【芝居】「ロスト」サラダボール
2005.5.4 15:00
断片の何気ない世界をえがきながらやがて緩やかに繋がる世界。事件は起きているけれど、描きたい主眼はそこにはないように思います。5日まで王子小劇場。
キッチン付きのリビングのような部屋。オリンピック開会式直前の雰囲気の町。 断片は緩やかにつながり、いくつか思わせ振りな関係が示されたりはしますが、語りたいことはいまひとつわからない、ような感じはします。
以下ねたばれ
オリンピックの金メダル数を当てる根拠は「ビッグチャンス」、男と女料理をしながら他愛のない会話扉の向こうに「カエル(1)-(4)」、輪になって一斉に互いに電話すると「アンサーさん(1)-(2)」、アルバイトたちが交代で「聖火」、死に際の兄が会いたいといっていたのは「ゾノ」。
近所で起こる火事を軸に、いくつかの部屋で起こる出来事。話しが進むうち、「聖火」で話しに出てきた男が別の話に出てきたり、別々の話しで出てくる話がシンクロしたりするのです。やがて広がるその街の世界。
反面、たとえば「ビックチャンス」で見られるようなちょっとばかばかしい感じや、「アンサーさん」のピザ屋や「聖火」の設定のおもしろさのような、コミカルに走る部分が後退した印象もあります。
当日パンフの「ごあいさつ」にあるような、「馬鹿話の向こう側にある世界を描くこと」にはある程度成果が見えますが、馬鹿話が、どれだけ鶴瓶話しのような、破壊力のある笑い(や、笑いじゃなくてもいい。おのおのの話が自立できるか)に出来るかどうかがポイントだと、個人的には思うのです。
サラダボール「Lost-ロスト」
2005.5.3 - 5.5 王子小劇場
作 鈴木大介 演出 西村和宏
出演 河野悟(ユニークポイント) 畑中友仁(ユニークポイント) 中村紗夢(ユニークポイント) 舘完 高柳将経 福田俊之 鈴木大介 ほりゆり
| 固定リンク
「演劇・芝居」カテゴリの記事
- 【芝居】「朝日のような夕日をつれて 2024」サードステージ(2024.09.08)
- 【芝居】「雑種 小夜の月」あやめ十八番(2024.09.01)
- 【芝居】「ミセスフィクションズのファッションウイーク」Mrs.fictions(2024.08.30)
- 【芝居】「氷は溶けるのか、解けるのか」螺旋階段(2024.08.27)
- 【芝居】「BIRTHDAY」本多劇場グループ(2024.08.20)
コメント