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2005.07.31

【芝居】「緋色の屋根」リュカ.

2005.7.31 18:00

新宿駅からだと、ゴールデン街の先、新宿眼科画廊、という一風変わった名前の画廊(しかも診療はしてないで、結婚前の男女と兄弟、顔合わせの会の、立ち話を点描。公演は終了。

11月に予定している初の再演作を前に、今回、9月と続くサイドストーリーなのだといいます。

結婚を前に集まる家族、そのうちの結婚する二人、新郎側の兄、姉の4人の立ち話。とめどない、何気ない、探り、振り返えり重ねる会話。やがて、子供のころの赤っぽい屋根の色に想い及ぶ会話。

繊細というのとは少し違う、あまりに自然な会話。芝居は何かが起こるものだと思っていると、それは裏切られる気がします。語られるべき物語は初演本編を観ていなああたしには見えづらいのです。それでも、細やかに重ねられる会話を、耳そば立てて聞き、自分の身体に染み込ませるプロセスが心地よいのです、体力は必要なのですが。

なんかですね、役者が大人だなぁと思うのです。物語の雰囲気ゆえ、なのか、役者たちから出てくる何か、がそう感じさせるのか、いまひとつわからないのですが。

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【芝居】「本物くん」凪沢渋次プロデュース

2005.7.31 14:30

元・つめきりの足立道彦・福永光弘を核にしたプロデュースユニットの公演、3回目。懐かしい音楽や漫画を散りばめながら、30代の仕事に少しアブラが乗った時期の気持ちを射抜くのです。公演は終了。

売れるような漫画がかけない漫画と担当編集、ウケる新連載のための悪戦苦闘。その漫画の話の中、穴掘りに天性の才能を持つ本物くんと友人、その才能に目をつけた企業に取り込まれる姿。流行を紹介する、というより仕掛ける情報番組と裏側。3つのシーンが織り交ざりながら進んでいきます。

3つの物語を貫く、「やりたいことを仕事にする」ことの難しさと、自分の情熱との折り合いのつけかた。売れること、ウケること、したいこと、いいものでやって行きたいとは思うのだけど、そうはいかないのもまた確かなことで。

ことさら、何かを勝ち取ろう、糾弾しようというのではなくて、そのズレの形を様々に提示して、ありのままにその違和感を見せることに作家の視点があるのだとおもうのです。

その視点はサラリーマンには腑に落ちる、地に足が着いた感じがします。みずみずしかったりはしないのだけど、会社員の端くれなあたしの気持ちには共鳴するのです。バラエティ番組の収録を見せる部分、オープニングやそこかしこの映像など、必要以上に手間をかけてディテールを作りこんでいる感じjがします。経験はないけど、これもなんか地に足がついた感じ。

今更ではあるのだけど、ウエストエンドスタジオという劇場の上階からの騒音は相変わらず。今回の芝居に関して言えば、強力な音響で抑え込んでいるために問題になるほどではありません。が、前回公演でも使っているわけで、初めて使うというのならともかく、2回目なら、此処を使わないという選択もあるのかな、とは思います。

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【芝居】「プリズム・ハッチ」プリズム

2005.7.30 19:30

山手事情社の女優・水寄真弓の企画公演、八回目。前回よりは広い店で。31日までまで、中野と新井薬師の間あたりに位置する、レストランkanna

今回は、「禿の女歌手」(イヨネスコ)というぶっ飛んだ不条理劇の一部分を切り取って展開という趣向。切り取った場面を様々に変奏する確かな力。客に書かせた通りに演じるという、ハプニングを折り込むようにするのも凄い。アンコール込み105分ほど。

完全にカウンター式のバーだったいままでとはまた別の雰囲気、気さくでご飯が食べられるお店という感じ。店の空間の雰囲気はずいぶん変わったけど、狭い空間で楽しく観られるのは変わらず。

アンコールは、イヨネスコから離れて、「男女二人がグッとと来る瞬間」を演じる趣向。夜公演のあとに設定されたパーティでは、さらに何本か同じような趣向のお楽しみも。これもまたハプニング。

