【芝居】「砂の上の植物群」KERA MAP
2005.5.1 19:00
ナイロン100℃とは別レーベルとしての、KERAさんのユニット、第三弾。初舞台の常盤貴子さんをはじめとする、豪華キャストで。休憩10分、3h15。14日までシアターアプル。
KERA MAP#001「暗い冒険」(2001.9 スズナリ)、#002「青十字」(2003.8 三鷹市芸文)と続く第三弾なのですが、いままで謳っていた、無名の新しい才能との出会い、という側面はずいぶん減っていて、新しい才能かもしれないけど、有名人、という位置づけの公演。おかげでチケット代は前売り8000、当日8500と高騰、初日は通路まで出すほどなのに(制作スタッフはほんとにがんばってた)、関係者と見られる空席がちらほら見えるというありがちな状態に。見ごたえのある芝居にはなっていますが、その「満足度をチケット代で割」って考えてみると、ちょっとなぁと、思わないことはありません。
以下ねたばれ
墜落した飛行機から奇跡的な生存者、どこかの島に囚われ、日本からの救助も来ない。外との接触が遮断された状態になっていたのは、その島が戦場の戦争になっていたから。が、戦争の参戦国がどこかもわからず、日本も巻き込まれたような断片が入ってきて...
来ない救助を待ち続け、やがてあきらめたようになる人々、絶望のふちをあちらとこちらにふらふらと動く気持ち、不安定を延々と描き続け、やがて観客もそれに取り込まれるのです。全体としてみて、決して気持ちのいい芝居ではないなぁとは思います。
未来から来た、という少女の正体が見え隠れする伏線はいくつかあるのですが、そんな荒唐無稽の少女の見ていたはずの「未来」にすがりたい気持ちが錯綜する場面があたしは好きです。未来がどうなっているかを聞くことは、少なくともその人はそこまで生き続けているわけだし、世界はなくなっていないわけだし。
どうにもどっぷり疲れる芝居ではあります。が、それでも、あたしは最後まで飽きずに、というよりはいやな気持ちを抱えたまま、最後まで見続けることができました。
初日ゆえの固さはあるのかもしれません。カーテンコールで常盤貴子さんが見せた初々しさはちょっといいのです。
KERA MAP#003「砂の上の植物群」
2005.5.1 - 5.14 新宿 シアターアプル
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 常盤貴子 筒井道隆 温水洋一 西尾まり 猫背椿 池谷のぶえ 赤堀雅秋 つぐみ 山本浩司 喜安浩平 渡辺いっけい
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