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2005.09.29

送別会が続く。

いろんな理由で、職場を離れる人々。会社の都合で長野とか、契約が切れてしまってという。お別れ会にどれだけの人数が集まるかというのは、ある意味バロメータなのですが、今週前半の二つの送別会は、ほんとにたくさん。

だんだん、気温が下がってきていますねぇ。

青年団@アゴラ、偽物4本のあとに、本家の登場は、若者の演出を観て、何かを変えてくるのか、そのままなのか。MCR@モリエール、36000秒出演の櫻井さんと、あひるなんちゃらの黒岩さん、あちこちから。風琴工房@トラム、柩(ひつぎ)という言葉をタイトルに使うのは、いのち、について描き続けている劇団の姿勢。あなざーわーくす@春風舍、体感型(王族席貴族席)と観るだけ(貴族席王族席)の二通りで観られるロミジュリ。RSHB@王子、情報持ってませんが、内海詩野さんが出演。リュカ.@新宿眼科画廊、ゴールデン街の向こう側、保険証いりません、画廊です。

競泳水着@どらま館、IQ5000@風姿花伝、スロウライダー@三鷹、ムニエル@TOPS,はらぺこペンギン@OFF OFF。

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2005.09.26

【芝居】「原宿物語6」マダムゴールドデュオ

2005.9.25 17:15

マダムゴールドデュオ(MGD)が最近上演している形態「のぞき部屋」のシリーズ、「原宿物語」の第六弾。あたしは初見です。原宿デザインフェスタギャラリーでの上演は終了。

原宿デザインフェスタギャラリーは、おそらく元マンションのあれこれの小部屋が、さまざまな展示を行っている建物。行ったことないけど、美大の学園祭ってこんな感じじゃないだろうかという、雑多なパワーにあふれています。その一部屋を使ったイベント。観客は300円を投入、メニューから一つ選んで札も投入。すると、覗き穴のむこうで芝居がされる、という自動販売機のような感じ。詳しくは劇団webを。

どこにでも持っていける、というポータビリティ、一本3分という手頃さで芝居を一日何十回もまわすという試み。過剰な色気のものあり、パワーで押し切る3分版電車男あり。観客の視点を一カ所に固定することで、逆にクローズアップや、一人称カメラ(アダルトビデオでよくある、あれだ)といった、映像の手法や文法を芝居が手に入れた、と思うのです。

一方で、一回一人という制約が、待ち時間を生むわけで、見る側からすると一種のばくちになります。一対一に近い芝居の試みは今までもあると思いますが(記憶する限りでは、美加里さんの茶室イベントとか。観てないけど)、近すぎる故にどうしても反応を求められたりしちゃうのですが、一対一なのに、お互いのインタラクションが求められないという安心感ゆえ、というのはある気がします。

3分圧縮版「電車男」「電車女」。引きこもり男がバンドデビューを果たし社会復帰するまでを描く「ゴハンとゲームとションベンウンコ」。危篤になった母を看病する娘の生まれる頃を描く涙の「女体の神秘」。さらに、別の部屋には女優三人を交代で使っての、ほぼ猫耳秋葉系風俗っぽい「ネコリータ」。

いや、好きですよ、こういうの。でも、見えてないとはいえ、近すぎて、しかも映像ではない生々しさゆえに、落ち着かないです。最後のとか。

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2005.09.25

【芝居】「ニセS高原・五反田団」

200509251430

これでやっと4バージョン制覇。何故か微妙に貧乏くささ漂うが実はとってもスタンダード。

細かいところはともかく、あまり手を加えない方向を選んだようです。それは実はかなり難しい方向。若い故の瑞々しさはありますが、じゃあ、何のためにこれをやっているのか、という面も。

平田オリザ版では、わりと裕福な人々が多い設定なのだけど、床をほじくりまわしたり、萎縮し、貧乏な空気が舞台を支配します。先入観かもしれませんが。

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【芝居】「屋根裏の都よ」メトロポリスプロジェクト16

2005.9.24 18:00

二人芝居300本を通して、街を浮かび上がらせようという企画。4年目で100話目に。あくまでも先に進む通過点だと、淡々と走り続けているのです。25日まで、江古田ストアハウス。

