも感じます。(いや、こちらはずいぶん拝見してますが、ご挨拶なんて、とてもとても。)客と繋がりたいという意志は感じるものの、一見の観客には逆効果というのも事実なわけで。

12月の七里ヶ浜は、すてきなフォトスタジオが舞台。鎌倉の方は旧家を借りての公演なのだそうで、この話にはとてもマッチする空間になるのでしょう。

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2005.11.13

【芝居】「名前をつけてあげる」あさかめ

2005.11.13 14:00

ヒザイミズキと児玉洋平、二人の役者によるプロデュースユニットの旗揚げ公演。女4人のルームシェアの終わりの姿、小さなギャラリーを部屋に見立てて。ギャラリーカタカタでの公演は終了。

ルームシェアしてた4人の女。一人が結婚を機会に抜けることに。生まれてくる子供の名前を考えるためのパーティーのために久しぶりに訪れる夫婦。

四人のそれぞれの互いのわからなさ、仲良さそうに見えるのだけど、理解出来ない部分があることを描くために、独特な感性の言葉を一人にしゃべらせる感じ。 一歩間違えば不思議ちゃん感覚で、あたしにとっては少々共感しづらい感じもします。

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【芝居】「大正八年永田町」パラドックス定数

200511121900

去年末の佐藤佐吉エントリなパラドックス定数の9公演目。13日夕方まで王子小劇場。

国会議事堂の建築意匠を一般公募しながら「一等なのだけど不採用」で、変更後の設計者の名前が残っていないことや、「当初ドーム状だった屋根が世界に類を見ない角錐状になった」というような史実を軸に、東京の地下を張り巡らせる謎の地下施設があり、丸ノ内線着工(S26)の遙か前の戦前から何かがあったのでは、という推測をもとに、戦前のきなくさい雰囲気の中での議事堂と地下鉄を作った男たちのシゴトと翻弄を描くのです。

東京地下に戦前からあるといわれる謎の地下施設と地下鉄の路線、軍を結びつけた、いわゆる都市伝説というのは数々あれど、地下ゆえに真実が実は誰にもわからない点で、それ自体はあたし結構好きなのです。有名なのは、このあたりのホン(シリーズで数々出てますが、最初に出たこれが一番気合い入ってる。プロとは思えないぐらい読みにくいことこの上ないですが。)でしょうか。クレジットこそありませんが、本作の物語の着想は、ここから出ている気がします。物語の主眼は、その妄想の中での男たち、にあるわけで、背景として使っているにすぎませんが。

舞台は薄暗く、役者はメガネ男子(いつのまに出来た、こんな言葉)+スーツ。云われているほど照明が暗いという印象は受けませんでしたが、役者の区別が付きづらいというのは事実です。出来るだけ前席を確保すべし。スーツでかっこいい骨のある男たちの芝居という印象は確かにあって、意外にありそうでないポジション。

確かにアタシは地下鉄とか電車とか建築物とか、秘密の地下施設とかいう想像めいた話が好きなので、もうワクワクの話。でも、普通の人にとってはどうなのかなぁ、とも思うのです。終演後に永田町近辺の地下鉄路線図を見て想像をたくましくするのも楽しい。

図面が引ける天才、バランスをとる人、政治力「だけ」で生きる男。何が正しいかではなくて、どういう意志があるか、といういうことが歴史を決めていくというあたり、あたしも同感。いえ、そんなおおげさな話ではなくても、普段の生活のちょっとしたことでも。設計技師になり損なった男の嫉妬にも似た感情も、この歳になってみると身につまされる感じも。実力がないことを自覚して、静かに身を引いていった男の姿ってのを、想像するのです。

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2005.11.12

【芝居】「俺の屍を越えていけ」渡辺源四郎商店

2005.11.12 14:00

元弘前劇場の畑澤聖悟のユニット・渡辺源四郎商店(ナベゲン)、開店準備公演。弘前劇場の初演、地方ラジオ局での管理職リストラ候補を一人選ぶ若手社員6人のほぼ密室劇だが笑いも多く。13日まで春風舎。土曜のみ、熊本劇作家大会向けに手直しした短編リーディングも。

