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2005.05.29

【芝居】「見つかりにくい温室」OrangePunPKing

2005.5.29 19:30

ちょっとダークサイドファンタジー風の物語。90分。31日までウエストエンドスタジオ。

ひと気のない建物に迷い込んだカップル。中で出会った謎めいた男。一旦帰ろうとするカップルだが。 温室、で育つ男。本に囲まれても世界を知るには限界が。何より彼は名乗れない。そこに飛び込んだカップル、ノウテンキに見えて切り開くのが女性に課せられたのは、単に時代かなあ。他に何かありそうなのだけど。

世界を描くのを丁寧にするあまり前半がもったいつける感じがしたり、せっかく魅力のある名前の謎の扱いがあっさりすぎて勿体なかったり。ダークファンタジー風に慣れてないアタシの側の問題もあります。が、着眼してるところは、好きだなあ。

原案を担う、あしかがあやは役者としても魅力。つうか、惚れて通うわけですが。

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【芝居】「最初の晩餐」P.E.C.T.

2005.5.29 14:00

湘南に本拠を置き東京との両面展開を続けるP.E.C.T.の最近作は、潰れかけの洋食屋を舞台に、あるカップルと夫婦の暖かくほろ苦い味わいの素敵な一本。30日まで渋谷スペースエッジ。 (2012.4.27、動画が公開されました。)

前回の「はるまちろまん」の十数年後日談と位置づけられるものの、何人かの背景に使われてるだけで、今作だけ視ても大丈夫なつくり。

美味しいのに何故か流行らない洋食屋。味に惚れ込んで住み込みコックが3人。ジャガイモを剥き続けて腕が上がると「跳ぶ」と云われ長年の修行をしている。今のコックもかつて。しかし景気は容赦なく、2階を貸すことにして越してくるカップル。それでも解決せずに、根本的解決を。

少し贅沢な食事の高揚感とあくまで真面目なコックたち。時間や景気や経済的なことに流されるカップルや夫婦の姿は、いろんな観客にリーチする幅広さがあります。

「ジャガイモが跳ぶ」という、歯の浮くようなファンタジーを物語世界の核に据えても大丈夫な説得力。 空間をうまく使った演出は、扉の向こうも広がりに使うような面白さ。ランチタイムの音楽に乗せたシーンの楽しさはかつての遊◎機械のようでもあり。夫婦やカップルの会話の苦さなど、芝居の振り幅の大きさがずっしり面白いのです。

終盤、自分が企てたことの影響の大きさに凹む広告屋へのセリフ、「お前は給料のために動いたんだから、そのために誰かが傷ついたとしても、そんなことでいちいち怯えてるのは、ケツの青い証拠だ」ってセリフ。このあとに広告屋は、みんなを引き連れて、経費で呑みに繰り出すのです。今の世の中、これを正面切って描くのは時代の空気からは少々ずれている感じがしないでもありません。が、あたしはちょっと泣くのです。誰の心にも波風立てないままで進められる仕事なんて、ないのだなぁと今更思うし、会社のありかたの懐かしさが、かいま見えたりもして。

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【芝居】「my name is I LOVE YOU」小指値

2005.5.28 20:00

中野駅から少しはなれた住宅地の中の「中野 studio SAI」。パパ・タラフマラのスタジオらしいのですが、鏡張りの確かにダンススタジオらしい空間。セックスがなくなろうかという未来の時代の、しかしラブストーリー。初見。5月の土曜夜のみの公演で、終了。約1h。

セックスしなくなってしまうような、2080年の未来からやってきた大学生の女と、セックスがまだ売り物になる時代に生きてるのに生身が恐くてキカイのダッチワイフを選んじゃうようなテクノ君。二人が出会い、そして。

ものがたりは、えらくシンプル。ポイントはそこではありません。基本的には語りは一人の役者のみが舞台奥に座って読んでいて、そのほかの役者たちは、喋らずにカラダを動かしているだけなのです。どこかで聞いたような様式だわいと思ってると、ク・ナウカのスピーカー・ムーバに分ける言動分離の方法に似ていると云えば似ています。が、はるかにギャグ寄りで、言葉に合わない妙な動きや表情が多用されていて、ク・ナウカとはずいぶん違う印象です。

実はスタジオと同様、役者も基本的にはダンス畑の人ではないかと想像します。言葉の流れに乗せて、ダンスをしているという感じ。ダンスの基準ではどうかわかりませんが、体の動きは綺麗で、しかもそうとうに鍛えてる感じ。壁に背中を付けたまま、手でぶら下がり、水平にまでM時開脚するなんてのは、腹筋すごいことんなってます。

20分前から徐々にカウントダウンされて開演、TDLのスターツアーズの待ち行列でのカウントダウンみたいで新鮮、楽しい。

最近はダンスを観ることはほとんどなくなってしまいまいたが、こんなカジュアルで笑える感じのダンスなら、アタシでも面白いと思ったりします。

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2005.05.28

【芝居】「バー」げんこつ団

2005.5.25 14:00

女性ばかりでコントっぽいオムニバス指向の劇団の新作。少しばかり趣向を変えて古風なクラブ風のセットで。29日まで駅前劇場。

入ってびっくり座席の1/3ぐらいをテーブルと椅子。バーというより、クラブ風のつくり。

前回までは必ず出ていた、はげづらも使わないし、円熟した感のあった舞台の形、スタイルから離れた意欲作。 映像を多様して、テンポを作るのが持ち味だという気がするのですが、今作では映像少な目、しかも小さめ。結果、転換の時間を稼ぎきれずに、少しばかりまのびした印象。半面、ショーの華やかさは女優としてのそれぞれの魅力再認識。本筋ぢゃありませんが。