とはいえ、いままで舞台となっていたひとつの「街」を飛び出し、海外のあちらこちらを舞台にした初めての試み。街があるなら、街を出たらいいんじゃないか、という説明も尤もだし、外から見て初めて浮かび上がる姿というのもあるとは思うのだけど、どこか違和感は拭えません。

空港のトランジットを待つ小学生と女、女はいままでわからなかった外国に居る妹のところへ、彼女はどんなだろう、夢想する「こんにちは」。小学生が行った先は3年前に海外に転校していった友人のところ、小学校を見せてくれると行ったのだけど、校門で厳しい抵抗に出会う「ダーダミージョ」。リゾートホテルのプールサイド、日本ではなかなか見えない星のことなんか考えてしまう、男ふたりの「南十字星はいずこ」。待ち合わせる男二人、一夜だけ共にした女の行方を探してほしいという依頼を受け、どうやら探しだせたらしいのだけど「No Rain, No Rainbow」。カジノですっからかんになり、叫びながら友人に金の工面を頼む男、日本ではそんなキャラじゃなかったのに「カンちゃん、カジノへ行く」。小学校の中、現地の先生と話す小学生、でも呼んでくれた親友の姿はなくて「ダイアナ先生」。

圧倒的な笑いというのは少ない気がします。どこかおとなしいというか静かというか。「No Rain〜」はどこか大人のというかオトコの夢物語感満載。いったい二人に何がおこったのだろう、という感じ。「ダイアナ先生」の話の中からすけてくるのは、実は小学生にとってもっとも恐れる事態が解決できない、日本の姿なのだと思います。「カジノ」のシンプルさ、賭けを想いに転化させるのが巧いなぁと思うのです。「ダーダミージョ」で語られる外国の言葉はまったくの空想、一見でたらめなのに、すべて台詞として書かれている、なんて話題が、終演後のサロン、という企画。

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2005.09.24

【芝居】「ニセS高原・ポツドール」

2005.9.24 14:30

S高原の四演出家競作。言葉遣いのみならず、軽く見えるのに関係に関して敏感な昨今を緻密に。

青年団の行き着く先にポツドールのありかたを指摘するひとは結構いるのですが、セミドキュメント路線しかみてなかったあたしは、緻密さにびっくりするのです。あたし自身では使わないけれど、若い世代の言葉と、会話や関係に対する姿勢のようなものが、鮮やかにそこにある気がします。

関係を確認しながらでないと進められない会話、陰で別の関係をあからさまに否定することへの躊躇のなさ、熱しやすく「覚め」やすい感情。若いもんは理解できない、と感じるあたしにも、その裏で彼らの感情や考えはどう動いているかを、そこに並べて見せられている、という感じがします。

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【芝居】「インドのちから」とくお組

2005.9.23 18:00

男性ばかり6名での公演。インド料理店をめぐる、実はちょっとSF。あたしは初見の劇団。27日までシアターグリーン小劇場。

とあるインド料理店、突然現れた料理評論家に右往左往するスタッフたち、奥の手の料理を出そうとするが、ある失敗でそれが敵わなくなる。店主は古びた絨毯を抱えて、インドで修行したときの店に、数分で取りにいくと言い出す。

音楽がなかったり、全体の作りはわりとシンプルなのですが、厨房のセットは結構凝っています。ステンレスの大きなテーブル、洗い場など気合いの入ったもの。カレーも結構出てきたりして、ここも気合い入っています。

全体の台詞は微妙にぬるかったりします。ばかばかしさも含めて、このSF風味は開き直ってもっとエンタメに振ってもいいと思います。役者たちは若く、それぞれに味があります。若き店主、あるいはマスターの役を演じた役者に目が止まります。

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2005.09.23

【パフォーマンス】「笑わないで欲しい」ポタライブ・谷中編

2005.9.23 15:00

町なかを散歩するように移動しながらのパフォーマンスシリーズ。あたしは初見。あとは25日、西日暮里→日暮里駅。

出演者、作家によって随分やることは異なるのだと思います。案内の女性が土地のさまざまを語り、ギターで歌う女性が行く先々、観客の少し先を先導するかのような男性。

ギター演奏者と男性の間、言葉はないものの追いかけ、そこかしこで出会うような「空気」がありますが、今作に関していえばとりたてて強い物語やある種の街頭劇のような過激さはありません。むしろ街を借景しながら、パフォーマンスを優しく載せていく、という印象。