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2005.07.30

【芝居】「ザディッグカメラ」トリのマーク

2005.7.30 16:00

むしろ劇場公演のほうが少ないトリのマークの新作。カメラとはいっても一風変わった道具の話。31日までスズナリ。

大きな枠組を据え付けた店らしい場所。入れ替わり立ち代わりやって来る人々。 謎めく、というより妙なキャラクタオンパレード。知るか!が口癖のぬいぐるみ、今で云うが口癖の隣人、なんか通信してる男、出来ません!と叫ぶ女などあれこれ。

謎が謎を呼ぶ、わけではなくとっちらかったまま進む時間。ストーリーを追うのはかなり難しいのです。冒険者のような凛々しい女はすこしストーリーらしきものを見せますが、それが軸とも思えないのです。

最初の場面で云う、記憶の中にいる印象の強い人物の断片を見せているのじゃないかと思うのです。そこかしこに見え隠れする、記憶ということへの想い。笑わせるキャラクタほどには、わかりやすい話ではありません。彼ららしい語り口ではあって、かつてはこういう雰囲気が普通だったなと思いますが。

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黒部に行く。

DSC01771

夏休み、まずは一日。どうしようかと思ってたのですが早起きして、富山から長野に抜ける黒部立山アルペンルートに。気楽な格好で行っても、全部乗り物乗り継ぐだけなのでいけます。マイナスイオンを存分に浴びて嬉しいのです。今回の最大の目的はクロヨンダム。プロジェクトXとか、中島みゆき@紅白とか、まあ、あそこです。なんかね、巨大なダムとか、観光放水の姿とかずーっと見てたいなぁと思っちゃうのです。

でも日帰り。ダムの手前側で、ずっと上の方から遠隔写真をとってくれる商売があるのですが、やりたくてしょうがいないけど、おとこひとりでやると、かなりイタイ、ので断念。朝から少しずつビールと食べ物を摂取しながら抜けました。帰りは信濃大町。去年はあれだけ出張した安曇野を抜けて、出張のときと同じ特急にのって帰ってきました。また行こう、って思いましたです。

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2005.07.28

台風一過

台風だと思って近所まで早めに帰って、中華屋でビール、ギョウザ、定食で幸せ。これはこれで充電に。先週末なんとか乗り切って、でも決めなきゃいけないことはたくさんあって。もたもた、よたよたしながら先に進んでいる、と信じて。

駅のこっち側にオフィスが引っ越してきて1か月。ビルの眺めも慣れてきて、そこそこに快適に。昼ご飯の仕出し弁当はまあ、不満ないことないけど。オフィスから駅までの間に人の波がとぎれない、というのは、気持ちが高揚したまま電車に乗るということで、今までとは違うバイオリズムになってる気もします。

週末。プリズム@中野カンナ、山の手事情社の女優・水寄真弓さんの企画ユニットは30人ばかりの小さなお店で、ドリンク付き、迫力と気楽さが魅力。トリのマーク@スズナリは、彼らには珍しい劇場公演、どこでもないここ感が楽しみ。早めに行けば、カメラキットを売ってくれるとか。リュカ@新宿眼科画廊l、診療はしてないらしい画廊にて、小さなスペースで満席間近。青年団若手公演@アゴラは、別役戯曲をどう演じるか、たのしみ。凪沢渋次プロデュース@ウエストエンド、魅力的な役者陣、劇作のレベルアップを楽しみに。空間ゼリー@pit 北/区域、あれあれ、またダブルキャストなのか...。ホチキス@モリエール、スクエア@三鷹芸術文化センター、毛皮族@本多。

でも、金曜日はお休みを入れられそう。こんどこそ、なんとしても芝居じゃなくて、一人旅でもいいからでかけてやるっ。

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2005.07.24

【芝居】「心をこめてぼったくれ」乱発タックル

2005.7.24 19:00

圧倒的なテンション芝居で見せる清水宏の劇団、2回目公演。決して若いとはいえない役者たちのテンション芝居、実は見応えタップリ。公演は終了。

田舎のヌルいスナックのヌルい客たちのヌル空間。それはそれで安定していた。そこにやって来た金髪の見慣れない客はあっという間に場の雰囲気を持っていってしまう。わけのわからない欲望の渦に巻き込まれる店。