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呑む、かたる。

職場の人と呑む。久しぶりのひと、逢って間もない人。ゆるやかに溶けて、わかりあっていく感じが嬉しい。解り合える人と、解り合えないひとって、あるのは仕方ないことなのですが。

ミュージカルってのはあんまり観ないのですが、気にかかっているのは、コマで上演中の、ロングランのロックミュージカル。(公式サイト)たぶん、かなりご機嫌なナンバーなのだと思います。が、先週、その下の劇場で観ているときでさえ、準備中の音響が、芝居を壊してる気がしました。コマ・アプルというのは大きいようでいて、上の音がしたに筒抜けになる劇場なのですが、北島三郎ならば笑って許せるぐらいのゆるゆるな音でも、ロックミュージカルとなると、どうなるんだろう。隣の映画館は「真下」ですが、そっちはどうなのかなぁ。

もう一回見に行こうと思いつつも、その芝居が壊れることが恐くて、対策が取られないならば、躊躇してしまう、あたしがいます。そして、興味はあるのに、ミュージカルに行くのも、仁義として、行きたくないなぁと思うのは、たしだけ、でしょうか。

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2005.05.27

出張した。

出張といえば安曇野だったのですが、これからしばらくは名古屋から岐阜あたり。新幹線は楽だし、駅弁の充実度はさすがに名古屋だし。カラダは楽になります。仕事がどうか、はわからんですが。ずいぶん前に作ったのに、着てなかったスーツで行ったら同行した人に、似合わないと笑われたりするのは、まあ仕方ないっすね。スーツって馴染まないと、すぐわかるものなぁ。来週末の友達の結婚パーティの礼服はどこだったっけな。ごそごそ。

いつもどおり、コマは明らかに不足。@中野SAIは一部で評判よく、後追いで観に。流れ姉妹@青山円形は魅力的なキャストだしシリーズものだし。東京ネジ@ヴィオロンは来週頭の平日に行けるかなぁ、無理かなぁ。オレンジパンプキン@ウエストエンドは、作演出が前回からは変わったので再挑戦。げんこつ団@駅前は、岡本さん復帰をまってたよ、あたしは、ほんとに。P.E.C.T.@スペースエッジは前回公演から続くのかなぁどうなのかなぁ。フラジャイル@アゴラはセットがすごいという噂聞きつつ。G-up@スペース107は役者揃えがいいんだよなぁ、Gなんとかってプロデュースはあれですか、キャスティングで客を呼ぶところが多いのですか(←勝手な妄想)

本谷のオールナイトニッポンは今週お休み。ニッポン放送では来週もお休み。いいのか、そんなペースで。先週前半の1時間はふつうの深夜放送っぽくていいバランスだったと思うのだけどなぁ。チャットはどうしよかなぁ。

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2005.05.22

【芝居】「怪盗ブラジ~最終回」

2005.5.22 19:00

三軒茶屋、信じられないぐらい素敵な景色のカフェa-bridgeを舞台にした7週(ほぼ)連続公演の最終回。 ダイジェストを固めつつ、場所やマスターへの感謝も。が、あくまで優しく、オトコノコ的なイタズラ心が楽しいのです。かわいいオンナノコ、それに恋するオトコノコの気持ちも、作家のカラー。

この企画は続ける予定らしく次回は来月.11日にハチ公前スタート(え?)

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【芝居】「いとこ同志」まつもと芸術館

2005.5.22 14:00

社会派とくくられることの多い坂手洋二さんの作演、まつもと市民芸術館の企画作。社会のあれこれを微妙につつきながらも、これは手のこんだラブストーリー。GWの松本から水戸、トラムでの公演は終了。

ミステリー小説「いとこ同志」で名をあげた作家。実は何十年にも渡って夜行列車のなかで時折落ち合う男。小説のベースはその出来事なのだ。

現実を少し置き換えて物語とする作家の頭の中を覗き見る感覚。足に埋め込まれた謎の発信機と痛風とか。 万博に始まり、時代の止まった夜行、薬品の調合の話など社会派の側面、あるいは夜の寝静まった客席から意識する死。作家の自由な飛翔。

あるいは、いとこ婚にまつわる偏見も含めたリスクを描きながらもその想いの純粋さ。深い恋心を「予知能力」と描く、作者のロマンチックさを感じるのです。

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2005.05.21

【芝居】「西荻で逢いましょう」ch.おこげ堂

2005.5.21 18:00

西荻の住宅地の真ん中の劇場、初めて行く劇場「遊空間がざびぃ」の演劇祭企画。初見の「ch.おこげ堂」。過去作品のアレンジなのだそうで、スーパーを舞台にして、売り場、事務所、屋上の三カ所での二人芝居オムニバス。22日まで、西荻がざぴぃ。1h20。

にんじんジュース売り場にやってきた新人、何についても臆病で「馬のはなし」。万引きでつかまった女を迎えに来たもう一人の女、万引き女はそれにかまわず妙なおまじないを始めると言い出して「魔女のはなし」。屋上で待ち合わせた男女、男は女のことが好きだけど気持ちが伝えられず「貝のはなし」。