リストラのために、辞めさせる管理職一人を選ぶ特命の秘密会議に集められた6人の若手・中堅たち。顔も見知ったなかから選ぶ会議は進まない。

仕事に対する若い想いをベースに、厳しい現実を重ね合わせることで奥行のある話に。地方局というシチュエーションも、顔見知りゆえの狭さ感を意識させます。初演も見ているはずなのですが、あたしの関心は組織のあり方、みたいな方に向かっていて、自分が歳を重ねたことを実感するのです。若いラジオディレクター(D)の仕事への想いと閉塞感のようなものもずっしりと堪えます。

リーディングの方は青年団の中堅役者ゆえ、若手に見えない弱点(が、根本江理子のキュートさはどうだ。女優は怖い)あれど違い楽しむのも吉。リーディングというよりは立ち稽古的にすこしの動きや表情つけたり。短編ゆえに、いくつかの枝葉を切り捨てています。そのため、人物の順位というかバランスオブパワーが入れ替わっていく醍醐味や、若いディレクターの想いを中心とした、仕事への情熱のようなところが薄まっている感じはしますが、濃縮感はあります。「左門」を登場させたのは、「熊本 」のご当地ネタ、というのは、リーディング後のアフタートークでの話題でした。

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2005.11.10

38歳

芝居は見るけれど、ミュージカルはからきし。あたしにとっては、本田美奈子というのは、ずっと昔のアイドルというポジションだし、思い入れがそれほどあるわけではないのだけど、ともかく目に入るこの数日。同い歳なのね、それなのにこの仕事に対する執念。すごいなぁ、自分を振り返ると、人生も仕事もまだまだ迫力がたりないなぁと、一瞬思うのだけど続かないのは、遊びすぎ呑みすぎのせいですかそうですか。

土曜夜、パラドックス定数@王子小劇場。男ばかり、国会議事堂と地下鉄を巡る大正八年、前回公演の圧倒的な迫力が印象深く、楽しみ。

渡辺源四郎商店@春風舎、弘前劇場を抜けた畑澤聖悟のプロデュースユニット、土曜はリーディング付きだけど昼に間に合うかなぁ。なぎさにゆこう@クラジャ、センセイと彼女の二人芝居、カフェレストランで。あさかめ@ギャラリーカタカタ、散歩道楽の役者客演、旗揚げの芝居。ペテカン@TOPS、さえないおじさんの、妄想の話とか。

コマ明らかに不足しちゃってるなぁ..トランス@紀伊国屋、新バージョンを2本立て、鴻上尚史の物語に触れたいとも思うのだけど。夢のミルクこうじょう@アイピット目白、土日昼には中高生向けのバックステージツアーもあるとか。離風霊船@シアターグリーンメインホール、初めて観たときの衝撃が忘れられない「赤い鳥逃げた」あの事故から20年、時代の流れを観たいとも。

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2005.11.07

【芝居】「オセロー」ク・ナウカ

2005.11.6 19:00

古今東西の物語を、様式に載せて舞台にするク・ナウカの新作。シェイクスピアの「オセロ」を能形式(夢幻能)で。上野の東京国立博物館東洋館の裏、日本庭園にしつらえた特設能舞台で。13日まで。

不勉強なので、「複式夢幻能」ってのが形式を表してるってことがわからなかったのですが、前場と後場に別れ、亡霊の姿、あるいは夢の中に現れるという形式なのだそうです。確かにその形式に従った様式になっています。一時期は固執していた、スピーカーとムーバーに分かれる言動分離は残ってはいるものの、言動一致が主になっていてる感じすらします。字幕の効果と合わさって、見やすくなっています。

何より、場所がとてもいいのです。静かで緑深い場所。参入障壁は高く、誰でも芝居が打てる場所ではないと思いますが、積み重ねのチカラだと思うのです。

6日夜はかなりの大雨。大きなテントがしつらえてあるので観客は(最前列=ユース席以外)ほとんどぬれることはありません。舞台は野ざらしですので、正直な話、激しい雨音で満点のできとは行かない気もします。なにより滑りそうな能舞台、勝手に見てて怖がるあたしです。が、野外劇のノウハウ十分、この大雨での公演のノウハウとしてはかなりあるのではないかと思います。(おもえば湯島とかどこかの庭園とか、クナウカの野外劇にとことん雨になってしまうな、あたし)

