【芝居】「Nightbird」回転OZORA
2005.10.12 19:30
しっかりと「想い」を描くのを得意とするOZORAの新作は、深夜の病院の急患受付の待合室での一夜の物語。16日まで「劇」小劇場。
深夜の待合室。急性アルコール中毒や急患の身内、運びこまれたり、やってくる人々。その中から浮かび上がるのは。
バタバタと入れ替わりたちかわりな人々。前半を観る限りはERのような点描を重ねたいのかと思ったりしますが、じつは背景を丁寧に描いているのです。ヒトの生き死にで背景ってのもあれですが。やがて、舞台上では語られない、いくつかのの力強いモノガタリが立ち上がります。
幸いにして、いまのところは自分も家族も健康だし、いままでも大した病気てのもしてません。風邪なんかはしょっちゅうですが。緊迫感ありながら、しかししんと静まった冷たい待合室という空間は、あたしにとっては未知の領域なのです。それでも少しばかりホロリとしてしまうのは愚直に想いを描き続ける劇団と、そういう話に弱いあたしの相性、って気もするのですが。
少々は恋心の話や、少し怖い世間も描かれますが、全体としては安心な一本です。 いくつかの軸のうちとりわけ強い一本が、役者の圧倒的な技量で早々に見えてしまうのは弱点と云えるかもしれません。が、それが大きな問題にならない気もします。 鎌倉康太郎の淡い恋心が巧い。今藤洋子のコメディエンヌ楽しく、しかし、何気なく放心しながら煎餅かじるシーンがなぜか心に残ります。
回転OZORA vol.XVI「Nightbird」
2005.10.12 - 10.16 「劇」小劇場
作・演出 村上秀樹
出演 村山なおこ 今藤洋子 中嶋ベン 桑門そら 坪内悟 木村綾子 深津紀暁 松下由紀 草苅勲 杉崎正徳 須賀文香 赤木山伍里蔵 鎌倉康太郎
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