清水宏といえばテンション。スナックの中で好きなホステスにろくに相手もしてもらえないのに常連で通ってしまう客の姿。実体験としてはなくても、なんかそれをペーソスと感じてしまうのは、オヤジになったからですかそうですか。 ヌルい雰囲気から一転、一気に欲望のるつぼと化す落差が面白いのです。

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【芝居】「水平線ホテル」M.O.P.

2005.7.24 14:00

京都の人気劇団、実力派の役者揃いが魅力なのだけど勢揃いは随分と久しぶり。小島に建つ古いホテルのロビーを舞台に緊張感あふれる話。28日までサザンシアター。e+の得チケ割引も平日にはでているよう。

第二次大戦下のイタリア。孤島に建つホテルには、少しくせ者揃い。そこに親衛隊が現れてホテルを封鎖するという…

笑いはどちらかといえは抑え目なのだけど、特に看板役者でつくる終盤の緊張感溢れるシーンは見応えあって印象的。 当日パンフで彼ら自身が云う通り、集大成的というのは、過去作品のどこかに既視感あるということでもある気はします。そのために不安感なく観られるのはメリットともいえます。

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リスク

実はどの建物もあまり壊れていないぐらいの地震で、でも、交通機関は大混乱な地震。いろいろ、リスクもあるわけで。

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【芝居】「姫が愛したダニ小僧」フジテレビジョン+ネルケプランニング

2005.7.23 20:10

開演40分押しに+30分遅刻。それでも、物語に入り込めるぎりぎりの時間には間に合って。Piper旗揚げ公演(って大阪球場だっけか)、若者たちへの2回の再演を経ての4演目なのだとか。あたしは初見。でも、98年頃の後藤ひろひと大王の脚本の、ファニー・ファンタジー(=バカ芝居+少しの素敵)は、96年のダブリンから始まり、人間風車、FORKER、世界で一番早い女に帰結する流れの真ん中にあるのです。31日までアートスフィア。そのあと札幌、仙台、愛知、大阪、広島は8/26。

前半1/4観てないので、パンフレットを見ながら。廃墟ビルに昇る中年男、出会う奇妙な男が話すものがたり。老人ホームを訪れる身内のふたり。車椅子にのる老婆は、自らを「すみれ姫」と名乗り、あえなくなってしまった愛しきダニ小僧を捜してほしいと、頼む。そんな話しはあるわけがない、はず、なのだけど。

アートスフィアって劇場というか、その建物はバブルな時期のものなので、実は豪華に見えて安っぽいもの満載なのですが、劇場の中で、高めの芝居なのに、チープな書き割りとか、微妙なわけわからんキャラクタとかが実はたのしいです。

ばか芝居の部分多いのは、でも、遅刻してしまった身には、ものがたりを引き延ばしてくれた感あるのですが、最後の一瞬でするすると繋がる感じのおもしろさも、後藤大王のものがたりのちから、また出会えたのです。

昼は西田シャトナーの凄さにあてられ、夜は腹筋善之助の相変わらずのパワーが好き、なのは何の偶然ですか

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2005.07.23

電車止まってるし(;_;)

無事には感謝しなけりゃいけません。たまに前売り持ってりゃ、こんなぐあい。新宿まではなんとか。天王洲は遠い。

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【芝居】「はばかるな」七里ヶ浜オールスターズ

2005.7.23 15:00

核を武器に高円寺の地に独立を勝ち取ろうとする若者たちの無邪気な、独立の話し。25日まで高円寺明石スタジオ。

若い役者たちの体温の面白さで飽きない感じ。嘘のめちゃくちゃさも目をつぶるにしても、なんか登場人物たちの気持ちの動きが腑に落ちないのです。とりわけ、最初に呼びかける一人は結局何のためにこれをやらかしたのか、あたしには見えなかったために、ものがたり全体が唐突な感じになってしまったのが惜しいのです。