ぎりぎりに追いつめられた人、もう一つの冷静な視点の対比。解り合えたりあえなかったりアソート。それぞれに理由があります。が、強烈なキャラクターだったり、終盤近くになるまで、どう考えても察しられそうなのに、なかなか先にすすまないもどかしさ。そのゆっくりさが積み重ねになっているというよりは、同じところをぐるぐると回っている感じにさせなければ、と思うのです。

板張り、素敵な内装、お茶のサービスやら、終演後にはおせんべいがあったりして、ゆっくり語れるような環境にしようとしているのは、カフェ公演などを繰り返している彼らの持ち味、なのでしょう。当日パンフらしきものは、コップにつけられたご挨拶だけ、というのは洒落てはいますが、役者の顔と名前が一致しなかったりするので当日パンフも欲しいところです。劇団webにいけば顔写真付きで見られますが。

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【芝居】「ささやく黄昏」東京Ne+ws

2005.5.21 14:00

外出しない男と兄弟たち、偶然の再開あれこれの話。22日まで、OFFOFFシアター。

少ない人数で、ある広がりを持たせよう、綺麗な相関を編もうという意欲は感じます。結果、かなり狭い、箱庭のような世界なのです。似たことを語るシーンがありますが、芝居全体もまた、箱庭に相似のよう。

人物の妙な気持ち悪さとは裏腹に空気感は澄んだように同居するのが不思議な手触りです。

この劇団と散歩道楽、明日図鑑はあたしにとっては少しばかり空気が似てる感じがしてるのです。各々から客演が揃うのも今作の楽しみです。

美術、靴屋という設定で、壁一面の靴などは光と相まって綺麗で美しいのです。

なぜか客席に子供。結果的には前半少しグズッただけで概ね静かでしたが、やはり厳しいと思います。客との関係は大切ですが、その程度のカンパニーと思われないためにも対策はすべきだと、あたしは思います。万が一に備えて、せめて入口近くの関係者席を案内してほしいところ。

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2005.05.20

金曜深夜

また、オールナイトニッポンを聞きながらチャットしようかと思いますのでオヒマなら。 気になるコネタ◆町中を普通に歩いてるオンナノコがなぜ、小型のキャスターバッグを引いてるのか。旅行じゃなさそうなんだけど。◆駅のホームのキオスクに登場したセルフ精算型のスイカ端末。◆大昔、高校生の頃に愛読してた情報誌angleで連載してた、B級グルメなる言葉の産みの親、田沼さんの最近の文庫本を見つけて嬉しい。事実と思い入れが混在する文体はあたしの、ココロの目標でもあり。

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【芝居】「広くてすてきな宇宙じゃないか」キャラメルボックス

2005.5.20 19:00

20周年ハーフタイムシアター二本立ての片割れ、劇団のスタンダードはやはり強くて、もう一本も強く引き立つのです。来月12日までシアターアプル。

中堅でいどんだ「僕ポケ」に対して、安心なベテランと若手で形にした今作。この目で見れば「僕ポケ」もぐっと引き立つのです。

アンドロイドが家庭に政府主導、実験的なレンタルで入ってきた時代。亡くなってしまった母親のあまりに大きな穴に耐えきれずに申し込んだ父親だったが、子供たちの反発は強固。特に末っ子は。

短い時間で世界を作りだすのは、役者の圧倒的な力はもちろんなのですが、物語の堅牢なちから。時代が流れても、こんなにも繊細な芝居をこの規模で続ける彼らのことが、あたしは大好きです。

盛り上がりのシーンの曲が変更になったことは、大きな影響ではありません。イメージは近く、曲の力を借りなくても、芝居のチカラが確かなので、大丈夫なのです。大森、西川の圧倒的安定感。實川の新しいクリコ像、岡内は前半を支える。畑中のいい人役はちょっと珍しい。渡邊をあたしゃ取りますが。(意味不明)

まだ2日目らしく、曲名リストは試行錯誤の跡が見えます。その意味じゃ、ちょっとレアかも。

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2005.05.19

【芝居】「僕のポケットは星でいっぱい」キャラメルボックス

2005.5.19 21:00

20周年を迎えたキャラメルボックスの新作ハーフタイムシアター(1時間)の初日。過去の「銀河旋律」や「広くてすてきな宇宙じゃないか」の世界に強く依存し空間を差し込むのです。「広くて〜」と交互に来月12日までシアターアプル。そのあと神戸。

会社をでるのが遅れて、これ一本での観劇。どちらかを観るなら、独立した世界として成立している「広くて〜」を観ることを強く推奨します。2本観る方も、「広くて〜」→「僕ポケ」の順を推奨。

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すこし暖かい。

高校時代の友人が結婚し、北斗星で北へ向かう今日。幸せになってほしいのはもちろん。会社の同期数人で呑みに行くのは、年齢が進んだなりの悩みそれぞれ。端から見れば、立派なオジサンですが、気持ちの平安を保てる。ほっこりと。仕事はゆっくり、ゆっくり前に転がり始めた感じで。前回の悪夢を避けるには、と思う今日この頃。

デイリーポータルZでの企画ガールズバンド、あたしは結構楽しめるけど、音楽としてはどうかは、よくわからんです。そういえば、買ってしまった「 やぎの目絵日記 」あたしはちょっと好きです。ホントに軽くて気軽な漫画で。