借景した街はわりと日常ではありますから、そこから何を抜き出して楽しむかは、かなりの部分を観客に委ねており、観客は積極的に散歩を楽しむことを求められるのです。たとえば、トリのマークでならもっと物語性を持たせていると思いますが、今作では、作られたものだけを観ているよりは、町に出会う、ということに主眼がある気がします。

谷中あたりの空気に触れる散歩ってのは、のんびりして気持のいいものです。ガイドツアー的な楽しさも。

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2005.09.22

どきどき

こころなしか電車も空いてる連休の狭間。そうだよなぁ。あたしも休む気満々だったのになぁ、なぜこんなことに。これから先を占うあれこれのある今週、うまくいくかなぁ。

そういえば、一人暮らししてから初めての国勢調査とやら。ええっ、家にいないといけないの。答えるの楽しみにしてるのになぁ。どうしたらいいんだ、これ。

芝居の方も、気持ち少なめな感じがします。ニセS高原@アゴラも終盤。あと2つを押し込んで土日の昼。

メトロポリスプロジェクト@ストアハウス、二人芝居300話を続けるマラソン企画、やっとこさ100話。以降、未見の劇団ばかり。とくお組@グリーン小劇場、創造工房in front of.を母体とする劇団、コメディなんだとか。ポタライブ@谷中、これも未見、駅で待ち合わせて散歩しながら、という芝居なのかなぁ、毎週のようにあちこちで。○素(zero zero)@風姿花伝、凄いタイトルだなぁ。インベーダーじじい@iwato、恩田ツアー@麻布die pratze。

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2005.09.20

そんな一日。

あさ起きたら10時。ご飯炊いてたはずなのに、スイッチ入れ忘れ。じゃあ、その時間で、だだ茶豆ゆでて、家には数少ないビール呑みますか、で始まるいちにち。で、ご飯食べて、NODA MAP先行の電話挑戦するも1時間で諦めて、あわてて電車に乗る。

5分前に劇場に着いたと思ったら、1時間開演時間を勘違いして、まだ何も準備できてなくて。で、auショップ冷やかして、W31Sの在庫がなくて(当然か)、担々麺食べて、芝居。終演後渋谷に向かって歩き始めるのだけど、思いついてナビウォークなしで違う道を歩いてみるのも楽しくて。劇場前を通り過ぎて、マックでコーヒーの時間つぶし。ソワレを見て、友人たちに会う。

誰にも会わないはずだった今日なのだけど、お祝いしてもらったりして。(いえ、呑んでるだけですが)。それがうれしい。これはずっと続くのかなぁ。そもそも誕生日なのに、昼夜の芝居は、どちらも死にまつわる話で。これはこれで思うところありますが。

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【芝居】「ニセS高原・蜻蛉玉」

2005.9.19 19:30

平田オリザの戯曲を、4人の演出家が競作する企画。紅一点の作戦は、視点をひっくりかえすことで、じつはほとんどを書き換える、という方向のよう。あたしはこれ、好きです。27日まで、アゴラ劇場。

サナトリウムのような療養施設。静かに死を待つ人々。外から友人や恋人たちが訪ねてはくるのだけれども、明らかに流れる時間が異なる。というS高原の基本のパターンは踏襲。蜻蛉玉はすべての役の男女を入れ替える、という方法をとりました。

結果、なかなか訪ねてこない恋人は、大悪党のように描かれ、テニスをする面会人の男はこの上なくいい人になり、新しい入院患者はあきらかに妙な人になります。恋人の別れの予感は、当初からあからさまに描かれていますが、きっと彼女たちの視点では、あたしたちのやり口が、あのように見えているのだと思ったりします。あるいは、外車に乗って登場する彼の、こちらの都合など考えてくれない、しかし悪意のない突っ走りに戸惑うのも、彼女たちの視点なのだろうと思います。

方法としては古典的な思いつきですし、物語としてはバランスを崩しすぎてめためたになってる気もします。が、あくまで静かに耐える男たちとは違う視点の持ち方は、物語そのものを変えてしまっていると思うのです。

