【芝居】「タータン」つよしとひでき
2005.5.19 18:00
大塚秀記と大間剛志という二人の俳優が、毎回外部の作演を招いての公演を打つ「つよしとひでき(trf)」の新作。トリのマークの山中正哉を招いて、本物の麻雀荘を貸し切って。2週末にわたる公演は終了。
麻雀荘でメンツを待つらしいツナギ服の男。あとから飛び込んできたネクタイとYシャツなのに下ジャージの男。「おひとりでも遊べます」の張り紙を見て、一人だけど麻雀させろとわめく男だが、麻雀のことを何も知らないばかりか、というよりは、なんかとっても間違った部分的な知識で突っ走る。
基本的にはトリ的世界。ただしトリのマークのようなファンタジーに近いような枠組みではなく、えらく下世話な世界。その世界のなかにもぴったりとはまりこむ、ずれて、そこにつっこむ会話のおもしろさ。漫才的ですらあります。特に前半の、たたみかけるようなずれまくりの面白さ。反面、後半はたとえばパイの絵柄を見て勝手なことを云うところなど、ちょっと長い感じでテンポが間延びしてしまう感覚。トリならばここは情緒豊かな感じのところになるのかもしれませんが、物語の下世話さゆえにそうならない残念。
とはいえ、この世界にもぴったりと嵌るってことは、作家の世界は、うまく普遍的なものを選ぶことで、スタンダードな不条理劇的なものになる力を秘めているのだと思います。トリのマークというある種特殊な劇団ゆえに成立していたのだと思っていたので、これは意外な発見。
つよしとひでき「スチョールギル」
2005.6.11 - 6.12 6.18 - 6.19 麻雀倶楽部Zoo
作・演出 山中正哉
出演 大塚秀記 大間剛志
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