【芝居】「シナモン」ククルカン
2005.4.23 19:30
あたしは初見。ナツメグ、パプリカ、シナモンと続くスパイス三部作なのだそう。これが初めてでも、話しは成立していますが、たぶん前二作をみていれば、もっと楽しいはずの1h50。25日まで萬スタジオ。
ずっと彼女のことを追い続けるオトコノコ。ずいぶんと時間も経ってしまって、働いていたりするのですが、そいつらが、集まったときの空気は、子供のころのままで。職場のあの娘は、この先輩に夢中で、先輩は彼女に夢中で、彼女は中学生の頃からずっと、彼氏が出来たとおもったら、姿が見えなくなってしまって。
恋愛模様、というか、恋愛の糸がからみあって、ほどけません。人物たちも多すぎるような気がします。オトコノコの側からの、うつむき加減な一方的な想いの描き方は巧いと思います。反面、オンナノコたちは綺麗だったり、可愛かったりしてますが、気持ちが見えにくい感じ。まるで転換をするように、コマのように動いている感じすらします。他で見かけるキャストも多く、魅力的な布陣ですが、そう感じてしまうのは前2作を見てないから、でしょうか。
港のシーンの照明やその向こうに浮かび上がる顔(誰の、というとネタバレですね)の演出や、その迫力は見事だと思います。野口チヅルを演じた芳賀淳子さんのはっちゃけな感じが楽しい。吉田久代さんのメグミはタイトルコールのような役ですから、そのキャラクタであることが存在感。占いの彼のうつむき加減も、ちょっといい。
音響の凄さ、溢れんばかりの明かり。芝居を見るダイナミックさの一つなのは間違いありません。これらの力一つで、どれだけ芝居がすごいモノになるかと思うのです。初見のこの劇団、すごいのです。あたしの観た回では多少の音響事故はありましたが、まあ、許される範囲だと思います。事故について終わりに一言何かいってもいいかな、とは思いますが、このスタイリッシュさではちょっと厳しいのかもしれません。
ククルカン 「シナモン」
2005.4.21 - 4.25 大塚 萬スタジオ
作・演出 加東航
出演 三瓶大介 橋本恵一郎 吉田久代 白川直子 石井壮太郎(ダムダム弾団) 宇田川千珠子 太田真博 冠仁(Attic Theater) 芳賀淳子(Ele-C@) 堀池直毅(少年社中) 最上沙和子 森啓一郎(東京タンバリン)
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コメント
うっ、なるほど。スパイス三部作だったのですか。
チラシを見て、気になってはいました…。
投稿: kimura | 2005.04.24 09:56
1作目がナツメグこれが吉田さんがやってた女の子を主人公にした話。
2作目がパプリカ三瓶さんがやってた占い師が主人公の話。
でシリーズ物は続けてる内に登場人物は増えてく傾向にあるんですね。
死んでいなくなる人もいるのだけれど。
でシリーズ物はやはり情報量の蓄積がある方が寄り面白いというのはありまして、人間関係も新たに憶えなくても良いですし。
G2プロデュースのビッグビズシリーズのように直前に再演とかしてみるとか。
やり方はあるんでしょうが難しいですね。
投稿: きいちゃん | 2005.04.25 14:00