設定は富山あたりらしいのです。医者たちの大らかな感じが、もとのS高原とは明らかに違うのですが、全体として陰鬱になりがちな流れの中では、安心してみられる緩急になっていると思うのです。

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2005.09.19

【芝居】「脈拍のリズム」ユニークポイント

2005.9.19 15:00

事故にあった夫婦のこわれゆくさま、潜む悪意の姿が見える舞台はずっしりと重いのです。公演は終了。

平和に見える夫婦、突然事故で失う娘。半狂乱にも近いヒステリックな反応はやがてゆっくりと夫婦を壊していくさまを描くのだけど、彼ら夫婦がこだわった「原因」とは。

重苦しい緊張が続く舞台。どっぷり疲れはしますが、見応えがあります。芝居としてそれほど多くとっぴなところがあるわけではないのです。芝居らしく見せているのはひとえに終幕近くで明かされる事実なのですが、じゃあ何か解決しているかといえば全く解決してないというのが芝居的だなあと思うのです。

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2005.09.18

【芝居】「北極星から十七つ先」KAKUTA

2005.9.18 14:00/19:30

11年目のKAKUTAは「星の一年」と題した3つの公演を予定。その最初。田舎の駅を舞台にしたロマンチックなような、そうでもないような話。ダブルキャストで19日までシアタートラム。両キャストの違いは、場所の設定、方言程度。キャストそのものの差が一番大きいのですが。

客もあまりいない田舎の小さな駅、新任の駅員の配属と居なくなる駅員。100年に一度の大流星群にあわせて特別列車が出たりしているが、その会場は隣の少し大きな町で、この駅には、多分とまらない。待ち合い室を埋めるのは、行く当てなく居続ける女、誰かを待つわけあり風の女、隣町のイベントに出ないと云うコーラスのグループ、骨壺を胸にずっと居る男と、近所の人々。

初演は明石スタジオ。舞台の大きさはいったい何倍なのやら。とにかくどたばたと動き回る人物たち、いれかわりたちかわり、いくつかの話の並行も一本にまとまることなく進みます。明石スタジオの規模ではそれが勢いやパワーに転化していたと思うのですが、トラムの舞台においては、少々厳しく働いてしまったようです。複数の流れがややこしさを生んでしまっているようです。混乱が混乱のまま終幕してしまうベガ、終盤で一気にねじ伏せるように場面を作るデネブ。どちらも規模と声の大きさ、演技のスケールを掴みかねている印象があります。

とはいえ、この規模の劇場にどれだけの時間で上り詰めてきたか、若いカンパニーであることを考えれば、求められている水準をはるかにクリアしているとはいえます。ベガサイドは全体に若い感じのするKAKUTA俳優陣に客演を迎えた感じ。もともとは「あてて書かれた」印象のあるいくつかの役を別の役者に振っているわけで、かえって力が分散してしまったような印象になるのももったいない。割り振りの問題はデネブにもありますが、ところどころを押さえている感じを受けます。

とはいえ、口当たりがよくて少しやさしい感じ、誰が見ても楽しめるというタイプの舞台。芝居に求めるものはひとそれぞれでしょうが、軽演劇的な方向を見据えた彼らは、着実に地固めをしているのです。

台詞を追っていくとおかしなことは山ほどあります。国鉄からの26歳が居るのに、携帯やサイトの話。東北の話だと思うのに、「したっけ」という言葉。(東北でも、したっけ、という言葉を使うところはあるのだそうです。ご指摘感謝。それどころか、茨城、房総などでもあるのだそうです。)が、作家の意図はそんなことはどうでもいいのだと思います。リアリティなのではなくて、どこでもない、しかしフォークロアな場所を、田舎の駅の待合室に求めたのだと思います。結果、かなりごった煮なのですが。

本来、軸となるのは売店の女、無断宿泊した女、弁当を持ってくる女の、地元の同窓3人の女性と、その3人の姿を一日見続けている若い駅員なのだと思います。初演は、このトライアングルを劇団の女優たちで固めているのが安心感だったのですが、今回は客演だったりシャッフルしてしまったためにバランスが微妙になっている気はします。が、それでも軸は変わりません。この3人、売店の女から見るとあまり話したことさえない同窓生、この距離感の微妙さが実に巧いのです。