天候によらず、防寒対策を十分に。毛布と懐炉は配られますが、特に足下を暖かくすることが必要です。水辺ということ、イントレでくまれた客席は風が通りますので、かなりの冷え込みです。

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2005.11.06

【芝居】「今はチキンを」ひょっとこ乱舞

2005.11.6 14:00

スピード感あふれる展開と芝居らしいシーンの数々。単純に面白い、と云えるのだけど、アタシはドラマが欲しい。6日夜まで萬スタジオ。

超高層ビルの中だけで暮らすようになった時代。突如飛び込んで来たのは、何故かクジラの形のフェリー。船内の結婚パーティーの新郎は亡くなり、平和に暮らしてる家族の母親は飛んできた巨大なクジラのヒゲが刺さる。次男は姿を消していて、引きこもり気味の長男は恋をした。

断片となる話はてんこ盛り。スピード感あふれる役者の動き、ほんとに楽しく見られます。

半面、せっかく序盤シュールで魅力的に作りあげた世界を、物語で貫くことが出来ていない感じがするのです。どちらかというと、役者の魅力を見せるように芝居を作ってると感じます。もちろん、それも芝居のありかたなのですが。見せ方って重要ですし。

有料の当日パンフをこの規模で作ろうっていう意気込み、当日パンフに打たれた通し番号をつかった次回公演招待の試みなど、制作面でのアイディアも満載。いい予感はします。

看板のチョウソンハは出てくるだけ客席の温度をぐっと上げるテンション。客演の板倉チヒロも同様で二人同時に舞台にいると、濃すぎる感じすら。(いや、面白いのよ)

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【芝居】「目的地」チェルフィッチュ

2005.11.5 18:00

「超リアル口語」(あたしはそう思わないのですが)で語り、去年の岸田戯曲賞を受賞した横浜生まれのユニット、チェルフィッチュの新作。港北ニュータウンを舞台に、そこに生きている様々を近視眼的につぶさに描くのです。売り切れも出ていますが、客席も広げているように思いますので、チャレンジを。15日までアゴラ劇場。

一般的には非常に評価が高いのです。手法や様式としてのおもしろさは確かです。ただ、あたしはそこで物語を語ってほしい。様式としてのおもしろさは、ク・ナウカや、それこそシベ少、ひげ太夫に至るまでさまざまありますが、語るべき物語があるかどうか、というのが続けていけるかどうかの分岐点だと思います。

物語のすすみが遅いというか、繰り返しが過剰(王者館ほどではないけど)なほど多いのも、アタシの弱点です。ダンスが苦手なのも同じかもしれない。動きが過剰な役者が見られるのも厳しい。

100分ほどで、しかし語られる物語を感じたあたりは楽しく見られます。猫のくだりは秀逸だと思うのです。 あるいは、あたしの実体験にマッチする地下鉄開通前の港北ニュータウンのくだり、巨大迷路とか、あったよなぁ。交通量少なかったから免許取り立てのあたしは練習したよなーとか。が、それは一般の誰もが感じられる物語ではないのです。

この手法で、紡がれる物語がどれだけ出来るのか、あまり得意じゃなくても、しばらくは見続けてしまうとは思うのですが。思えば、にんじんボーンだって、最初の頃は不得意だったもんなぁ。

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2005.11.05

【芝居】「あそめの面会」unnu

2005.11.5 14:00

川根有子(u)と馬渡直子(n)という二人の女優の企画ユニットunnu(アンニュ)の公演。女二人が対峙する緊張感あふれる、って程でもない気楽に楽しめる80分弱。6日まで門仲天井ホール。

愛人宅まで乗り込んで来た妻。あろうことか、妻は夫の殺人を依頼しようとしている。

大人の女優二人を対峙させるシチュエーションとしては、妻と愛人てのは悪くないと思うのです。とりたてて騒ぐのではなく、チクリちくりとツツキ合うのもあたし好み。「あそめ」は「遊女」のことのようですが、「あそめが面会に来た」というよりは「あそめに面会に来た」というシチュエーション、まあ細かいことですが。