土曜日の日替わりゲストは、西田シャトナー。無茶な暴れ具合は最初呆れつつも、やがて引き込まれるさすが。退場直前の地震はタイミングよすぎ。笑いごとじゃないけど。

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2005.07.21

どきどき。

今日の占い@めざましテレビでは、「親切な人からお誘いが、恋に発展する可能性大」。今日発売の「ぴあ」では、「仕事へのやる気がとめどなくわき上がり~中略(それはさておき)~恋愛は今までひそかに想い続けてきた相手から突然の告白を受けるなど」 え、もしかして、いい話ですか。どきどき。

というか、週末迎える前の会議が、とっても(別の意味で)どきどきなんですが。うまく乗り越えたい。

土曜夜は天王洲の後藤ひろひとを観るのが決定。22日夜の三本締めの会@池袋演芸場は難しいかなぁ。

M.O.P@サザンシアターは、とても久しぶりの劇団員勢揃い。クナウカ@国立博物館、噂には聞いてるけど未見の博物館地下の雰囲気。七里ガ浜オールスターズ@明石スタジオは日替わりゲストが楽しみ。壺会@ブラッツもかなり気になるラインナップ。top quark@荻窪ミニヨンは旗揚げ面白かったの二回目、楽しみ。シスカンパニー@トラム、乱発タックル@駅前、東京デスロック@春風舎もどうしよう。

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2005.07.18

2005年上半期。

今年も半分をずいぶん過ぎてしまいました。6月までに観た芝居は、122本でした。

あたしは、何かを「選び取る」ってのがあんまり得意じゃありません。面白かった芝居をあげるってのも、えいやって感じなので、明日やるとまた違ったりして。いろんなことを迷っても、結局はゆるがないように選び取る力ってのが欲しいのですが。(いや、芝居のことだけじゃなくて)

とりあえず、リストアップのみ。

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ミュージカルバトン

芝居好きの間で書くときには「えー、そんなにミュージカル観てないしなぁ」というお約束はさておき。ミュージカルバトンは、一種のチェーンメールじゃねぇかとか、これたどれば、マーケティングデータ気楽に集められるじゃないかと思ったりもしますが、気持ちの余裕さえあらば、乗っかるもよし。

はやってる、という実感をしたのは2ヶ月ぐらい前でしょうか。いまさら感、ありありですが、せっかくいただいたので。ありがとございます。

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三連休最終日は、のんびり。

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日曜日夜に、酒を飲んで、若い彼らの勢いに押されるようにして朝までのんで(そのうえこぼしたり、割ったり迷惑かけた..)、そのまま月曜日は寝て食べて寝て食べて。「大人げ無いってこういうことさ。」てなもんです。年末以来ひさしぶりのそんな日。ほっとくとこういうの好きなんですが。夜になってから茶豆ゆでたり、ご飯炊いたり、みそ汁作ったり。

半年過ぎたから、芝居の整理(6月までで122本でした)、ミュージカルバトン(二人の方(舞さん,ずるずるさん)に貰ったまま、放置中)、芝居バトンなど、放置してるものがたくさん。ああ、資料も作らなきゃ、...呑んじゃえ←駄目人間

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【芝居】「何かのプレイ」フラフーパ

2005.7.17 19:00

女優ばかりの劇団なのだけど、「女にもてる女でありたい」を標榜するらしい、劇団の新作。18日までOFF OFFシアター。

若草物語に着想というよりそのまま。作家の微妙に底意地の悪い解釈も独自に加えられて楽しいのてす。成長する少女の姿を4姉妹の姿に重ねていくつかのステロタイプに描く、という知識は持ってても実は読んだことないので、どこまでが原作によるものかはよくわかってません。後半の部分はとても緊迫感があって、面白かったのです。

次女と三女の恋人を演じるのが、四女・五女(四女を双子にしたらしい)の役者(山口奈緒子、吉田麻起子)の二役。キャストのなかでも とりわけ、幼く若く見える二人を恋人の役にもあてるというのが、ほんとに「何かのプレイ」っぽかったりするのです。