中盤、おにぎりを詰まらせた女の台詞「背中、たたいていて」が印象的。それに応える男、一回目と二回めの差が絶妙。終盤に居座った女の姿が、さっぱりとしたベガと、女の子でありつづけるデネブの差が興味深いのです。

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【芝居】「ウィンズロウ・ボーイ」自転車キンクリートSTORE

2005.9.17 18:30

自転車キンクリートSTOREの3本連続上演の最初。始めこそ空席の噂を聞きましたが、今日は補助も出る盛況も納得の3時間。18日まで俳優座劇場。

自転車キンクリートSTOREはあるときから、新劇になったと思うのです。あたし、ホントは作家の言葉を聞きたいのですが、それはずいぶん叶えられていません。が、海外の戯曲を探し、試し、紹介する彼女たちの視線は確かなのです。

子供を巻き込み、海軍を相手にした裁判。それなりに余裕のあった家庭が多大な犠牲を払いながら続ける戦いの行方。

基本的には裁判劇なのですが、場所はリビング、相手側もでて来ません。それでも裁判所の様子がありありと見えるのは、弁護士登場のシーンが印象的だからなのだと思います。そういう巧さが散りばめられた作家の力。

言葉は正直、翻訳臭さが残ります。時代がかった内容や台詞、こ難しい用語や言い回し。それでも長い上演時間を前のめりで観させるたしかな演出、役者。

馬渕英理何は舞台のたびに違う顔、声の高さはあるものの、理知を感じさせ。メイドを演じた田岡美也子のおおらか。中田喜子を舞台でみるのは初めてだとおもいますが、ものすごい役者の力、というのをまのあたりに。

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2005.09.17

【芝居】「しずかなごはん」ジャブジャブサーキット

2005.9.17 14:00

20周年を迎えるJJC、昨年の人気作の再演。20日までシアターグリーン小劇場。

摂食障害のクリニック、有名人だった女性のホームページにかかわる文字化けと日記の謎。

人間は傷くものだし、傷つけるものだし。癒すことが全体を貫く感じがします。その視線をささえる魅力的な役者陣、もちろん、作家の確かな視点ゆえなのですが。

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2005.09.15

ビーギョっ。

太田垣晴子、という漫画家というかイラストコラムを書く方がいらっしゃるのですが、彼女の名言、「ビーギョッ」。つまり、ビールと餃子ってことなのですが、とりあえず頼んで、ぷはーっ、ということなのですが。ご飯食べ損なって、帰宅途中、駅と反対方向に歩いて見かけた中華料理屋。だらりと宴会出来る感じのいいお店。ビーギョのあとに、麻婆丼。辛くなくて寂しい。そういうときは思い切り胡椒かけて(S&Bの安いやつがいい)食べると、ちょっとランクアップしてると思うのはあたしだけですか、そうですか。

iPod nanoを買ってしまって久しぶりにiTunes生活。PodCastingもそこら中のを放り込んで、ちょっと楽しい。デイリーポータルZラジオ柳家三之助東京ネジ澤田育子(つか、一ヶ月更新を止めてるってのはどうなのだ)などの音声コンテンツが面白かったり。別にiTunesだけのコンテンツじゃなくて誰でも聞けるんですけどね、ほんとは。

芝居の週末。三連休ひとつめ、んで37歳最後の。

自転車キンクリートSTORE@俳優座劇場を土曜夜、KAKUTA(ダブルキャスト)@トラムを日曜昼夜に決定。

ノスケ第14回@お江戸日本橋亭は、二ツ目噺家二人のネタおろしの回。椅子も座布団もある気軽なスペースで。ニセS高原@アゴラ劇場もあと3本、消化しなくちゃ。ジャブジャブサーキット@シアターグリーン小、改築したシアターグリーンは、まるでシネコンのように複数劇場をもつテアトルコンプレックスの開幕シリーズ、食に関する実は深刻なものがたり。明日図鑑@三鷹市芸術文化センター星のホール、小さいのに実は空間を埋めるのがとても大変な劇場でどう取り組むか。ユニークポイント@OFF OFFシアター、面白いという評判も漏れ聞こえ。以降、たぶん行けそうもないけど..演劇雑貨店、DOProduce、InnerChild、JACROW、NLT、ネコ脱出、絶対王様、大川興業。