実はわりと軽め、笑いの要素が多く含まれてるのですが、気合いの入ったセットや開場時の大人な雰囲気が、静かな客席を作ってる気もします。悪いことではないと思いますが、かたひじ張らずに見られるのと、雰囲気の良さのバランスが難しいところ。

このシチュエーションで二人芝居だと、物語そのものの着地点の選択肢はそう多くありません。想定される範囲ではありますが、途中に変化球が挟まりつつ、楽しく見られます。

土曜昼は立ち見の満員。予約を。

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【芝居】「ガレージの夜」クロム舎

2005.11.4 19:00

鬱屈した男の子の視線が持ち味のクロム舎の新作。地方のしょっぱいスナックを舞台に、困ったら帰る場所なのだけど、そこはそんなにいい場所でもなくて。6日まで明石スタジオ。

スナックに居る男たち、同級生らしいが、だいぶ成長してしまってからの突然の同窓会、の裏にあるものは。

基本的には情けない、あるいは成長しない男たち。拙い思い付きを実行してしまう男たち。たった一人の女優に与えられる位置は重く、さすがの人選。レイプされがちな女など笑いごとではないキャラクタをモノにするのは普通成り立たないはずなのだけど、ぎりぎりのところで踏みとどまっている、とあたしは思います。ただ、このネタでなくてもいい気はしていて、印象は強いものの、男女あるいはヒトによって受けるネガティブさが非常に難しいと思うのです。

中盤になってあまりに沢山の、みんなの感情を描こうとして、かなりごちゃつく感じがしますが、実は大勢に影響はありません。なぜ彼らがそう考えたのか、実はついて行けないところもあります。でも、ピュアに懐かしむ気持ちがあることはよくわかるのです。

心の弱い男たちの嫌な面をこれでもかとばかりに描くのが彼らの視点で、それは見ていて辛いところもあるのだけど、緩急を巧くつけながら、ものがたりを運びます。このやりかたはいわゆる感動ってのは少ないけれども、こういう地を這うような視点で描かれた彼らのあり方は、実はけっこう好きだったりします。

激しいシーンも多く、千秋楽まで怪我のないように、と願います。

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2005.11.04

【芝居】「まつりのあとのまつり」タテヨコ企画

2005.11.4 15:00

タテヨコ企画の新人公演、とは言いながら、古株役者もたくさん。6日まで新宿・芸能花伝舎1-2。

次男の結婚式のあと、長男が住む実家に集まる兄弟、妻、従姉妹。独りもので今でも定職についていない長男の怪しい仕事は…

コタツを中心にごくごく小さい範囲でされる話。普通に暮らしている次男三男と、根無し草の長男の対比はあるものの、明確なメインストーリーが見えづらい感じもします。いわゆる「静かな芝居」というのを、元祖である青年団よりもそのままの形で受け継いでいるという印象がありますが、人がいる景色を描くことに興味の主眼があるのかなぁと思います。

芸能花伝舎は、廃校となった新宿の淀橋第三小学校を使った芸団協の施設。事務所、フリースペース、想像スペースなどを持ってるようで、この日もいくつかの団体の稽古場として貸し出されていたようです。もっとも入ることはおろか、近づくことも出来ませんが。

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2005.11.03

【芝居】「Witch Tank」SPARKO

2005.11.3 19:30

女優ばかり、どこかプラスティッキーに冷たい感じが魅力のSPARKO。新作は魔女を水槽の中で飼い、大奥ばりに繰り広げられるあれこれに、外界の飼い主の背景も混じってきて。

2002年旗揚げの「PLAY SET」は、おもちゃ会社の女社長と会社や家族がする人形遊びを人形側だけ舞台載せるという構造で、動かしている人間たちの背景が、ごく自然に、しかし力強く迫ってくる傑作だったのです。たぶんこの年のベスト。/02(Ex-sight-seeing」/03(RENTAL SPACE)と続きながら、旗揚げの印象がものすごく、超えられない印象だったのです。

