【芝居】「レミゼ」散歩道楽
2005.9.4 18:00
地方劇団の東京初公演、始められないゲネを舞台に、芝居へのというより過去の人間関係やらを少しばかり底意地悪く。劇小劇場での公演は4日夜で終了。
「日本のヘソ」から来た劇団の東京初公演。レミゼを下敷きにした方言ミュージカルの初日昼、ゲネ直前。舞台に入りきらない書割り、劇場はおろか下北沢駅にすらたどり着けない役者、無くなる小道具。ゲネを見に来た知り合いが時間足りず帰ろうとしたとき、小道具破損の疑いをかけられ。
下北沢の有名店「アンゼリカ(パン)」「眠亭(中華)」「ビレッジバンガード(本屋?)」「茄子おやじ(カレー)」「夢や(カレー)」、あるいは小劇場界隈で使われる「ローソン横の庄屋の二階」、「行かないよ、打ち上げ、知り合いいないもの」「打ち上げで舞台の出来を聞かれた時のかわし方」などを折りまぜ街と芝居する人々への愛情。地方の劇団の女優が東京で一旗挙げるための上京、帰郷などよくあるといえばよくある背景に残された人々のキレイゴトではない恨みと想い。救いない結末をギリギリでふみとどまる力。
よくあるバックステージものとは何段も違う感じがします。 あたしは、こういう過去の広がりが透け見える話が好きです。看板女優と主宰が対峙し、まわりの空気が一変する瞬間がたまりません。この一瞬をつくるために、さまざまに入れ替わりたちかわり、テーブルを間に挟む人々。一番腹に何か持ってる主宰と看板の向き合う瞬間が、どきどきするのです。
あくまで落ち着く主宰を演じる川原安紀子、微妙に軽い制作(しかももと女優という設定)を演じる、いしいせつこ、看板女優に心底惚れた生真面目な劇団員を演じる竹原千恵、ゲネを見に来た女を演じるヒザイミズキが魅力。ゲネを見に来た男を演じる大谷典之は、あたしこっそり「若返ったミカイチ」と心で呼んでるのですが、賛同者は居ないよなぁ。
散歩道楽「レミゼ」
2005.8.30 - 9.4 「劇」小劇場
作・演出 太田善也 出演 ヒザイミズキ 郷志郎 藤本樹子 佐藤愛 安東桂吾 川原安紀子 太田善也 谷中田善規 竹原千恵 キムユス 川原万季 いしいせつこ 大谷典之
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