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2005.06.12

【芝居】「耽餌」乞局

2005.6.12 14:00

歪み、ねじれた人物と関係を、その上、気持ち悪く描く乞局(こつぼね)の新作。12日夜まで王子小劇場。 安アパートに暮らす人々、それぞれにワケアリだったり、ひと癖ふた癖。新たにやってきた住人は、一見普通の、しかしさらにワケアリで。

日常会話の曖昧な笑い、へつらい、上下関係の豹変が、全編通した気持ち悪い空気なのはいつも通りの乞局節。

当日パンフでわざわざ説明している、鳴き石や付き人も、スパイスにはなっていても芝居の軸にはなってないという感じもします。付き人の方は、説明なしではわかりにくい設定ではありますが。

軸となる女の話を太く描き、傍流を薄く描くことで、関係というより、人物たちの特異な感じをより強調している感じがします。それゆえに、例えば終盤に殊更登場する粘膜質なさまざまを、リアリティを薄くしてでも現実の物としてみせるしかなくなった気もするのです。半面、基本的に「おかしな」人々を描いているので、わかりにくい「関係」を描くよりはわかりやすく、芝居全体がくっきりとした印象があり、劇団の代表的な芝居の一本になりそうな気もします。

リアリティといえば、最後のシーンで見える、「屈強な男の首を、馬乗りになってへし折る女」というのは、現実的に可能なのかなあ、とも思います。茎や赤ん坊の首を折る時の音に魅せられてしまうという気持ち悪さは芝居としては面白いと思うのですが。

乞局「耽餌(たぬび)」
2005.6.9 - 6.12 王子小劇場
作・演出 下西啓正
出演 秋吉孝倫 田中則生 下西啓正 三橋良平 石井汐 酒井純 古川祐子
安藤裕康 佐野陽一 吉田海輝 五十嵐操 加藤めぐみ(零式) 松岡洋子(風琴工房)

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