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2005.07.17

【芝居】「ケンちゃんの贈りもの」弘前劇場

2005.7.17 14:00

青森・弘前の、というよりはもはやスタンダードの重厚さ。笑って泣いて。17日昼は空席ありがもったいない、ホントにオススメの一本。18日までアゴラ劇場。

49男と、亡妻の父79歳。長い間の静かな同居は気だるく。傘寿のお祝いを二人きりで静かにしていたが、実は互いに相手にプレゼントを。

当日パンフによれば、相手を想い図るゆえにすれ違う「賢者の贈り物」をパク、いやリスペクトした一本なのだとか。

貰ったプレゼントが、もはや意味を成さないすれ違い「賢者〜」のポイントだと思うのです。本作においては互いのプレゼントを断るしかないゆえの悲しさや理由はごく早い段階で観客には割れるのです。が、それを登場人物たちが開示するタイミングや、その見せ方が実に巧妙で巧いのです。結果、わずか90分ほどの芝居でアゴラの客席が、すすり泣きで「溢れる」という滅多にない体験。久々のツボ芝居。

前半のバタバタと笑わせるテンポの良さは、畑澤脚本らしく、そこから終盤へで一気に。 福士賢治の圧倒的で確かな力、宮越昭司の存在感、森内美由紀の美しく素敵な空気、長谷川等・藤本一喜の支えるコミカル。

千秋楽終了後に発表されたのは、作・演出の畑澤聖悟さんの退団(劇団サイトのニュース2005.7.23)。すこしばかりのこわおもて、迫力のある芝居、コミカルでテンポの良さを持ち合わせた劇作など、とてもとても魅力的な役者兼劇作家、なのでした。退団後については発表されていませんが、またみたい。のです。

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2005.07.16

【芝居】「初雪の味」青年団若手公演

2005.7.16 19:00

演出家コンクール2003書き下ろし、特別賞受賞作、の再演。4年に渡る大晦日の。17日までアトリエ春風舎。

古い家を離れる最後の4年間の大晦日の流れ、ほんとうに繊細な、ごく微妙な空気の入れ替わりのような景色。実家に帰ったときに感じる違和感や、母親の気遣いを感じる舞台なのです。

半面、いくつかの謎が謎のまま残ってしまうように思えるのが観客としては少しモヤモヤ、なのです。叔父と母親に謎めきつつ、「そこに居続けること」に価値があるというのは理解しつつも、もう一歩先が見たいなとも。

遠くにある実家に帰るというイベントを実感として感じられるなら、もしかしたら感想は違うかも知れません。

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2005.07.14

【芝居】「カリフォルニア」グリング

2005.7.12 19:30

温度低そうな会話の奥の、渦巻く想い。18日までTOPS。 マンションの一室の接骨院、心の傷が癒えきらない妻と夫。漫画を描く妻の友人、マンションの住人が入れ替わり、立ち代わり。

基本は二人か三人の会話。それぞれの会話からの断片、伝播していく断片、やがて事実や事実でないことの確信を紡ぎだしてしまう緊張感。どちらかというと早口でボソボソ喋る感の会話は芝居らしくなく、少々聞きづらいのも事実なのだけど、小屋の規模を計算した微妙なバランスが効果的で確信犯なのだと思うのです。

女二人、昔のこと今の想いの緊張は心拍が上がっていく実感。これが芝居の芯なのだと思いますが、女三人の居心地の悪い会話も巧いなあ。窓の向こうに見える何か、気持ちの何を表してるのかなあ。

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動き始めた感じ。そして連休

仕事は、ゆるゆると、螺旋を描きながら登り始めた感じ。窓から見えるレインボーブリッジの品川側の、あんな感じで。今週末は3連休。普段ならば、芝居を昼夜計6本+金曜夜も見ちゃうもんね、なんて感じなのですが、あれこれあるので。うあ、4コマしかないの。