じつは、公演数少なめ、人によっちゃ、エアポケットとまで云われる週末。初見や久しぶりのものを見るのに向いてるかもしれないのです。

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2005.05.16

【芝居】「My Blue heaven?」マルハンクラブ

2005.5.15 18:00

半海一晃・兎本有紀さんらが、書き下ろしのオリジナル作品を上演するという目的のために発足したというマルハンクラブの2本目。昭和39年の東京オリンピックに沸く築地の洋食屋の裏を舞台にした、人情な話。18日までTHEATER/TOPS。

高度経済成長が元気な時代だった、その時代のある意味無謀とも思われるパワーの凄さを見直そう、って動きがある昨今。愛・地球博(しかしどうよ、このネーミングのセンス)の今年に大阪万博を見直そうっていうか。あたしにとっては万博といえばつくばなのですが、閑話休題。

元気な時代を下敷きにしつつ、イケイケというわけではない人々。オリンピックに向けた道路拡張で立ち退きが間近な洋食屋。繁盛はしているし、息子が聖火ランナーに選ばれたのに、なぜかどこか浮かないような、醒めたような主人。(詳しくはこちら)

実際のところ、大きな隠し球のようなネタがある芝居ではありません。大人、というよりはおじさん、おばさんたちの淡い恋心も描かれますが、そこに主体がわるわけでもないし、練習に耐えかねて逃げ出してきた東洋の魔女・補欠という人も出てきますが、そこも主眼ではない。何かの物語を語ろうというよりは、その時代の空気を醸し出そうとしていると感じるのです。

小劇場好きから見ると、けっこう素敵な布陣。おかやまはじめ@ラッパ屋、清水宏、本間剛@東京タンバリン、宮下今日子@サードステージなどなど。全体に芝居はゆるやかな感じで、空気感を楽しむのが吉。

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2005.05.15

【芝居】「un_titled」bird's-eye view

2005.5.15 15:00

スタイリッシュでカッコイイ、つう言葉がぴったりな劇団の新作。一歩間違えるとひどく貧乏くさくなりかねないスタイルをここまでやりつづけるてのもたいしたもので。22日まで、アゴラ劇場。

タイトルどおり、「名前がないこと」から始まって、「ワタシは何ものか」について想いを巡らせていくのです。ひたすらに否定していく会話、自分と鏡対照が出現、いろんなものの名前がまったく違う呼び名の喫茶店、一人暮らしと言い張るけど空間を共有している二人の部屋、自分の意志とは関係ない台詞の家庭教師など。

テーマに近くてイミシンなパートと、もっとコントっぽい仕上げのものが混在するのはいつもの通り。透明な板で囲われた舞台は、かっこよいのです。ラストシーンの紙吹雪の中を歩く姿も美しいのです。

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2005.05.14

【芝居】「辻つま山脈」シャトナー研

2005.5.14 19:00

西田シャトナーさんの構成するユニットを核に、劇場が選んだ役者たちと5日間で創る企画。 プロットだけは周知されている役者たちに、芝居を作らせ、構成するのです。初日は2h15。タイムキーパはいますが、時間が伸びるは覚悟して、役者の瞬発力を見にいくべし、15日まで王子小劇場。混雑必至なので、劇場か役者に予約を。

ファシリテータって言葉を知ったのは今週。会議で利害がなく、会議が生産的に進むようにコントロールする役割なのだそう。場の雰囲気を作り上げる、Facilitate(楽にする)という言葉のとおりの役。名前を冠する、シャトナーさんの、ファシリテータとしての力量を思い知るのです。ピスタチオ、という成功体験を見ているだけに、演出としてはどうかなぁ、と思ったりもするのですが、それは杞憂で、当時とは二歩も三歩も先に進んでいるのです。

いろんな山を模した役者たち、それぞれの瞬発力。 役者で圧倒的な力を感じたのは、平野くんじ@TEAM発砲B-ZINさんの凄さ。本多やアプルでも空間を埋められる役者が王子の空間に現れると凄いことを思い知るのです。

全体をまとめる野口さんは、自分の劇団でも慣れているというアドバンテージがあるのですが、しっかり。、しょっぱなからシュールに一気に持っていく山中さん、卑怯だがモノにする コマツさんなど役者の力を存分に感じて楽しむのです。久しぶりにずーっと大笑いしているという芝居です。ステージによってできは違うと思いますが、かなりの確率で楽しめる、とあたしは思います。

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【芝居】「真赤な白」Cordelia

2005.5.14 14:00

青年団演出部の工藤千夏作・若手公演で公演した作品を、別の演出で。15日まで高輪のカフェ、カフェニーシュ。

ワケアリの二人、尋ねてくるかつての恩師。が、記憶は曖昧で。語るうちに見える、二人の想いとすれ違い。

青年団では志賀さんが演じた恩師を、カメラマンの方が演じる趣向。らしい年齢で味はありますが、比べてしまうとどうしても不利。まあ、仕方ないことではあります。

前の公演も見てるくせに思い出せなかった細部。奇妙な感覚の芝居ではあります。

イベントスペースの機能をもつカフェなのですが全ての席をフラットに並べると何が起こるかという想像力がもうすこし欲しいところ。

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2005.05.13

【芝居】「南国プールの熱い砂」KAKUTA

2005.5.13 19:30

若手の劇団のなかでも安定した公演を続けるKAKUTAの新作。15日まで青山円形劇場。

寂れ気味のリゾートホテル、かつて移動学級で訪れたここに集まる人々。それぞれには、あの夜の散歩の想いを胸に。

記憶のズレ、思い入れ度合いの差、匂わせながら物語を運びます。笑わせ、泣かせ、物語の解釈のブレを許さない強固な芝居。裏を返せば、わかりやすく、芝居慣れしていなくても、すっと観られて帰り道で友人と語れるような芝居だということでもあります。基本的にA-Cブロックを表とするような演出が基本になっている気はしますが、裏にあたるブロック(あたしの居たFブロック)でも、ラスト近く、カメラで泣きそうになる顔の表情見え隠れとか、手紙を読む学級委員を見つめる目など、表からは観られない表情があれこれあるのも一興。

