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2005.04.10

【芝居】「乱暴と待機」劇団、本谷有希子

2005.4.10 14:00

一見病的なのに、その裏に潜む気持ちの深さが印象的な一本。少人数で濃密な舞台は、この劇団の代表作になりそうな予感すらします。17日まで新宿シアターモリエール。

なんせオールナイトニッポン(ANN)のパーソナリティで、あたしのごく身近な数人はもりあがってるわけですが、そこにこの一本を持ってくる底力と戦略に唸らずにはいられません。受賞のタイミングと前回公演、ANNと今回の公演など、あまりにタイミングが絶妙でできすぎている感すらしますが、まあ、それも戦略のうち。モノにしているのならたいしたものです。

大昔のある恨みを果たそうと、その女と同居する男。復讐を受けるために溜まる女。どうみても気持ち悪い二人の関係を面白がる男の同僚とその恋人。自らを「めんどくさい女」で「自意識過剰」という作家の微妙さが炸裂。めんどくさいというのは、気持ちの表現のまわりくどさ。一見暗くて気持ち悪いのだけど、涙ぐむほど、気持ちが震えるのです。見応えのある一本でおすすめなのです。

劇団、本谷有希子「乱暴と待機」
2005.4.8 - 4.17 新宿シアターモリエール
作・演出 本谷有希子
出演  馬渕英里何 市川訓睦(拙者ムニエル) 多門優(THE SHAMPOO HAT) 吉本菜穂子

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コメント

この土曜日、アクセス数(visit)が一気に350を突破。page viewで1286。サイト的には新記録(ふつうは200ぐらいをうろうろしてます)なのです。

検索ワードトップ「本谷有希子」(14.4%)、「もとやゆきこ」(3.4%)、「乱暴と待機」(3.2%)、「本谷」(1.4%)で上位4つ独占。(ちなみに五位は「メタリック農家」)

すごいなぁ。ちょっときてますか、これ。

投稿: かわひ_ | 2005.04.17 01:50

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