しばらく名前を見ないとおもっていて、しばらくぶり、主宰はじめ、体制が大きく変わっての再出発の本作。
タンクと呼ばれる水槽の中で飼われる小さな魔女や魔王たち。交配や求める自由の姿を時間の流れとともに。向こう側には飼っている家族の姿。

おそらく、PLAY SETを根底に置いていたと思うのです。箱庭のような、といいましょうか。ものがたりの背景にはそれを感じます。が、芝居を見ている印象はかなり違うのです。ポップでプラスティックな感じだったものを、黒づくめの衣装、全体に暗い感じにしているのです。綺麗で出来る女優たちばかりそろえたのに、勿体ないなと思うのです。

後半になって、実は長い時間の流れを交錯しながら描いているのだとわかります。あるいは魔女や魔王たちの言葉を飼い主たちは細かく理解できるとか、野生種と養殖など、いろんな小技は効いています。が、旗揚げを知っているアタシには、くち惜しい感じなのです。

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【芝居】「歌わせたい男たち」二兎社

軽く笑わせながら、今の日本が抱える危うさを鋭く突く二兎社の新作。13日までベニサンピットのあと、全国。

卒業式の学校、保険室。君が代を歌わせようと滑稽なほど奔走するひと、最後の一人になっても抵抗するひと、流されるひと、揺れるひと。

その一点以外では全てがわかりあえるのに、違うありかたを許さないということが、ひとをどれだけ傷つけるかをかっちりと描くのです。イデオロギーがさまざまあるし、あたしはこの人の側てのはあります。ありますが、それを一方に揃えることがイチバン怖いのだと、話は進みます。

終盤、少々髪型を変えた校長の演説は、ときに心地よく、しかしさまざまなまやかしを含むのです。数に任せて力を行使しようとするアノ人の姿がダブります。

校長と彼の人の違いは、そういわなければならない立場になってしまったか、良くも悪くも一点を信じることだけがポイントだという人かなのだけど、何故か彼は力得られたのかなあ。

同日に観劇された(うあ、そうか、憲法記念日文化の日(公布日←ご指摘感謝)か)芝居遊歴控さんに詳細な描写あり。「あとからじわじわ効いてくる」というの、同感です。

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あの葡萄はすっぱい。

さて、みなさんはどうでしたか。一大狂想曲を呈した「12人の優しい日本人」の東京前売り。プレオーダーの類には全部はずれて、いよいよの一般販売が先週の日曜日。いろいろ迷ったあげく、近所のローソンの端末前に陣取ってスタンバイ。ほれぼれするほど素早く入力したのに、のに。繋がらないまま15分格闘の結果、敗退。駅からも遠いロッピーなのに3人も並んでたのに。思えば、パルコが去年やっていたチケットレスサービスはとてもよかったと思うのです。なんせ当日クレジットカードを持ってこないと入場できません。ゲッターもさすがにクレジットカードを差し出しはしないだろうから、これが確実に観る人にチケットを届ける方法だったと思うのですが。 ヤクオクあたりの高値に払う気はさらさらありませんから、ちえっ。あの葡萄はすっぱいに決まってら。

新幹線での出張をした今日、早いなぁ、新幹線。いくつかの会議、帰り道のビールが旨い。で、4日はお休みの予定なのです。(←なら旅行でもいけ>あたし)

チェルフィッチュ@アゴラを土曜夜、今週はかなり売り切れているとか。SPARKO@王子小劇場には木曜夜を予定。あとはどうしようか。

二兎社@ベニサン、いよいよ観なきゃ、前売り完売だが。クナウカ@国立博物館日本庭園、なんか凄いらしい。ひょっとこ乱舞@萬スタジオ、昇り調子なチラシ、チョウソンハ、伊東沙保ら看板に加えて、関西からの板倉チヒロも注目。クロム舎@明石スタジオ、はい登りたい男たちの笑うけど悲しい話、足利彩みたいし。タテヨコ企画@芸能花伝舎、金曜昼の貴重な公演、廃校した小学校の教室で。unnu@門仲天井ホール、女優二人芝居は好きなはずだ、あたし。東京Ne+ws、落ちちゃうかなぁ。。ああっ。

朝ご飯用の煮干しも裂いたし、寝ますか、そろそろ。

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