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2005.09.14

【映画】銀河ヒッチハイクガイド

2005.8.13 21:00

英国のウイットあふれる笑いでカルト的人気、らしいSF小説の映画化。宇宙のバイパス建設で、地球が撤去のために爆破された。唯一の地球人の生き残りとして、遭遇したこともないような冒険物語が始まる。

じっさいのところ、コメディですから、膨大なCGも結局のところは壮大な無駄っぽさが味。笑いとはいいながら微妙なバランス。イギリスらしい、といえば確かにそうなのだけど、ちょっとわかりにくく感じたりもするのです。

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2005.09.11

【芝居】「スケッチブックボイジャー」キャラメルボックス・ジェミニキャスト

2005.9.11 14:00

創立20周年の記念公演、12日までサンシャイン劇場(別キャスト)。多少挟まる、劇団にまつわるネタも20周年ゆえ。

一ヶ月の間をあけたので公正な比較とはいえないのだけど圧倒的にバランスがいいのは、こちらのキャストだとおもいます。漫画家・「のはら」 のわがままと、その変容がくっきりしていて、すっと腑に落ちる感じ。それが、のはら役の役者の力のせいだとは必ずしも言えない気がするのは芝居って難しいなあと思うのです。

大森・西川・真柴はさすがに圧倒的。大木・三浦のコンビは、新しい時代への息吹き。海賊、温井摩耶が印象に残ります。なぜか全体に隙のないようにつくられている気がするのです。

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【イベント】「西原理恵子の”居酒屋煮え煮え”リターンズ」ロフトプラスワン

2005.9.10 19:00

新宿コマのすぐ近く、地下2階のトークイベント中心のライブハウス(居酒屋ですが)、ロフトプラスワンの10周年記念の最後を飾るのが、3年前に一度やったきりで以降なかった、漫画家の西原理恵子さんのイベント。ローソンチケットの前売りも熾烈を極めて3分ほどで完売、なんとか取れたので。

プラスワンの入り口近くで、余らせてしまったチケットを譲ってもらおうという人々。彼らの中にさえ、老若男女とわず幅広いプロファイルの人々。大ブレークではないけれどしっかりと心を掴んでいるということがよくわかります。あたしも、その一人なのです。

誰もが気になる、裁判の行方。あたしは一方的なファンですから、何が何でも信じてしまうのですが、その経緯を説明。応援するのです、あたしたちは。そのあとにゲスト。中瀬ゆかり、岩井志麻子を加えた女性3人はどこまでもどこまでも、ある意味下ねたを続けるのです。若くはないのに、こういう人々って居るんだよなあ。 そのあとは、サトちゃん、を召還、二人の女性の間で、あたしにどうしろと、な感じ。自分の顔の手術をビデオで上映して(悲鳴あがる)、高須院長が登場。間違ってる医療知識があれこれ指摘されつつ、しかし彼女は、これしきのことでは変わらないのだろうと思うのです。

それにしても40歳から60歳ぐらいまでの人々なのに、なんでこんなにつやつやしてるんだ。そのパワーの源は何なんだろう、と思ったりします。

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2005.09.10

【芝居】「ニセS高原・三条会」

2005.9.10 14:30

青年団・平田オリザの代表作、S高原を4人の若手演出家が競作する企画公演の1本。27日までアゴラ劇場。

サナトリウムを舞台に死と隣り合わせの人々と来訪してくる友人たち。その対比に見えてくる想いとすれ違いという話そのものは同一。

的、というかクナウカにも似た腹の底から響かせるような発声や、出ハケを一定方向にしたり対称性を意識した役者の配置、何役も重ねる配役などあの手この手でねじ伏せようと演出は試みているように思います。

リミックス的な面白さは確かにでています。が、特に配役のこころみが仇になり、人間の関係は酷く追いづらくなってる気がします。オリジナルを知っていればともかく、本作で初めてS高原に触れる観客にはどう映るのか知りたい気もします。