半面、今作においては、若いのにはっちゃけた感じがなくむしろ過去を懐かしむような安定。(や、青山円形でやること自体がすでに冒険というのはありますが) ある隔たりをもった過去の思い出を物語にできるようになったのは、作家と役者の年齢が進んだ故かとも思うのです。

全員にとってではありませんが、青山円形は彼らにとって大切な場所。桑原、田村、11年前の初舞台(?)の円形(第8回青山演劇フェスティバル、転校生(1994.11 平田オリザ 作・演出))へ自力でたどりついたと想うウラヨミも楽しく。師への手紙、敬いながら、ある意味決別、立場をしっかりと踏まえて、そして先に進むという宣言なのだと誤読を楽しむあたしなのです。

アンケートは、ぜひとも提出を。

先行レビュー>「しのぶの演劇レビュー

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ハードだわ。

オフィスのビルの中には居るのだけど、火曜日夜から、会議室で濃密に缶詰になるという体験。今週中になんとかまとめあげるために、喧嘩したり(←あたしだけかもしれないけど)、相談したり、同意できるところを見つけるという体験。空調が良くなかったりして、どっぷり体力は消耗するけど、考えてる、という実感はある。......ので、平日は劇場に行けない今週。

先週、チャットで教えてもらった、焼酎の牛乳割りというのが、意外にはまる。甘みを少し入れた方が、カクテルのようになっておいしいのです。ヒットは1:1で割って、練乳をスプーン一杯ぐらい>180cc換算。

RSSリーダを提供している、芝居の世界では有名なサイトに登録されていたりして、ちょっとびっくり。あたしはアクセスが増えることに喜びを感じるタイプなのだけど、blogやmixiで日記を書いてるからと云って、それが嬉しい人ばかりじゃないというのに気づいたのは、つい最近のこと。

とはいえ、週末は、来ます。休めるし。書き出してみると、かなり充実している週末です。コマ足りないのはいつものとおり。KAKUTA@青山円形は、何人かの女優たちの初舞台の劇場で、10年目に自力でたどり着いた場所に想いを馳せて必見。bird's-eye view@アゴラは、スタイリッシュが魅力、美人もそろうし、男もかっこいい、大阪の劇団、クロムモリブデンの森下さんの出演が注目。シャトナー研@王子小劇場は、劇場が選んだ役者たちと西田シャトナーがわずか5日間で作り上げる芝居、期待の一本。真っ赤な白(Cordelia-P)@高輪カフェニーシュは作家の工藤千夏さんのホンと、ひらたよーこさんの作曲に誘われる。で、これでコマは埋まってしまうわけですが....シアターガッツ@モリエール、その河を越えて五月@新国立小、燐光群@梅が丘BOX、前方公演墳@107はきになる女優さん、オムトン@Bank ART NYKはマリンバなどのパーカッションのコンサートを横浜で。マルハンクラブ@TOPSは実力派の俳優ぞろいで期待できます。

そうそう、金曜日深夜も、オールナイト日本ニッポン(ご指摘感謝)を聴きながらチャット開催予定です。携帯からもできますので、ぜひ。

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2005.05.09

【芝居】「グランバザールX」JAM BAL JAN JANパイレート

2005.5.8 17:30

スピード感溢れる台詞、スタイリッシュでパワフルなダンス、センスのいい衣装や装置、加えて笑いも結構あったりする、清水恵利奈さんのユニットJBJJPの新作。公演は終了。

物語を追って行こうとすると、おそらく失敗します。つぎつぎと浴びせられかける言葉、見た目の美しさに身をゆだねるのです。一昔まえの小劇場っぽい感じとも言えるかもしれません。そのスピード感で、 作家の思索の断片が、めまぐるしく提示されるのです。何人もいる役者なのに、なぜか友人はこれを称して「ひとりぼやき漫談」。言い得て妙だけど、実にぴったりの賛辞。

その、すさまじい量の断片は、とてもとても覚えられるようなものじゃあありません。たとえば
「証明1。タバコを一本吸ったからといって死ぬわけではない。タバコを吸っている人が一本よけいに吸ったからといって死ぬことはない。∴(ゆえに)数学的帰納法によりタバコを吸ったからといって死ぬことはない」
「世の中は競馬好きと、競馬が好きじゃないものと、馬、に分けられる」
「トップブリーダーも推奨するDH○ヴァージンオリーブオイル」
本筋とは全く関係ない、こういう断片が楽しい。惜しむらくは、作家も含めて、実力以上のスピードで喋っているために、じつは台詞が非常に聞きづらかったりすることなのですが。