グリング@TOPSは初日あけてからも評判よく、楽しみ。メトロポリスプロジェクト@ストアハウスは、待ってたよ、な街が浮かび上がるような二人芝居300本プロジェクトの15回目。ひょっとこ乱舞@王子小劇場、サービス精神旺盛で、なんか観たい気にさせるチラシが印象的。初雪の味@春風舎、ちょっといい芝居と漏れ聞いて。子供のためのシェイクスピア@サザンシアター、夏休みになった子どもも、大人も楽しめるシェイクスピアは思い出になるはず。弘前劇場@アゴラ、二人作家体制のエンタテイメント側、ことばの音が面白いのです。フラフーパー@OFF OFF、若草物語を大胆に、女性ばかりで。

さて。どれを見るのかと迷うぐらいに、注目公演盛りだくさん。

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2005.07.11

【芝居】「雷電 披露宴」雷電

2005.7.10 18:00

桜丘社中、散歩道楽、KAKUTAの作家の3本の芝居を上演するプロデュース公演。2回目にして安定、安心。小劇場を観たことないあの娘も、親でも誘える間口の広さはプロデュースゆえ。13日まで駅前劇場。 地方都市のある町の結婚式。出し物の相談、新郎の昔のあれこれ、新婦のもやもやした気持ち。

披露宴会場の友人控室、新郎控室、新婦控室。同じ時間を共有しつつ進む話は、丁寧でわかりやすく、気楽に見られるのです。それぞれの舞台を横断して現れる人物がいたりして芝居ゆえの制約を面白さに繋げるシタタカさ。

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2005.07.10

【芝居】「上演されなかった『三人姉妹』」燐光群

2005.7.10 14:00

社会派とよばれ最近評価の高い燐光群の新作。劇場占拠に着想をうけた一本。17日まで紀伊国屋ホール。21日から兵庫。

20年ぶりに三人姉妹を上演した劇場が武装勢力に占拠される。舞台と現実の奇妙なシンクロが。

紀伊国屋の中央通路より前を全て舞台として使う趣向。が、正直に告白すると、かなり沈没なあたしです。三人姉妹の台詞と現実の対比に面白さがあるのだとおもうのです。その状況の相似は当日パンフに解説のある通りなのでしょう。それゆえに正しい三人姉妹を見たことがなく、翻訳劇特有の感じを平板に感じてしまったのは、あたしだけですか。

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2005.07.09

【芝居】「帰らない先輩」シャトナー研EX

2005.7.9 19:00

王子小劇場と西田シャトナーによる企画公演。5日の劇場合宿のあとたった3ステージの公演。初めて東京で演じる役者、あの劇団の役者の底力を見るのは面白いような怖いような。10日まで。

仕込み日前日、アパートらしき一室にみっしりと10人。間に合わない準備、てんぱってる「後輩」たち。「先輩」は口煩く、邪魔ですらあるが、言い出せないのだけど。

あたしの学生時代は、学校から遠く離れた実家通いなので未体験なシチュエーション。なのだけどあありそうな感じありあり。プロットというか流れはごくシンプルなのです。

頂上だけ決めて広げて広げまくる前回に比べると、最初に大枠をはめて、その中で遊ぶ箱庭的 楽しさ。役者はどれだけはじけても、物語は大丈夫という意味で、3回のクオリティは平準化されてると思うのです。大当たりはないかもしれないけど大外れもない。それよりいままで、機会がなくて東京で演じたことのない、役者の初舞台を観るのも一興。

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【芝居】「月輝きながら太陽の照る」時間堂

200507091700 渋谷の歩道に面したギャラリーでカフェと公演。高山さなえさんの少し気持ちの悪い話を1h10ほど。 結婚式の日、ドレスを脱がないと言い出して、足止めを食らう兄弟や友人たち… 芝居はほどよい緊張感とコンパクトにまとまっていい感じなのです。 カフェという空間でやるということは、ある程度気持ちよい空間なわけで、似合う話があるのだと思うのです。高山さなえという作家の話は、汚いわけではないのだけど、どこか気持ち悪さを持ってるので、この空間で、これをやる意味が知りたい気がします。この違和感は友人の受け売りだったりしますが、同感。 カフェの真ん中を貫くバージンロード、スタッフも含めた衣装の統一感などの雰囲気が素敵。外を行く歩行者たちが足を止めて見ている空気もすきです。