終盤、患者たちが横になるシーン、来訪者や医者たちとの時間の流れの差を見せる演出は面白いのです。

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2005.09.08

秋が来た。

台風で幕をあけた週、北海道までやっと。雨もすごかったし。久しぶりに怖い感じでした。仕事もあれこれ起きたり進まなかったり、ひっくりかえしたり。そのうえ火曜日はおなか痛くして家から出られないの図。どうでもいいけど、おなか壊すと、なんであんなに情けない気持ちになるのだろう。

週末。芝居じゃないけど、西原理恵子ロフトプラスワンがとても、とても楽しみ。 キャラメルボックスのジェミニキャストまだ見てないのに、そろそろ終盤に。あせあせ。

つかですね、以下の一本も観られない可能性ありだけど、いざというときに備えてリストアップ。自転車キンクリートSTORE@俳優座、ラティガン連続上演のトップ。ニセS高原@アゴラ、まだ一本も観てないのに、制覇は可能なのか。危婦人@高円寺カフェ、一ヶ月週替わり連続公演、第二週。以下、未見の劇団列挙。PrittyPinkPrincess@ブラッツ、まったくの未知数、ファニーな少女タッチのチラシ気になる。各駅停車@OFF OFF、静か目にみえるチラシ、狭い空間で濃密なのかなと。バカバットギター@シアターシャイン、志村@パンプルムス、中野ガールズブラボー@テルプシコール、アーノルドシュワルツネガー@駅前、PLASTIC POINT@新生館、カリガネボタン@スパーク1、帰ってきたゑびすは初見じゃないけど、観たのはいつのことだったか。ブルドッキングヘッドロック@三鷹、アロッタファジャイナ@COREDO。つうか、世間的には、吉原御免状@青山、天保十二年のシェイクスピア@シアターコクーンが注目なのでしょうが、そこには見向きもしないのは偏ってますかそうですか。

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2005.09.04

【芝居】「レミゼ」散歩道楽

2005.9.4 18:00

地方劇団の東京初公演、始められないゲネを舞台に、芝居へのというより過去の人間関係やらを少しばかり底意地悪く。劇小劇場での公演は4日夜で終了。

「日本のヘソ」から来た劇団の東京初公演。レミゼを下敷きにした方言ミュージカルの初日昼、ゲネ直前。舞台に入りきらない書割り、劇場はおろか下北沢駅にすらたどり着けない役者、無くなる小道具。ゲネを見に来た知り合いが時間足りず帰ろうとしたとき、小道具破損の疑いをかけられ。

下北沢の有名店「アンゼリカ(パン)」「眠亭(中華)」「ビレッジバンガード(本屋?)」「茄子おやじ(カレー)」「夢や(カレー)」、あるいは小劇場界隈で使われる「ローソン横の庄屋の二階」、「行かないよ、打ち上げ、知り合いいないもの」「打ち上げで舞台の出来を聞かれた時のかわし方」などを折りまぜ街と芝居する人々への愛情。地方の劇団の女優が東京で一旗挙げるための上京、帰郷などよくあるといえばよくある背景に残された人々のキレイゴトではない恨みと想い。救いない結末をギリギリでふみとどまる力。

よくあるバックステージものとは何段も違う感じがします。 あたしは、こういう過去の広がりが透け見える話が好きです。看板女優と主宰が対峙し、まわりの空気が一変する瞬間がたまりません。この一瞬をつくるために、さまざまに入れ替わりたちかわり、テーブルを間に挟む人々。一番腹に何か持ってる主宰と看板の向き合う瞬間が、どきどきするのです。

あくまで落ち着く主宰を演じる川原安紀子、微妙に軽い制作(しかももと女優という設定)を演じる、いしいせつこ、看板女優に心底惚れた生真面目な劇団員を演じる竹原千恵、ゲネを見に来た女を演じるヒザイミズキが魅力。ゲネを見に来た男を演じる大谷典之は、あたしこっそり「若返ったミカイチ」と心で呼んでるのですが、賛同者は居ないよなぁ。

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【芝居】「俺やる!〜じゃあ俺もやる」マーク義理人情

2005.9.4 14:00

男ばかり4人、高いテンションと過度にシャイな感情がいりまじるマー義理の新作。4日夜までストアハウス。 高三の夏、引退になる野球部員たちだがふっ切れない。どうやってふっ切るかを相談するうち。