そんな中に見え隠れする軸は、「ノアの箱船」でしょうか。壁一面に並んだドラム式洗濯機のようなものは、終盤船の窓のように見えます。もしかしたら「洗濯=選択」かもしれない。ここを捨てて次の場所に行く人々、何を乗せて、何を乗せないかという選択。ボーマン君ってのは、あれですか、2001年ですか。

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2005.05.08

【芝居】「New Life」猫☆魂

2005.5.8 14:00

3つの哀しい愛の物語をベースにしかし笑いもまま入れて。あたしは初見。10日まで駅前劇場。

ラジオから流れるアーティストに恋してしまって狂おしく会いたくなる「ブラウン管の中の君よ」、夢を追いかけると言ってヒモ同然の彼氏を養う女につきまとう「昼の顔、夜の顔」、彼氏と付き合い始めた女の兄の激しい干渉「登れない壁」。

あくまで暗く、しかしまあ芝居ではよくある(^_^;)話の見せかたが少々ステロタイプな感じがしないでもないのですが、それだけでは終わらない破壊力のあるキャラや構造。役者に依存してる感じはあるのですが、むしろ終盤の見せ方が劇団の持ち味なのかなあとも思います。

女優はゲストなのですが、大きい取り上げられ方ではあるものの、少々負担のかかる役どころ。秋澤弥里さんの暗いやくどころ。一瞬の笑顔が輝いて見えるのです。杉山薫さんの舞台度胸。ナイロンではすでに舞台の規模が大きくなりすぎて感じなかった細やかな表情。辻修さんの圧倒的なキャラクタ。どこでも同じといえばそうなのですが、この破壊力に依存しすぎている気はします。

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2005.05.07

【芝居】「シャッフル」パルコ劇場

2005.5.7 19:00

後藤ひろひとさんの手による、「ラブコメディー」なのだそう。伊原剛志、奥菜恵に加えて石野真子といういわゆる有名人布陣に、小劇場の強者たちを配した、微妙に豪華な布陣。8日までパルコ劇場。以降、名古屋、新潟、仙台、福岡、大阪を順に。

宝石の盗難事件を発端に、解雇されてしまった警備員と、捜査中の事故で、他人の姿が入れ替わって見える病にかかってしまった刑事のあれこれ。

刑事にだけは入れ替わって見えるけど、他の人にはふつうに見えるという、あるいみむちゃくちゃ舞台化しずらい設定。これを舞台で役者がやってみせるというのが面白いのです。頭で考えるよりはずっとわかりやすい入れ替わりの見せ方に舌を巻きます。

伊原剛、奥菜恵が魅力的。周囲を固める小劇場の強者たちが実に要所を押さえているので、どこまでいっても飽きずに見られるというのがすごいのです。石野真子を石野真子そのままで使うというアイディアも、実はいい方向に働いていると思います。カーテンコールの彼女は、初々しいんです。舞台など慣れてると思うのですが。

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【芝居】「宇宙猿」空想科学三人芝居

2005.5.7 15:00

西田シャトナー原作のSFを坂口修一×平林之英×末満健一による肉体的三人芝居にする企画公演。9日まで王子小劇場。

宇宙を旅する船の中。毎日暇つぶしに興じるものたち。冒険の目的を見失ってしまって、復活のアレコレを試す順番決めのためにゲームをしているのだ。

いろんな意味でピスタチオとか、西田シャトナーという人の影響を強く受けていると感じる芝居。カラダを酷使するパワーマイム的なものとか、細かく入る笑いとか、少々哲学的な感じとか。あまりに広がる世界が大きくて、このやり方以外では表現し得ないのだろうということもわかるのですが、ピスタチオをリアルタイムで体験したあたしには、正直、今更という感じもしないでもありません。

「毛」に執拗に拘る下りがあります。何かのメタファなのだろうとは思うのですが、あたしには、いまひとつピントこない感じがします。

以下ねたばれ

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【芝居】「笑顔の行方」シベリア少女鉄道

2005.5.6 19:30

大ネタを一気に見せて、誰にでも楽しめる演劇で人気の劇団。前回は大人の事情で不完全燃焼という噂も聞きつつの、雪辱をかけての、サザンシアター(え?)。11日まで、平日はe+得チケも出ています。1h30。

わりと彼らには得意なネタを持ってきたのだと思います。前半から薄々起きていることが後半で爆発する流れも得意なパターン。

得チケにつられて観た初日。問題外の出来。三鷹や駅前であれだけの機材を巧く回せたのに、広いとはいえ、こんな単純な機材をきちんと動かすことすら出来ないというのはどういうことなのだろうと思うのです。スタッフワークが機能していないのか、それとも、スタッフの準備ができないぐらい酷い状態になっているのか。後者ではないかと想像します。いくらなんでも。終演後、観客席では一発の拍手すら起こらなかったということを記しておきます。(つっても、ここの芝居だと、あっけにとられてそういうことはあるわけですが)

映像を使うのですが、半分以上、映像が出ないのです。この酷い状態でも役者は芝居を止めずによくがんばったと思うのです。リアルなショーマストゴーオン、ホントに。もっともネタがすごければ、これぐらいのトラブルはなんともないと思ったりもします。青空のようにスクリーンに映っていたのは、Macintoshの壁紙なのですが、なぜ大きな画面に出す前にコンソールのモニタで確認することができないのだろうと思うのです。