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【芝居】「ブラジャー」桃唄309

2005.7.8 19:30

緻密な脚本を暗転なしで俯瞰する演出というのが、あの雑誌にもこの雑誌にも、な桃唄の新作。後半にするすると面白くなる感じが楽しい1h45。吉祥寺シアターの主催でない初めての公演は.11日まで。

ブラジャー、をめぐるヨーロッパの昔、日本での黎明、フリマでの出会い、公園で待ち合わせる人々。 芝居の前半にさまざまなお膳立て。丁寧に組み立てていますが、作家が描きたい豆知識的内容が話の運びを細切れに点描に見せてしまうのはもったいないのです。楽しいけど。

が、ミシン、ボビンや商店街の人々の盛り上がりは俄然楽しいのです。力技でねじ伏せられる感じはしますが、ちょっと泣いたりして。

物を作る、売るというごくプリミティブな営みが人々を生き生きとさせる姿が、製造業なあたしの心に響きます。

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2005.07.07

梅雨らしく

日曜日あたりから、しとしという感じがするのですが、今日は晴れたりして。ゆっくりと夏が来るのだなぁと思ったりします。久しぶりに連絡をくれる人が居たり、秋頃の結婚式の案内が届いたり。sakusakuジゴロウが大人の事情で引退した先週から、今週は新キャラクタ「白井ヴィンセント」が登場したりして、3日目にして早くも慣れてしまうってのは、実はスタッフと出演者の底力だろうなぁと思うのです。キャラクタの力って確かにあるのだけど、そこを過信するとわけわからなくなるのだなぁと。自戒、自戒。

時間堂@ルデコは、結婚式の芝居を町中のカフェのような雰囲気で、食べ物もおいしいという評判。シャトナー研EX@王子小劇場は、前回大人気だった公演と同じ役者と演出の5日間の合宿の成果なのだけど、日によって圧倒的に面白さに差があると聞くとある意味ばくち。雷電@駅前は、同じような場所での3つの異なる、しかしゆるやかにつながるシーンの3本立てで、作家も役者も楽しみなのです。桃唄309@吉祥寺シアターは、ブラジャーの歴史に託して描く人類の文化と経済と価値観、でもそんな堅苦しくないはず。S高原@プルヌスホールは今回見ないと思うけど、秋のニセS高原を前に、未見の方は是非。

タテヨコ企画、LAST SHOW@パルコ、クラクラ@TOPS、ピチピチBOYS、カトケン@本多、シスカンパニー@トラム、キレイ@コクーン、バリアッチ@ゼロ、ランニングシアターダッシュ@サンモール、燐光群@紀伊國屋など、むちゃくちゃに目白押しの今週。来週もこれに輪をかけて大変なはず。

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2005.07.03

【芝居】「さちあれ!」夢彩色

2005.7.3 18:00

女子大ではおそらく珍しいのではないかと思う、芸術学専攻・劇芸術コースという教育課程を持つ共立女子大の演劇サークル。飛びまくりでシュールな話運びと、その裏側に見え隠れする純粋でシンプルな気持ちが持ち味。公演は終了。

一人暮らし、実家にも帰ってない女の部屋、突然現れる見知らぬ人々の集団。逢いたい家族の想いが他人の体を借りて現れた。一人戻らなかった妹と電車に乗るうちに、あれこれ起きて、窓から。

劇団名にある「夢」らしく、脈略のない物語の運び。役者の多さとあいまって、一本の芝居として見たという感じがしないのはもったいないのです。オンナノコたちが町中でしゃべり合って、些細なことで大笑いする、妄想にも似た感覚だと、まったく関係のないあたしは思うのです。ほぼまったく喋らせらせない役を作ったり、謎の姉妹が妙に似ている二人だったりと、見た目に飽きない気がするのは、あれですか、若い女優ばかりだから、あたしがはまってるだけですか。