行き場のないパワーを意味のないテンションで暴発させる役者、そのくせ過度なシャイさも。物語よりもその枠組だけに意味がある気がします。

高校生自身ではなく若くはない役者が「演じて」いるしたたかさは彼らの持ち味。 観るようになって3回目ですが、パターンが何処か似てしまうのは厳しいところ。

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速報→「神の領域」猫☆魂

2005.9.5 19:30

笑いに寄ってる感じのする劇団名とは異なる、静かめで深く怖い物語が実は特性なのではないかと思う猫☆魂の新作。SFの枠組み、でもヒトのなせる限界を。5日まで駅前劇場

研究室で生まれた機械人、こうなってしまった世界を救うためには、起点を変えるしかないと過去に。姫のわがまま、生まれてくる子供、人食い。

微妙な笑いを挟みつつも、フラットに続ける会話。かなり後ろの席ということと、直前に食べた晩ご飯が眠気を誘うのだけど、なんとか見続けるのです。派手さはありません。どんな手を尽くして、できたとしても最終的には変えられないのは、神の手なのでしょう。

長田奈麻の姫、強気も猟奇も自在。秋澤弥里の妻、可愛らしくしかし母らしく、舞台の中で母性を描く唯一の立場。ほんとうに人造人間のような、小村裕次郎は、舞台の勢いをつけ、目が離せません。

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2005.09.03

【芝居】「なみだくじ」クレネリゼロファクトリー

2005.9.3 15:00

女優・本多真弓の主宰するユニット、クレネリの新作。大人になれない不安定な人々を、初の外部演出で。7日までスズナリ。

自殺の名所な深い森ちかくに建つ廃業寸前の兄妹の住む民宿。作家でもあるらしい妹とその元彼、自殺願望の女、住所を訪ね探してきた女などそれぞれの問題。

各々の抱える問題は、唐突に語られ、あまり解決したようにはみえないまま先に進みます。そのため、観る側からすると物語を追うのはひどく難しい気がします。

こんがりあい、不安定な人々を、アミダくじや凧あげを使って描くのが秀逸。確かにあのいりまじり感は、アミダっぽいのです。

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2005.09.01

西原理恵子が好きです。

8月さいご、夏が終わる感じ。宿題はまだ片付いてないとあたふたしてしまう感じです。異動する人がいたり、結婚する友人がいたりなど変化を感じる今週。

あたしは西原理恵子、という漫画家に全面的な信頼を寄せてしまうし、へこたれたときには必ず読んでしまう座右の書だったりするのですが、なぜかニュースに(作家の声明)。事実関係わかってないので、コメントはしませんが、あたしは信じ続けるのです。そういえば、新宿ロフトのトークイベント、来週だ。チケット余らせ中なのだけど、誰か行く人いないかしらん。

週末。散歩道楽@劇小劇場、「レミゼ」というタイトルとは全く関係なく、あの名作とは一切関係ない、意欲作なのだとか。ニセS高原@アゴラ、は今週も続いてて、評判もいい感じ。マーク義理人情@ストアハウス、男ばかり、しかもイキオイ勝負のように見える芝居なのだけど、実は確かな力を無駄に見える発散する凄さかと思い始める今日この頃。クレネリZERO FACORY@スズナリ、東京タンバリン高井浩子さんの演出、魅力的な役者たち、乙女心感満載のチラシ、いくしかあるまい。and Me@スタジオAR、そこに行くまでの世田谷線が実はすき。トリのマーク@日の出桟橋から浅草、リーディングの地方公演から帰ってきた彼ら、東京では船上パフォーマンスから夕暮れはオリエンテーリングの企画公演、芝居というより、街をポタリングする楽しみ。猫☆魂@駅前劇場、小劇場好き的には、長田、小村、秋澤のラインナップで何ができるのか、興味しんしん。ひげ太夫@ポケット、ずいぶん見てないなぁ、女優ばかりの役者も完全に入れ替わってるけど、ストイックな身体の芝居という意味では、あたしはピスタチオの正統な後継だと勝手に応援。BQ-MAP@サンモール、ギリギリエリンギ@立教大学の横、シスカンパニー@青山円形。

明日は9月。電車混むのかなぁ、週末の呑み屋は混むのかなぁ。涼しくなってきたのはうれしいす。

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