トラブルを巧く乗り切れないのは、ネタが観客の想定の範囲外に行けなかった(=なんか使い回しネタという気がする)から、という気がしてならばいのです。

以下ねたばれと、読んで不快にさせてしまうかもしれない腹立ち半分コメント。

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2005.05.05

【芝居】「暗い日曜日」クロム舎

2005.5.5 19:00

浪人生下宿を舞台に欝屈した行き場ないパワーに溢れながらも、コミカルでもありパワフルでもあり、見応えのある一本になっています。8日まで高円寺明石スタジオ。2h10。

美大浪人生の男ばかりの下宿、管理人の妻も行方知れずで。4浪男の熱いだけの想いの映画撮影。そこに行方不明の妻の妹が上京してくる。

意味なくパワフル、行き場のない欝屈からスタートしながら、そこに女性が一人くわわる化学反応、人の想いやら前向きな若者たちやら、もりだくさんでいろいろ無茶な展開あれども、すこしばかりの伏線と、押しきるだけのパワーを持ち合わせており、飽きずにみられます。 女性二人のしたたかさと怪しさも良い方向に働いています。

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【芝居】「Valencia」resetN

2005.5.5 15:00

スタイリッシュに、しかし人の断絶を描く持ち味の劇団の新作。ここ数作は笑いも入りずっと見やすくなっています。1h20弱。8日までザ・スズナリ。し、しまった。東京都以外ならば、前売りが格段に安いなんてわかってなかった。

友人と美容室を開いた男。部屋には恋人が居るのに、閉店後の店内で別の、少し派手な女と会い続ける男。やがて女の要求は。

ムーディーでシリアスな夜の場面と、会話は軽く、しかし物語の背景となる情報を提示する昼の店内を切り替えながら見せます。最近の彼らは、この軽い会話というか笑いを入れることが増えてきて、舞台にテンポが生まれ、物語がすっと入ってくるようになった気がします。つうか平たく言うと、アタシでも飽きずにみられるようになってきました。スタイリッシュさ一辺倒ではないのは劇団のカラーとしては難しいところでしょうが。

コミュニケーション不全というよりは内面に抱える問題が隠れすぎていて、観ている側からは終盤に起こるさまざまが唐突に過ぎる気はします。それでも、人物の描写が深く見えるのはたいしたものだと思うのです。反面、若手AV女優や、セールスマンの男など、ほんの少ししか出ない役というのもあって、小劇場的にはバランスが良くない感じもします。

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酒を呑む。

まあ、今に始まったことではないわけですが。

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2005.05.04

【芝居】「メイキング・オブ・チェーンソー大虐殺」オールツーステップスクール

2005.5.4 19:30

「スキップして行きたくなる学校」をコンセプトにした、演劇制作のための集団なのだそう。あたしは初見。会話とインタビューを重ねながら、ある事件の背景を浮かび上がらせていくのです。8日まで、こまばアゴラ劇場。

ええと、どこかで観たスタイルだと思うのです。観たことあれば一目で分かる、「チェルフィッチュ」のスタイルに酷似しています。マネ、とかパクリ、と観客がいうのは簡単なのですが、おそらく悪意はなくて、スタイルの後追い検証か、あるいはまったく独自に同じところにたどり着いたのだと、あたしは思います。

渋谷のホテルで殺された女。そこから遡る数ヶ月。地方都市らしい街、インタビュー取材に訪れるカメラマンとインタビューアー。近くの工場で働いていたのに、逃げ出してきた兄弟。若い女。出会ってすぐセックスしてしまったり、しまくってしまったり、ということをあれこれ描写しながら、事件へ至る過程を積み上げるのです。

語りの口調はひどく繰り返し、聞きにくい一人語りと、旧来の演劇のダイアログのスタイルをハイブリッドしたものだと、あたしの友人の感想。たしかにそう思います。ものがたりはまるで「三月の五日間」のように(というよりは、あれよりも)ひどくセックスに偏ってる気はしますが、あたし個人としては、その方がテンションが維持できて(←おい)見やすく感じるのも事実です。そのバランス感覚はたいしたもの。

「やりまくってる」最中のことを語る二人の仕草は直接的にすぎますが、面白い。

かつて「静かな演劇」というのがはやった時に、青年団のおおもとからスタートした似たもの(フォロアー)は、やがてそれぞれのスタイルを確立できたと思うのです。もしかしたら、本公演は、その潮流の一つ、なのかもしれません。

(追記)

デジタルからアナログ」さんからトラックバックをいただきました。それを読んで自分の文章の間違いに気づく情けなさ。一つまえの段落で書きたかったのは、「青年団からたくさん出てきたフォロアーたちが、それぞれのスタイルを作っていったのと同様に、チェルフィッチュから出てきた大きな流れの一つがこの劇団だろう。最初はチェルに似ている、と言われるかもしれないけど、やがてそれぞれのスタイルに定着していくんだろう」というようなことでした。

しのぶの演劇レビュー」さんで書かれている、役者の多くがウィッグというのは、あたしも感じました。ウィッグか眼鏡、すくなくともどちらかをしているというところにはたぶん何か意味があるんだろうなぁ、ぐらいに思ってました。

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【芝居】「ロスト」サラダボール

2005.5.4 15:00

断片の何気ない世界をえがきながらやがて緩やかに繋がる世界。事件は起きているけれど、描きたい主眼はそこにはないように思います。5日まで王子小劇場。

キッチン付きのリビングのような部屋。オリンピック開会式直前の雰囲気の町。 断片は緩やかにつながり、いくつか思わせ振りな関係が示されたりはしますが、語りたいことはいまひとつわからない、ような感じはします。