ものがたり、という点では前回見た「コノコネコノコ」ほどのまとまりには至っていませんが、これだけ役者を揃えられるのならば、バラエティが広がるんじゃないか、とこっそり思うのです。

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【芝居】「雨のにおい」東京タンバリン

2005.7.3 15:00

地下鉄の遺失物センターと、工事事務所の二つの場所を切り替えながらみせる、繋がりと広がり。駅前劇場の公演は終了。あと弘前公演あり。

いくつかの工事現場を持つ建築事務所。細かなすれ違い、鬱憤、姿を見せない上司の悪口などありふれた会社の姿。地下鉄の遺失物係に配属された中年男と若い女日々の会話や変な客たちの会話。

すれ違いが徐々に鬱憤に変わるのがタンバリン流か。そうなるきっかけは理解できなくても、プロセスはよくわかるのです。実は最後の電話、それに続く、男がかける一言が出てくる、ただ、その一瞬を描くために1h45という時間を使い切ってる気がします。このアンバランスな力のかけかたが、じつはあたし好きですが、一般的にわかってもらえるかは微妙な気もします。

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【芝居】「kaleidoscope」Ele-c@

2005.7.3 19:00

女優二人体制になってはじめての公演。スタイリッシュは残しつつオンナノコ目線てんこ盛り。3日まで王子小劇場。

前作が評判になった作家、新しい恋人。幸せに見えるカップルの奥底。花を渡り歩く蝶の計算。物語はやがてからみあい。

シンプルな気持ちが出発点の作家の視点だと思うのです。作家の印象をシーンで点描していく感じ。女性の作家らしい、柔らかな感じも好きです。反面、いくつもの話をもりこんだ結果、人物が少し多くて混乱してしまうのはあたしだけですか。

丁度半分あたり、記憶にまつわる背景、江ノ島の話あたりの盛り上がり、テンポとメリハリは物凄く面白いのです。

しかしああいう記憶のありかたは、あたしが芝居を観るときの感じなんだよなあ。記録したりしなきゃ←だめぢゃん

自分の周りが動いている、止まっているのは私だけ、とか。何が自分にとって大切なことかを語る誕生日のくだり、そのシーンでの気持ちが震えるのです。

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2005.07.02

【芝居】「グラジオラスの記憶」危婦人P 女優空間1

2005.7.2 17:00

女性ばかりの劇団のカフェ公演。東北の女子高生の夏休み、かしましい会話を中心にしたバタバタなコメディ。3日まで飯田橋、カフェ ラブリコ。

夏休み、禁止されてる喫茶店に集う女子高生、おめあてはカッコイイ教育実習の先生だが、他にも客が。 話はごく単純な夏休みの一ページ、コミカルでえらくばたばたな感覚。むしろそのオーバーアクションを楽しむのが吉かとも。

フラットな客席、舞台以外にも入口近く外、やレジ前も多少のアクティングエリアなので入口方向を向くような席をおすすめ。

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2005.07.01

ながめ。

オフィス引っ越して1週間。不便なこと、いいことなどいろいろあるけど、眺めのいい場所ってのは間違いなくて、それはそれで。でも食事はあんまりいい環境じゃないなぁ。そのダメージはけっこうあったりして(←単なるだめな人か)

LAST SHOW@パルコが始まりますが、今回は観ないかなぁ。タテヨコ企画@文化教養学園の幼稚園での企画が引き続き。今週がねらい目かなぁ。Ele-C@@王子小劇場は、メンバー二名の新体制になっての初公演、実は期待。危婦人P@カフェ・ラブリコはカフェでの公演、女優空間って魅惑的な名前が。夢彩色@サニーサイド、共立女子大の劇団。三人姉妹@スタジオSAIは結構評判がよかったコメディ、なのだそう。ピッコロ劇団@俳優座も目立たないけど気になる。東京ピチピチBOYS@アトリエフォンテーヌは、なんか色っぽいチラシが目を引くのはあたしだけですか。

芝居じゃないけど、@niftyのBBフェスタ@東京フォーラムが、実は気になってるのです。なんせ、あのデイリーポータルZの企画がてんこもり...

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