【芝居】「真紅(sync)-trial mix」G.O.D.system神様プロデュース
2005.3.14 19:00
彼らの旗揚げとなった作品の再演だとか。あたしはこの劇団二回目。公演は終了。
ほぼ素の舞台、カッコイイ音楽、スピード感溢れる演出と役者。いくつかの物語を積みかさねて大きく描くシンプルなメッセージ。見た目の雰囲気が実に早稲田劇研的、というか第三舞台的だったりbird's eye view的だったりします。というか、劇団webによれば、そもそも bird's eye view(の前身劇団)とは同じ日大芸術学部で関係も深いのではないかと思われます。なるほど、スタイルのそこかしこに類似するところも。
生まれ落ちることは不幸なこと、それでも生きて行くのは、誰かに必要とされる、心臓の鼓動のsync。でも、その声が彼女には聞こえないってことの絶望。
二歳、小学生、中学生、高校生、大学生と順を追って描かれる少女の生い立ちは途中までえらくコミカルですが、潜む深い暗部。愚鈍だったり人と馴染めない、高校は青春してたけど、どこか違和感、大学に入ってからスライドで説明される強姦に至る下り、新たな彼も結局は同じで。という絵に描いたような不幸な 物語。ありきたりかもしれないけれどメッセージはシンプルで見せかたは多彩で飽きないのです。
彼等が不幸なのは、上にも書いた「似たもの」の存在なのですが、若い役者と作演出はその方向の真っ向勝負を挑みます。次回からは作法を変えようという当日パンフの言葉、いままでの集大成なのだといいます。その宣言にたがわず、見応えのある一本で、実にあたし好みなのでした。開演前のフルボリュームの音楽も気持ちいいのです。
G.O.D.sytem 神様プロデュース「真紅(sync) - trial mix -」
2005.3.11 - 3.14 王子小劇場
原案・構成・演出 森達也
出演 野口雄介 鈴木華菜 神野剛志 横山浩司 仲田真一郎 山崎智一 小松君和 高橋沙織 西村恵美 塩田良平
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コメント
先行する似た存在、と思われる bird's-eye view より、こういうスタイルになったのはこちらのほうが早いらしいんですけどね、実は。
前身の「幻想航海図」時代も知ってる人によると。
しかもどちらも早稲田の劇研じゃないらしいし。
樂日は字幕、読みやすかったですか?
初日は、暗くて読みにくかったっす。
でも今回は、以前に見たどの公演より全体像は掴みやすく、わかりやすかったです。
投稿: おくむら | 2005.03.15 00:04
補足。
わたしが話を聞いた人も、バーズの前身(鳥瞰図しばらく、でしたっけ?)まではご覧になってないと思うんで、“どっちが先か”ってのは、正確には何とも言えないようですが。
投稿: おくむら | 2005.03.15 00:18