以下ねたばれ

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2005.05.02

【芝居】「ハメツノニワ」ヒンドゥ五千回

2005.5.2 19:30

パブリックシアターの若手応援企画。ヒンドゥー五千回の再演作。あたしは初見です。明日3日まで世田谷パブリックシアター。

白く敷きつめられた砂、中央から上に伸びる梯子。 独りぼっちで語る男、死体を埋めに来た男たちが死体を確認したり、来た少年にちょっかいを出し続ける少年、本を読む男に話かける男。いくつかの断片が静かに、ときにひどく騒がしくつむがれます。

思わせぶりだったり静かに過ぎる舞台はあたしの緊張感の持続には少々厳しかったりするのも事実なのですが、普段のフィールドがoffoffクラスだというのなら、場を作り出すちからをここまで出せるのならたいしたものだとも思うのです。 死体を巡るアレコレや無口な少年の本を巡るちょつかいなど、テンション高い部分は結構好き。反面、思わせぶりな台詞がどう繋がるのかなあといまひとつ腑に落ちないモヤモヤもあったりします。

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劇場の巣作り

「巣作り」って言葉がよく言われるのは、女優さんが楽屋や鏡前にあれこれ飾り付けたり、自分のお気に入りのものを置いたりするって意味がたいていなのですが、あたし的には観客も客席をいかに快適に過ごすかってのがあって、それをあれこれ。自分用メモ。

最近はほんとうに小さな劇場ばかりなので、そこに偏っていますが。

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2005.05.01

【芝居】「砂の上の植物群」KERA MAP

2005.5.1 19:00

ナイロン100℃とは別レーベルとしての、KERAさんのユニット、第三弾。初舞台の常盤貴子さんをはじめとする、豪華キャストで。休憩10分、3h15。14日までシアターアプル。

KERA MAP#001「暗い冒険」(2001.9 スズナリ)、#002「青十字」(2003.8 三鷹市芸文)と続く第三弾なのですが、いままで謳っていた、無名の新しい才能との出会い、という側面はずいぶん減っていて、新しい才能かもしれないけど、有名人、という位置づけの公演。おかげでチケット代は前売り8000、当日8500と高騰、初日は通路まで出すほどなのに(制作スタッフはほんとにがんばってた)、関係者と見られる空席がちらほら見えるというありがちな状態に。見ごたえのある芝居にはなっていますが、その「満足度をチケット代で割」って考えてみると、ちょっとなぁと、思わないことはありません。

以下ねたばれ

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【芝居】「のんデリな日曜日(4)」国民デパリ

2005.5.1 15:00

三軒茶屋、抜群のロケーションなカフェ、a-bridgeを舞台にした週替わり連続企画公演。1日夜のあとは、8日、22日。

想いを寄せる男が女にフラレる「だいすき」と怪盗勢揃いな「ブラジ」。役者個性を楽しむ舞台、捨て身だったり、普段は見られないようなキャラクタ。ビールでもお茶でも片手に。昼公演のあとは人少な目、もう一杯追加して、風を感じながら、”呑んデリ”にするのが、あたしはお気に入りです。

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【芝居】「足立区ver.3.5.1」チャリT企画

2005.5.1 13:00

早稲田劇研出身、アンサンブルを外れての公演。落書き、手鏡、国歌の3つの事実と、足立区の路上で起きたとするある事件を鮮やかシンプルに描く50分。1日夜までアゴラ劇場。Wキャスト3バージョン上演。

バンカラポップと名乗り、どちらかというと社会のあれこれを茶化す視点という印象の劇団だったのですが、枝葉を取り払ってみてみれば、まるで燐光群かと思うほどの社会派な印象。ことさら声高な主張はしなくても、おかしなことが起きているということを切り取って見せるのです。

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どようび。

昨日はかなりの飲んだくれ@自宅。

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【芝居】「笑うタンパク質」青年団若手公演

2005.4.30 19:30

団祭り後最初の青年団レーベルの芝居。井上こころさんの作演による、呟きのような芝居。5日まで、小竹向原のアトリエ春風舎。1h45。

女の部屋。同級生らしい人々、女と同居するもう一人の女。自分のこと、生きていくこと、老いていくことに想い巡らせ、行きつ戻りつする時間軸。

一緒に見た友人は、作家の箴言集(しんげんしゅう)なのだといいます(つか、あたし、この言葉知らなかった。知らないことっていっぱいあるなぁ)。確かに、あれこれの呟きという気もします。

割り算が出来るひと、つまりものごとを分けて整理して考える人を尊敬する。重力に逆らいきれない肉体。資本主義に沿う思春期、溶けてしまいたい混ざってしまいたい。男と女に分かれる前の少年。子房に包まれる。筋肉に包まれる。とがっている、丸い。そしてあたしの職業は(  )。

個々の断片の繋がりは希薄です。言葉や見方が一瞬一瞬に興味深いところがあります。が、全体を一つの流れで見ようとすると、どこから手をつけていいかわからずに、途方に暮れてしまうのです。

穴に向かって叫ぶシーンは印象的。台詞というよりは、あの穴を見つけたこと、その音の深さに驚くのです。考えてみればマンションの地下、当たり前にあるはずなのですが。

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